『エア新書/発想力と企画力が身につく”爆笑脳トレ”』 石黒謙吾
2009年 01月 24日
ようするに「エア新書」って「架空の新書」ってことなんですな。
今は30種類以上の新書が出てるんだそうで、”空前の新書ブーム”などと言われてるようですが、確かに店頭に毎月毎月ズラズラーっと新刊が並んでますねー。
昔は新書というと、岩波新書とか講談社現代新書とか中公新書とか「お堅い」イメージがありまして、それはそれで好きだったんですけどね、なんか大人っぽいというかインテリっぽい香りがして。でも今はかなりくだけた内容のものも増えてきて、凄くバラエティに富んでいるので本屋さんの新書コーナーを見るのも楽しくなりました。
中には、コレを新書で出すの?・・・なんて思っちゃうのもあったりしますが、そのあたり保守的なのかも知れません。
で、この本は「もしこの人がこんな新書を出したなら」と仮定して、書名やら帯につけるコピーやらを勝手に作り上げちゃった、というものです。
誰が、どんな内容で書き、それにどんなコピーを添えるか、これを考えることが脳のトレーニングになるんだというのが著者の主張のようですが、そんな小難しいことは置いておきましょう。
中身は架空の新書の表紙と帯、それに裏表紙だけで構成されていまして、これがなかなかツボを押さえたもの。ページを開いてひたすらニヤリとしたり、ゲタゲタ笑ったりすればOKなのです。
例えば
『口元曲げれば日本が変わる/斬新なリーダー論』 麻生太郎
――改革の第一歩は表情から!斜めの視点、斜めの語り
『親離れしたい時に読む本/ウザイ父にトホホなあなたへ』 横峯さくら
――浜口京子さん絶賛「感謝と重荷の葛藤が伝わってきました!」
『知識を増やし過ぎた日本人/それを知らなくてもOK牧場!』 ガッツ石松
――「無知の知」私の訓を本当に理解した人類は彼だけである ソクラテス
『球界の中心で愛をぼやく/こわいカミサンの言うことを聞け』 野村克也
――「ノムラスコープ」で女房の心理を9分割
『秘密はバレる前にバラせ/仕事を呼び込む開き直り術』 小倉智昭
――「カッコワルイことがカッコイイ」タブーのようでタブーじゃないネタに、本人自らが鋭く切り込む。
『顔は変わってあたりまえ/成長し続ける美女の法則』 押切もえ
――妬む人なんて気にしない
『ビンタの品格/叩けよ、さらば救われん』 アントニオ猪木
――気持ちの入った平手打ちには神が宿る
『ママでもできる大外刈りの技術/男に襲われたら「狙うは金!」』 谷亮子
――通り魔多い恐ろしい時代、子供を暴漢から守りたい!
『最強のアンチエイジング!入浴/浸り続けて23年』 由美かおる
――覗き穴だけが見てきた40年変わらぬボディサイズ
『キャンディーズファンが国家の安全を保障する/青春の思い出を胸にアツイ中年が立ち上がる』 石破茂
――ミキ派としての国防論
『漬物屋はなぜ潰れないのか?/辰っちゃんの太腕繁盛記』 梅宮辰夫
――ミズモノの芸能より水モノの漬物が成功を招く
『大きな胸のあの人で/巨乳ビジネス進化論』 野田義治
――芸能界の名物社長が語る本物のカップ論
『Xなプロジェクトの語り方/その時、先に口を開いたのは、田口だっ・・・た』 田口トモロヲ
――どうすれば、なんでもないことを重々しく伝えられるのか?
・・・こんなネタが100もあります。
お気に入りはどれですか?