『三幕の殺人』 アガサ・クリスティー
2009年 03月 01日
それからしばらくして、今度はカートライトの友人の医師バーソロミュー・ストレンジが主催したパーティーで、あろうことかストレンジ自身が同じような状況下で死亡、しかも体内からは毒物が検出された。そしてバビントンの遺体からも同じ毒物が見つかったのである。
二つの殺人事件は同一犯人による計画的なものなのか?
カートライトと、彼の年若いガールフレンドのエッグ、それにカートライトのパトロンであるサタースウェイトは、両方のパーティーに出席していた人の中に犯人がいると推定、警察とは別に独自の調査に乗り出す。そこへ自分の誤りを認めたポワロも参加することに・・・。

先にTVドラマ版を観ているが、あちらは時間の都合か人間関係などをかなり整理してしまっているので消化不良というか物足りなさを覚えたが、やはりじっくりと読むと面白い。
面白いと言えばエルキュール・ポワロの存在で、彼は物語の序盤から登場はするものの一旦は退場してしまい、後半になってやっと再登場してくるのだ。
その間はカートライトとサタースウェイト、それにエッグことハーマイオニー・リットン・ゴアの三人が素人探偵として活躍するのだが、読者(と三人)には色々と手掛かりが投げかけられはするものの、ポワロならぬ身としてはなかなか真相に近づけないという構成になっているのだ。
なおこの作品での”語り部”に近い立場にいるサタースウェイトという人物、クリスティーの他の作品にも登場しているとのこと。いずれまたどこかで再会する機会もあるだろう。
ポアロものの中ではちょっと毛色の変わった作品ですね。
サタースウエイト氏が登場するだけあって、登場人物の人となりを描写する部分が多い。それって映像にした時にイメージにピッタリくると面白いでしょうね。
デビッド・スーシェ版で作って欲しいなぁ。
サタースウエイト氏といえばハーリ・クイン氏とのコンビで活躍する「謎のクイン氏」は軽く読めて結構好きです。
こんな風に別のお話に登場する人物たちが交流するエピソードというのは、
クリスティ好きには楽しい一冊です。といいつつ、忘れてましたが( ̄▽ ̄;A
ピーター・ユスティノフ主演のTVドラマ版では、サタースウェイトの役回りはヘイスティングスに置き換えられているので、ポワロは終始出ずっぱりでした。
まぁ1時間半でまとめようというのですから、そのあたりのアレンジは仕方ないかも知れません。
デビッド・スーシェ版では、まだ映像化されていなかったのですか?
ハーリ・クィンのシリーズは短編集ですよね。
まだまだクリスティ初心者なもので”何から読もうかな”状態なんですが、短編集は手頃なのでチェックしておきたいと思ってます。
有難うございました。