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『シャーロック・ホームズの殺しのドレス』(1946)

『シャーロック・ホームズの殺しのドレス』(1946)_e0033570_2316507.jpgアメリカでは”最高のホームズ役者”と呼ばれていたと言うベイジル・ラスボーンのホームズと、ナイジェル・ブルースのワトソンというコンビで作られた作品です。
あちらでは十数本作られたという人気シリーズだったようですが、これまで日本では未公開。
最近になってパブリック・ドメインとなったせいか、2社から廉価版のDVDが発売されるようになり、それで初めて動くホームズを見ました。
ブルース演じるワトソンは少々お年を召しすぎな印象ですが、ラスボーン扮するホームズは確かに雰囲気ではありますね。

お話は、ダートムア刑務所のとある受刑者が作った同じ型、同じメロディーを奏でる三つのオルゴールを巡るもので、オークションでそれぞれ別の人物が落札するのですが、その内の一つの持ち主であるワトソンの旧友は殺され、もう一つは留守中に奪われ、そして残る一つは先手を打ってホームズが手に入れます。

『シャーロック・ホームズの殺しのドレス』(1946)_e0033570_2317861.jpgホームズの”耳”は、一見同じに聴こえるメロディが微妙に違っているのに気付き、それが暗号らしいことを見抜きます。
はたしてオルゴールには、どんな秘密が隠されているのか――というのがお楽しみというわけです。

物語の構成がなかなかしっかりしており、ホームズの推理も論理的であり、かつ意外性もありという具合に工夫が凝らされ、ホームズもワトソンもあわやというピンチを迎える場面も用意され、古い作品ではありますが充分に楽しめるものになっています。
上映時間は70分ほどですが、短すぎもせず長すぎもなく丁度良い按配です。

残念なのはこの物語がコナン・ドイルの原作にはなく、映画用のオリジナル・ストーリーだということでしょうか。
このコンビで正典を映画化したものも是非観てみたいものですね。

それにしても原題の”DRESSED TO KILL”にしろ、邦題の「殺しのドレス」にしろ、内容とは全く関係ないように思えるのですが、何を指しているのでしょうか。
by odin2099 | 2009-01-27 23:18 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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