『ジャッカルの日』 フレデリック・フォーサイス
2009年 03月 14日
サスペンス・スリラーの傑作として評判の高い映画版を先ず観てその面白さに唸り、次いで原作小説も読んでその情報量の多さ、ディティールの細かさに圧倒された覚えがあるが、今回久々に再読。
文庫本にして500数十ページに及ぶ内容は、流石に一気読み出来るボリュームではないものの、ついついページを繰る手が早くなってしまうほど。やはり面白い。
実在の人物や実際に起こった事件と、作者が生み出した架空の人物や事件とをうまく組み合わせ、あたかもこの<ジャッカル>によるドゴール暗殺計画を、後になって取材を行ってルポルタージュとして再現したかのような文体、構成でもってリアリティを高める手法には脱帽である。知らないで読めば、これは歴史上の事件に材を採ったノン・フィクションだと思うかも知れない。それぐらい迫真の出来なのだ。
既に作品発表から40年近く経っているが、これはこの後何十年も読み継がれていく作品に間違いないだろう。
『ジャッカル』には、モデルとなる人間がいたようで、
その暗殺者(カルロス)の後世の過ごし方を考えると・・・。
そのあたりにもロマンがあるような。
『第四の核』、以前読んでいますが、いずれまた読み直すかも知れません。
『オデッサ・ファイル』や『戦争の犬たち』はあまりピンとこなかったのですが、『第四の核』は『ジャッカルの日』にちょっと似た感じのサスペンスですね。
映画版も面白かったです(レビュー済みです)。