明智小五郎と少年探偵団が活躍するシリーズの第3弾。
この作品ではこれでもか、これでもか、と様々な事件が起こっていくが、その目的はただ一つ、明智と探偵団への復讐!
ということで、前作ラストで死んだと思われていたアノ人物が、堂々と復活宣言。
本人が正体を明かす前に明智が既に勘付いているというのは流石だが、読んでいる方にしてみれば当然といえば当然でもある。
そしてあの手この手で復讐の罠を仕掛けるのだが、結構大仕掛けな割りに、結果的にスケールは小ぶり。
このあたり件の怪盗は冷酷非情な極悪人ではなく、趣味人なのだなぁと窺わせる。
実際に探偵団の面々が痛い目に遭うことよりも、自分の満足を優先させているようだ。
ラストではあっさりと明智に敗北を認めたりする潔さも持ち合わせているのが、このキャラクターの魅力だろうか。
ちなみにタイトルにある「妖怪博士」とは、本作に登場する怪しげな人物”蛭田博士”の異名という設定らしいが、作中にはその名前で呼ばれたり、自称するシーンはない。
勿論その正体は、かの変装の名人であるのは自明のことである。