『医学のたまご』 海堂尊
2008年 12月 25日

<桜宮サーガ>の中では今のところ最も未来(=2020年)を舞台にしたお話で、実力以上に評価されてしまい、本人の意思とは別のレベルで物事がどんどんと進み、大人の都合で右往左往させられてしまった少年の苦悩というか困惑を、薫本人の一人称という形で描いている。
高階学長、垣谷教授、田口教授(!)、如月翔子看護師長、といった馴染みのある名前が出てきたり、薫の友人の一人が『夢見る黄金地球儀』の主人公の息子だったり、相変わらず「ハイパーマンバッカス」のシリーズが放送されていたり、と他作品とのリンクは健在。中でも一番の驚きは佐々木アツシの再登場だろう。この世界、これからどうなっていくのだろうか。
本来は軽いコメディとして読むべきなのかも知れないが、周囲の無理解な大人、というよりもハッキリとした物語上の悪役の存在が、その立場を鮮明にしていくに従って作品に暗い影を落していき、怒りや憤りを覚えるもののその溜飲が下がることはなく、何やら説教じみた結末へと導かれてしまうこともあって、あまり後味の良いものにはなっていない。それはそれで感情移入しすぎなのかも知れないが。

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)/海堂 尊 ¥1,365 Amazon.co.jp 僕は曽根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達しているけど、英語は苦手。愛読書はコミック『ドンドコ』。ちょっと要領のいい、ごくフツーの中学生だ。そんな僕が、ひょんなことから「日本一... more

海堂尊/著 続々と読んでいます(笑)こちらは『夢見る黄金地球儀』よりも先の桜宮市について書かれています。ちなみに横書きですが、慣れてくれば違和感はあまりないでしょうか・・・。ひょんなことから全国テスト1位になってしまった中学1年生の曽根崎薫は、飛び級で東城大学医学部に入学するお話です。(といっても実際は中学にも通っているんですが。)1位になったといえども、訳アリなので普段は普通以下の成績の薫が、周りの人たちに支えられながらがんばっていくんですけれど、いつもの作品よりも医学部っていうか理系は大変そう...... more

装画はヨシタケシンスケ。ブックデザインは守先正+高橋奈津美+輪湖文恵。 「日経メディカル」連載。理論社ミステリーYA!シリーズ。 桜宮市に住む普通の男子中学生、語り手の曾根崎薫はある出来事から 溺..... more

『医学のたまご』 海堂尊 理論社【comment】本作は、東城大学医学部を舞台にしたシリーズの番外編だ。中高生向けに書かれた作品だが、大人でも十分楽しめる作品に仕上がっている。子ども向けという事で横書きに書かれていて少々読み難いが、読みはじめればすぐに慣れてしまうだろうし、シリーズをご存じならば、高階院長、田口先生、如月看護婦らが特別ゲストのようにちょこっと登場してくれるのが嬉しいはずだ。 -story-僕は曽根崎薫、14才。歴史はオタクの域に達してい...... more

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)ヨシタケシンスケ 理論社 2008-01-17売り上げランキング : 3375おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools ≪内容≫ 僕は曾根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達してるけど、英語は苦手。愛読書はコミック『ドンドコ』。...... more

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!) 海堂 尊 JUGEMテーマ:読書 曾根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達してるけど、それ以外の教科は…。愛読書はコミック『ドンドコ』。そんな僕が、ひょんなことから「日本一の天才少年」となり、東城大学の医学部で医学の研究をすることに。そんな「普通の中学生」が最先端の研究をめぐる医学界の熾烈な争いに巻き込まれていく・・・。 「日経メディカル」に2007年2月から2008年1月まで連載していたものです。実は職場に日経メディカルが毎...... more

