『ブラック・コーヒー〔小説版〕』 アガサ・クリスティー
2009年 01月 27日

といってもリライトしたのはクリスティー本人ではなく、チャールズ・オズボーンという人物らしい。この人はクリスティーの研究家として知られ、他にもクリスティーが書き上げた戯曲の小説化に取り組んでいるのだとか。
元が舞台劇の台本だからなのか、それとも書き手がクリスティーではないからなのか、これまで読んできたポワロ物とはちょっと違った雰囲気。まぁハッキリ言えば、読んでいる間ずーっとイライラさせられっ放しだった。
ポワロが思わせぶりで秘密主義なのは今に始まったことじゃないけれども、他にものべつ幕なしにとりとめもないことを喋り続ける人物だとか、告白しようとしては躊躇してしまう人物とか、余計な部分が多すぎる気がしてならなかった。
そして真犯人の意外性もない。
誰もが胡散臭くて怪しげなだけに、その中の一人が犯人でした、と言われてもフーンてなところ。まぁ敢えて言えば、比較的影の薄そうな、存在感の乏しい人だったのが意外といえば意外なのかな。
とりあえず今度はちゃんとしたポワロ物を読んでみようと思う。