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『催眠』(1999)

松岡圭祐の『催眠』を原作としたサイコ・ホラー映画で、稲垣吾郎、菅野美穂、宇津井健が主演し、『パラサイト・イヴ』でJホラー(という表現はもう使わないか)の立役者となった落合雅幸が監督した作品。

『催眠』(1999)_e0033570_13211066.jpg常識では考えられない変死事件が続発していた。一見自殺とも見えるがその動機は弱く、その死に際に「ミドリの猿」という謎の言葉を残しているという共通点もあった。捜査に当たっている櫻井刑事に請われ協力することになった心理カウンセラーの嵯峨敏也は、死亡者がいずれも催眠暗示をかけられていた可能性を示唆する。そんな時、催眠術を見世物にしているテレビ番組に出演していた女性が、「ミドリの猿」と口にしていたことに気付いた櫻井と嵯峨は、その女性・入江由香が何らかの鍵を握っていると睨み、接触を図ろうとするのだったが・・・。

もう10年前の作品になりましたね。ホラー好きの友人から薦められて観た作品で、その人は「怖くてダメ」と言ってましたけれど、意外にもホラー嫌いの自分はそれほど怖さを感じませんでした。
それでも多重人格障害者を演じた菅野美穂の怪演や、事件の全貌というか黒幕の正体が不明瞭な点、それに事件は未だ解決していないことを匂わせるラストまで、じわじわと後を引く怖さはありました。

ただ、後になって原作小説を読んだ時はビックリ。嵯峨というカウンセラーの存在と、入江由香の設定以外はまるで別物。原作ではホラー色は皆無で、連続殺人事件なども起こりません。よくこれで原作者がOK出したものだなあと思ったのですが、どうやら原作とは徹底的に変えて欲しいというのは原作者側からの要望だったようですね。それにしてもジャンルから何から様変わりです。
最近原作を読み直したので映画も観直したのですが、やはりこれは別種の作品でしょう。

嵯峨のキャラクターも由香のキャラクターも原作とはまるでイメージが異なりますが、原作者は気に入ったようで、以後は原作シリーズの方を映画のイメージに合うように改変しています(最近はまた更に書き直しているようですが)。
そして映画のヒットを受けて、直結はしないものの続編映画である『千里眼』と、こちらは映画を受けたTVドラマ・シリーズ版の『催眠』も作られ、小説版とはパラレルワールド的な広がりを見せ、現在に至ります。
Tracked from カフェビショップ at 2009-01-11 20:12
タイトル : 催眠
催眠 これは「北京原人」と双璧をなす傑作コメディーだ。 オープニングから笑わせてくれる。 K2の堀部さんがでてきてネクタイで自分の首を絞めながら、 顔をケーキまみれにして死ぬ姿がおかしくてしょうがなかった。 ものすごく怖いシーンのはずだが、どうしても笑..... more
Tracked from 犬神狂介の【狂人日記】・.. at 2009-01-12 09:59
タイトル : 催眠
【1点】 ●SMAPの稲垣吾郎主演のミックス・ジャンル作品。 サイコホラーとして語り始められるが、終盤で、いきなりホラーになって終わる。 この時点で、フツーなら「何コレ~?バカじゃん!?」とゆー評価にしかならないと思うが…もともと、このジャンルは、映像化が不可能に近いのである。 何せ、本家のクーンツの作品だって、かなりの数が映画化されているものの…内容的には、ほぼ全滅状態なんだから!! ●良く言えば、日本では珍しい、「クーンツっぽい」作品だ。 が、まぁ…悪く言えば、カンペキに「破綻」し...... more
Tracked from ベルの映画レビューの部屋 at 2009-02-01 16:49
タイトル : 催眠
催眠 サイミン ¥1,764 (1999) 出演 稲垣吾郎 (嵯峨敏也/心理学者)     菅野美穂 (入絵由香)     宇津井健 (櫻井孝典刑事)     升毅 (実相寺則之)     渡辺由紀 (三井恵子/刑事、櫻井の部下)     小木茂光... more
Tracked from ホラー映画勝手にランキン.. at 2009-04-06 17:13
タイトル : 催眠
先日破局した稲垣吾郎と菅野美穂が交際するきっかけとなった作品なんですが、菅野美穂って相変わらず強烈です^_^;イグアナの娘しかり富江しかり変わった役柄が多いですが、その役を見事やりこなすのが菅野美穂のスゴイところ。なにかに怯える由香、現実逃避の宇宙人、そしてヤリマンの娼婦。とどめのもう一人が強烈です。目が真っ黒で心が全くありません。よくあんな演技を目の前で見ておいて好きになるなぁってくらい強烈です(^。^)... more
by odin2099 | 2009-01-11 13:21 |  映画感想<サ行> | Trackback(4) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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