「医学のたまご」 海堂尊 理論社 桜宮市に住む歴史オタクの中学生曽根崎薫は、歴史以外はほぼ劣等生。 両親は幼い頃離婚して、ママの顔も知らないし、双子の兄弟とも離れ離れ。 しかもパパはアメリカにいて、毎朝くれるメールは朝食のメニューだけ。 そんな平和な薫の生活は、ある日をさかいに激変した。 学年や既存の教科の枠にとらわれずに潜在的に研究能力の高い中学生を選ぶテストで、 全国1位をとったからだ。 文部科学省のプロジェクトとやらで、 いきなり地元の名門東城大学医学部に入学して...... more

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)海堂 尊理論社このアイテムの詳細を見る 今回は、海堂尊『医学のたまご』を紹介します。ある中学生が、大学の医学部で医学の研究をすることになった。その大学の研究時の奮闘を描いたものである。初っ端から、新しい発見をして、研究所は大騒ぎなのだが..。そこから話がどんどん進んでいく。 まず、気になったのは章のタイトルが面白いなあと感じます。章のタイトルは教訓めいたものになっている。これは、人生において大切なものなのではないかと思えるものばかりになってい...... more

さらっと読めるジュブナイル小説(中高生向け小説)です。 最初のうちは,横書きが,ジュブナイルではない私には鬱陶しかったけど, すぐ慣れました。 ★★★☆☆ 僕は曽根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に樽..... more

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)海堂 尊理論社このアイテムの詳細を見る 今回は、海堂尊『医学のたまご』を紹介します。ある中学生が、大学の医学部で医学の研究をすることになった。その大学の研究時の奮闘を描いたものである。初っ端から、新しい発見をして、研究所は大騒ぎなのだが..。そこから話がどんどん進んでいく。 まず、気になったのは章のタイトルが面白いなあと感じます。章のタイトルは教訓めいたものになっている。これは、人生において大切なものなのではないかと思えるものばかりになってい...... more

医学のたまご (ミステリーYA!)クチコミを見る 出版社: 理論社 (2008/1/17) ISBN-10: 4652086202 評価:85点 内容(「BOOK」データベースより) 僕は曾根崎薫、14歳。歴史はオタクの域に達してるけど、英語は苦手。愛読書はコミック『ドンドコ』。ちょっと要領のい...... more

海堂尊著「医学のたまご」を読了しました。この本は、海堂さんが中高生向けに書かれた小説というだけあって、主人公を中学生設定し、その主人公の一人称で物語が進んでいくため、とても読みやすいく仕上がっています。 内容ですが、ごく普通の(というか劣等生ぎみかも)中学生・曽根崎薫が、ひょんなことから、「日本一の天才中学生」という事になり、東城大学医学部で医学の研究をする事になってしまう・・・というストーリーです。時代は今より約10年程未来の2022年頃となっています。この頃になると、日本でも飛び級とか出てくるの...... more


それまでに起きた出来事などこれから作品になっていくのかな?と思いました。
田口センセが出世してるのにビックリ。
他にも三船事務長なんてすっかり居ついちゃってるみたいですね(笑)。
リンクはやりすぎの感もありますが、それでも何か楽しいですよね。
全く別の舞台設定の新作が出たとしたら、例えムチャクチャ面白くてもどこか寂しく感じるだろうと思います。

>中でも一番の驚きは佐々木アツシの再登場だろう
私もビックリしました。あの子がこんなに大きくなって(*^_^*)
年代も登場人物も,だんだんごっちゃになってきた桜宮ワールドです。だれか分かりやすくまとめてくれないかしらね~(人頼み^^)
昨日かな、2月号が発売されたので店頭から姿を消しちゃったと思いますけれど、「野性時代」の1月号が海堂作品の特集を組んでまして、人物相関図や人名事典なんかも載ってました。
これがなかなかコンパクトにまとまっていたかなぁ。
あとは最近出た『ジェネラル・ルージュの凱旋』文庫版の下巻に、簡単な年表が付いてます。
web上では熱心なファンサイトもあるようですが、イマイチわかりにくいような・・・(汗)。