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『医学のたまご』 海堂尊

『医学のたまご』 海堂尊_e0033570_628537.jpg落ちこぼれ気味の中学1年生・曾根崎薫の父親は、世界的なゲーム理論学者。その父が作成した「潜在能力試験」を受けた薫は、父の問題作成を手伝っていた関係で全国1位の成績を収めてしまう。文部科学省の特別教育プログラムに選ばれてしまった薫は、あれよあれよという間に東城大学の医学部で研究をする羽目に・・・?!

<桜宮サーガ>の中では今のところ最も未来(=2020年)を舞台にしたお話で、実力以上に評価されてしまい、本人の意思とは別のレベルで物事がどんどんと進み、大人の都合で右往左往させられてしまった少年の苦悩というか困惑を、薫本人の一人称という形で描いている。

高階学長、垣谷教授、田口教授(!)、如月翔子看護師長、といった馴染みのある名前が出てきたり、薫の友人の一人が『夢見る黄金地球儀』の主人公の息子だったり、相変わらず「ハイパーマンバッカス」のシリーズが放送されていたり、と他作品とのリンクは健在。中でも一番の驚きは佐々木アツシの再登場だろう。この世界、これからどうなっていくのだろうか。

本来は軽いコメディとして読むべきなのかも知れないが、周囲の無理解な大人、というよりもハッキリとした物語上の悪役の存在が、その立場を鮮明にしていくに従って作品に暗い影を落していき、怒りや憤りを覚えるもののその溜飲が下がることはなく、何やら説教じみた結末へと導かれてしまうこともあって、あまり後味の良いものにはなっていない。それはそれで感情移入しすぎなのかも知れないが。
Commented by みゆみゆ at 2008-12-25 20:30
そうそう、田口教授!!ですね!!
それまでに起きた出来事などこれから作品になっていくのかな?と思いました。
Commented by odin2099 at 2008-12-25 22:56
>みゆみゆさん

田口センセが出世してるのにビックリ。
他にも三船事務長なんてすっかり居ついちゃってるみたいですね(笑)。
リンクはやりすぎの感もありますが、それでも何か楽しいですよね。
全く別の舞台設定の新作が出たとしたら、例えムチャクチャ面白くてもどこか寂しく感じるだろうと思います。
Commented by そら at 2009-01-14 16:55
エクスカリバーさん,こんにちはっ♪

>中でも一番の驚きは佐々木アツシの再登場だろう

私もビックリしました。あの子がこんなに大きくなって(*^_^*)
年代も登場人物も,だんだんごっちゃになってきた桜宮ワールドです。だれか分かりやすくまとめてくれないかしらね~(人頼み^^)

Commented by odin2099 at 2009-01-14 22:48
>そらさん

昨日かな、2月号が発売されたので店頭から姿を消しちゃったと思いますけれど、「野性時代」の1月号が海堂作品の特集を組んでまして、人物相関図や人名事典なんかも載ってました。
これがなかなかコンパクトにまとまっていたかなぁ。
あとは最近出た『ジェネラル・ルージュの凱旋』文庫版の下巻に、簡単な年表が付いてます。
web上では熱心なファンサイトもあるようですが、イマイチわかりにくいような・・・(汗)。
by odin2099 | 2008-12-25 06:28 | | Trackback(13) | Comments(4)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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