『テロリスト・ゲーム』(1993)
2009年 02月 18日

彼が生前残していたプロットを元に、『バーチャル・ウォーズ』、『ライブ・ワイヤー』と主演作が相次いで公開され、我が国でも認知されつつあったピアース・ブロスナンを主人公マイク・グラハム役に起用し、U.N.A.C.O.の指揮を執るフィルポット部長にパトリック・スチュワート、マイクの相棒となる女性エージェントのサブリナ・カーバーにアレクサンドラ・ポール、ハイジャック集団の首謀者アレックス・ティアニーにテッド・レヴィン、そして黒幕の狂信的ロシア軍人ベニン将軍にクリストファー・リーを迎えて作られた、走る”ダイ・ハード”と称されたアクション映画。
ブロスナンはこの頃既に次期ジェームズ・ボンド候補として取り沙汰されていたので、こちらもそれを意識して観たものだが、少々線が細いもののアクション物を充分こなせることを実証。その前に観た『ライブ・ワイヤー』の印象があまり良くなかったので、ほっと胸を撫で下ろした記憶がある。
その後ブロスナンは『ファイナル・ゲーム』や『ミセス・ダウト』を経て、めでたく5代目007を襲名することになった。
特殊部隊とテロ集団との銃撃戦、ヘリコプターを使ってのアクションと見せ場は色々とあるものの、全体的にこじんまりした印象を受けるのは元々がTV映画(CATV用)に作られたものだからだろうか。
ただ出演者の顔触れもなかなかツボを押さえたものなので、007級のスケールを持った超大作を期待しなければ充分に楽しめるし、ブロスナンが007を降板してしまった今、改めて観直してみるとなかなか新鮮に感じられる。
ところで劇中、パトリック・スチュアートはずっと腕を吊ったままだが、何の必然性もない。
これはひょっとすると、単に本人が実際に骨折していただけのことなのだろうか。