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『ジャッカルの日』 フレデリック・フォーサイス

『ジャッカルの日』 フレデリック・フォーサイス_e0033570_18402087.jpg数回に亘りドゴール大統領暗殺を企てた秘密軍事組織OASはそれに失敗、今度は凄腕のプロの殺し屋を雇うことにした。<ジャッカル>のコードネームで呼ばれた彼は秘かにフランスへ潜入、着々と準備を進め決行の時を待っている。しかしフランスの警察はこれを察知、表沙汰になることを嫌った大統領自身の命によって制約は課せられたが、各組織を挙げての協力体制の下、<ジャッカル>を追い詰めていく・・・。

サスペンス・スリラーの傑作として評判の高い映画版を先ず観てその面白さに唸り、次いで原作小説も読んでその情報量の多さ、ディティールの細かさに圧倒された覚えがあるが、今回久々に再読。
文庫本にして500数十ページに及ぶ内容は、流石に一気読み出来るボリュームではないものの、ついついページを繰る手が早くなってしまうほど。やはり面白い。

実在の人物や実際に起こった事件と、作者が生み出した架空の人物や事件とをうまく組み合わせ、あたかもこの<ジャッカル>によるドゴール暗殺計画を、後になって取材を行ってルポルタージュとして再現したかのような文体、構成でもってリアリティを高める手法には脱帽である。知らないで読めば、これは歴史上の事件に材を採ったノン・フィクションだと思うかも知れない。それぐらい迫真の出来なのだ。
既に作品発表から40年近く経っているが、これはこの後何十年も読み継がれていく作品に間違いないだろう。
Commented by betterman at 2009-03-17 16:42 x
TBありがとうございました。フォーサイスでは『第四の核』もお勧めです。

『ジャッカル』には、モデルとなる人間がいたようで、
その暗殺者(カルロス)の後世の過ごし方を考えると・・・。
Commented by odin2099 at 2009-03-17 23:49
”ジャッカル”のモデルには何人かいるようですが、フォーサイスはどこまでが事実でどこからがフィクションなのかは明らかにしないと言ってますね。
そのあたりにもロマンがあるような。

『第四の核』、以前読んでいますが、いずれまた読み直すかも知れません。
『オデッサ・ファイル』や『戦争の犬たち』はあまりピンとこなかったのですが、『第四の核』は『ジャッカルの日』にちょっと似た感じのサスペンスですね。
映画版も面白かったです(レビュー済みです)。
by odin2099 | 2009-03-14 18:40 | | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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