『地球の静止する日』(1951)
2009年 01月 09日
昨年リメイク版として作られた『地球が静止する日』をやっと観てきたので、今度はオリジナル版も再鑑賞。半世紀以上前に作られた作品だが、充分に楽しめた。

以前観たときは充分に異星人っぽいというか、独特の存在感を感じたものだったけれど、異質なのは無表情演技のキアヌが上。それに比べるとレニーはかなり饒舌だ。
その反面、キアヌは胡散臭さが勝ってしまい、知的で友好的な平和の使者として相応しいのはレニーの方。彼の方が大人で、全てを承知の上で決断を下している、地球人よりも遥かに進んだ文明の代表者という雰囲気は良く出ていた。
一方でキアヌは、人間的な感情的な判断とは無縁なレベルで、客観的論理的に断を下している印象がある。
どちらが良い悪いではなく、演じる役者によって同じような役回りでもかなり異なるのだな、と思った次第。
ただどっちの作品が好きかと言われると、やっぱりこのオリジナル版。
技術的には稚拙で、登場人物も類型的に造型されている面もあるけれども、正面切って堂々と照れずにメッセージを謳い上げている姿勢は尊重したい。
リアリティという点では当然リメイク版に一歩も二歩も譲るだろうが、”夢物語”、ロマンスという要素も含めてオリジナル版に軍配を上げたい。
<追記>
原作は全く違ったテイストの作品で、映画を知っている人ほどその意外性が楽しめると思う。
リメイク版も原作とは違う話で、あくまでも原作小説の再映画化ではなく、映画版のリメイクになっている。

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ゴートのデザイン、割と気に入ってますよ。如何にも50年代60年代なテイストで。
子どもでも描けるシンプルなラインですよね。
作品自体もこの時期には珍しくゲテモノではなく、大人向けに作られた作品でした。