『義姉/武芸者 冴木澄香』 睦月影郎
2009年 01月 23日

道中、遂に目指す仇と出逢いますが、実はこれが長身の女剣客。そして丈九郎は、この冴木澄香にも憧れの念を抱いていたのです。
剣の腕はからっきしダメな丈九郎と美苗では、澄香の相手になりません。澄香は美苗に、丈九郎と相討ちになったことにして国許へ帰るように薦めます。
そして丈九郎は、澄香と連れ立って江戸の街へとやってきて二人で暮し始めるのですが、気の多い丈九郎、今度はお世話になった読売屋の娘とも好い仲になって・・・。
時代小説だと思って読み始めたら、実は時代”官能”小説でした。
180センチ強の長身の女剣士なんて面白いキャラクターだな、と思っていたのですが、副題にまで名前があるのに結局は丈九郎のお相手の一人、というポジション。
また彼女が江戸でお世話になる道場には近藤勇や土方歳三、沖田総司もいて何かと彼ら二人と関わりが出来たりもするのですが、それも有名人をちょっと脇においてみました程度の扱い。何か勿体無い感じです。
でも、メインはやっぱり”あの”シーンを描くことなんでしょうね。
他の可能性を探ることはせず、実直に一つの目的に邁進してるといったところでしょうか。