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『悲しみよこんにちは』 フランソワーズ・サガン

17歳のセシルは父と一緒に海辺でヴァカンスを楽しんでいた。セシルの母は早くに亡くなっており、プレイボーイである父レイモンの新しい恋人エルザと三人で別荘に滞在、隣の別荘にいた大学生のシリルとの恋も芽生え、楽しい夏を送っていた。ところがそこへ亡き母の友人アンヌが合流し、事態は大きく変わり始める。
美しく聡明なアンヌはセシルの憧れの存在でもあったのだが、凡そ不釣合いと思われた父との間に再婚の話が持ち上がったのである。母親として接し始めたアンヌに、今までの父との気楽な生活が脅かされると感じたセシルは、シリルやエルザを巻き込んである計画を立て始める・・・。

『悲しみよこんにちは』 フランソワーズ・サガン_e0033570_1226292.jpgこの作品を書いたとき、サガンは18歳か19歳ぐらいだったとのこと。
多分、その時の彼女と幾らも違わない学生時代に読んだことがありますが、こういう物語を思いつくことも出来ず、ヒロインの心理状態をトレースすることも出来ず、ただただ圧倒されたことを覚えています。
ジーン・セバーグが主演した映画版を観たのとどちらが先か覚えていませんが、セシルの心の動きを把握は仕切れなかったものの、グイグイと物語に引き込まれ、常に心の片隅に残っているような気になる作品の一つになりました。

作品が発表されたのはもう半世紀以上前、それにサガンが亡くなって既に数年が経っていますが、最近になって新訳版が刊行されたので、興味を持って再読しました。今ちょっと手許に旧訳版がないので比較することは出来ませんが、”古典”的なイメージは全くといっていいほどありませんね。時の流れを確実に乗り越えた作品で、お勧めの一冊です。

そういえば最近、サガンの伝記映画が製作され、日本でも近々公開されるようですが、どんな作品になっているのか興味がありますね。
また他のサガン作品、例えば『ブラームスはお好き』なども読んだことがないので、そちらも読んでみたいと思っています。
Commented by takemasa at 2009-01-24 22:11 x
トラバありがとうございます!
死に追いやった人のことさえもたいした罪悪感なしにサラッと終わりにしているのが印象的でした
Commented by odin2099 at 2009-01-24 22:29
コメント、ありがとうございました!

セシルには罪の意識というものがあまり感じられませんね。
それが逆にリアルだったりします。
まぁ今の世の中には、もっと無感動・無関心な人が沢山いるみたいですけれども・・・。
by odin2099 | 2009-01-24 12:26 | | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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