『バスカビル家の犬』 大沢在昌/C・ドイル:原作
2009年 02月 08日
相続人となるヘンリー氏を館に迎えるにあたり、チャールズ卿の友人で主治医でも会ったモーティマー医師はホームズの元を訪れた。実はバスカビル家には代々伝わる、犬の呪いの話があるのだという・・・。
コナン・ドイルの<シャーロック・ホームズ>物の一編を子ども向けにリライトしたもので、<痛快 世界の冒険文学>の一冊としても刊行されていたものの文庫化。
先に光文社文庫から刊行された<新訳シャーロック・ホームズ全集>の一冊で完訳版を読んでいるが、そちらと比べても言い回しが易しくなってはいるものの、物語自体はダイジェストという感じはあまり受けず、これならば一般の読者にも充分に楽しめるだろう。逆に言うと、リライトというよりも抄訳であって、独自性が感じられないのは残念。
探偵小説としてだけでなく、ホラー小説としても評価されているこの作品、”バスカビル家の魔犬”の正体も「わかってしまえば」という部分も無きにしも非ずだが、グイグイと引き込んでいくストーリーテリングぶりは流石。
もっとも共著者の存在も囁かれ、どこまでがドイルの功績なのかについては疑問があるようだが、詳しい研究は専門家に任せ、読み手としてはただ物語を楽しめば良い。
大沢在昌と言えば『新宿鮫』シリーズや『アルバイト探偵(アイ)』シリーズを
10年以上前に夢中になって読みました。
『新宿鮫』の一作目と『天使の牙』は映画化されたけど、
演出も配役もイマイチだったなぁ~。。。
大沢在昌と言えばベタかもしれないけど
『新宿鮫』(新宿鮫シリーズ1作目)が入門編かな。
松本清張の『砂の器』原作小説はあっさりした文体でした。
映画版『砂の器』はドラマチックに演出していました。
『新宿鮫』は自分にはちょっとハードかなぁ、なんて思ってはいるのですが(苦笑)、そのあたりから挑戦してみようかな。
それとも『アルバイト探偵』の方が軽いかな。
『砂の器』は、映画が原作を凌駕した稀有な例、なんて評もありますね。
このクライマックスはモンタージュを駆使し、映画文法で組み立てられているので、ストーリー的には破綻してる部分があります。
丹波哲郎が滔々と一席ぶってますが、あれは全て推測なんですよね。
あたかもあの親子の放浪シーンが回想のように扱われてますけれど、和賀があのように感じ、殺人を犯したかどうかはハッキリしません。
でも観客はあの推測に納得して感動してしまうわけですから、映画としては上手く出来てるなぁと感じました。
『アルバイト探偵』は赤川次郎ミステリーがお好きならばオススメですよ。^^
『アルバイト探偵』はどちらかと言うと若者向け(少年少女向け)な作風です。
『新宿鮫』のほうが大人向けな印象です。
『新宿鮫』を読みながら主人公鮫島警部は
松田優作さんが演じたら似合いそうな役だったかもしれないと思ったりしていました。
これ、去年WOWOWでドラマ化されてますので、そちらを先に観ようかな。
『新宿鮫』は真田広之が演じたんでしたっけ。
観たいような、観たくないような・・・?