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『木曜組曲』 恩田陸

『木曜組曲』 恩田陸_e0033570_22541338.jpg女流作家・重松時子が謎の死を遂げてから4年。その日その場に居合わせた縁の者たちは、それ以来毎年「うぐいす館」と呼ぶ彼女の家へと集まるのだった。
編集者のえい子、ノンフィクションライターの絵里子、売れっ子のサスペンス作家である尚美、純文学作家のつかさ、小さな出版プロダクションを経営している静子の5人は、今年も時子を偲ぶ会を開いていたのだが、そこに謎のメッセージを添えた花束が届けられたことから、彼女たちに緊張が走る。宛先は「重松時子さんの家に集う皆様に」、そしてメッセージの内容とは「皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のための花を捧げます」。
遺書が見つかったことから時子の死は自殺と断定されたのだが、はたしてそれは他殺だったのか? 時子を殺害した犯人はこの中にいるのか?!
いつしか彼女たち一人一人は、思いかけない告白と告発を行っていくのだった・・・。

一軒の家に集まった5人の女性の、三日間の物語。しかもディスカッションだけで展開されるという心理サスペンスである。
登場人物たちと故人との関係も微妙で、静子は時子の異母妹、静子の母の妹の娘が絵里子、時子の弟の娘が尚美、その尚美の異母姉妹がつかさ、そしてえい子は時子を”発見”し、以後は二人三脚で作品作りをしてきた、という間柄。単なる仲良しの集まりではなく、各人夫々が時子に対しての様々な思いを秘め、また時子自身も各人には複雑な思いを抱いていたらしいことが徐々に明かされていく。
そしてその日、時子に何があったのか――?
劇的な展開ではないものの、じっくりと読ませ、じわじわと来る面白さがある一篇。映画にもなっているので是非観てみたいと思うが、この面白さを伝えるならば舞台劇の方が相応しいかも知れない。
ただ個人的にはこの結末、何となく肩透かしを食らったような気分なのだが、それは自分の読み込みが足りないせいだろうか。
Commented by そら at 2009-01-05 07:29
エクスカリバーさん,初めまして♪
TBありがとうございました。

>この面白さを伝えるならば舞台劇の方が相応しいかも知れない。

私も同じことを思いました。ちょっとした舞台を観ているような作品でしたね♪
Commented by odin2099 at 2009-01-05 22:05
>そら様

いらっしゃいませ。どうも有難うございました。
場所が限定されていますし、登場人物も少なくディスカッションで物語が進んでいくので、舞台劇にしたら面白そうですよね。
もっとも出演者の技量が相当ないと、締まった作品にはならなさそうですが。
映画版は未見なのですが、どんな感じなんでしょうか。

それではこれからも宜しくお願いします。
Commented by ☆チュウ☆ at 2009-01-11 21:42
大好きな恩田さんの中でも、好きな作品のひとつです♪
美味しそうな物を飲み食いしながら、ひたすら話す!
っていう議論物とでもいいますか…好きなタイプなんですよね(⌒▽⌒)
DVDも見ました。若干、キャスティングはどう?って感じもしましたが…雰囲気は原作のイメージで、なかなか面白かったです。
でも、恩田さんのファンじゃないダンナは、単調すぎて…って言ってましたが(;^_^A
TBしてくださり、ありがとうございました♪
こちらからも、させてくださいね。(うまくできたかな?(^o^;)
Commented by odin2099 at 2009-01-12 13:19
>☆チュウ☆様

恩田作品は映画公開に前後して『夜のピクニック』を買ったものの積読状態でして、これが初めて読んだ作品でした(汗)。
なので他との比較は出来ませんけれど、会話だけですすむ、血の出ないミステリーというのは良いですね。
映画版も観てみたいのですが、キャストを見ると自分の抱いていたイメージとはかなり違う・・・(苦笑)。
それはそれで愉しみではあります。
by odin2099 | 2009-01-01 22:54 | | Trackback(4) | Comments(4)

悪文礼賛


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