『ナヴァロンの要塞』 アリステア・マクリーン
2009年 02月 25日
マロリー自身、戦前は世界最高のロック・クライマーと呼ばれた男であり、ミラーは爆発物を扱う天才、ケイシー・ブラウンは生まれながらのエンジニア、アンディー・スティーヴンズは若き登山家、そしてマロリーの片腕であるアンドレアは、巨体の持ち主でありながら敏捷果断な人間凶器。彼らは敵の意表をつき、登攀不可能とされる断崖絶壁を乗り越え、要塞へと忍び込もうと言うのだ。
知力、体力の限りを尽くし、任務遂行に賭ける彼らだったが、その行く手にはドイツ兵だけではなく、自然の驚異や仲間の裏切りも待ち構えていた・・・!

アリステア・マクリーンの作品は、映画化されたものは何本か観てますけど、肝心の小説は一冊も読んだことがありません。
その昔、デビュー作にして最高傑作との呼び声も高い『女王陛下のユリシーズ号』を勇んで読み始めたことがあったのですが、ものの数十ページで挫折したという苦い思い出があります。
ただ先日イアン・フレミングの『カジノ・ロワイヤル』を読み終えたときに、同じ時代に同じイギリスで活躍していた冒険小説の雄であるところのマクリーン作品を是非読みたくなり、『女王陛下~』の再チャレンジとどちらにしようか迷った末にこちらを選びました。
いやぁ、それにしても読みにくい。
マクリーンの描写が自分の肌に合わないのか、それとも翻訳の文体に馴染めないからなのかはわかりませんが、随分と手こずりましたね。
しかも長い。
描写が綿密なのはいいんですけど、なかなか進展しないのは辛かったです。その分、読み終わったときには達成感がありましたが。
そういえばJ・リー・トンプソンが監督した映画版も「戦争映画の傑作」と呼ばれてますが、以前観た時はあまり楽しめなかった記憶がありましたっけ。メンバーの描き分けが上手く行っておらず、ただ長かったことに閉口した覚えがあります。
まぁ今観ると受け止め方も違ってるかもしれませんので、そのうち観直そうかなと思ってますが。