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『ゴールデンアイ/もうひとりの007』(1990)

題名を見て「あれ?」と思ったファンもいるんじゃないかと思います。
というのも本家本元の<007シリーズ>にも『ゴールデンアイ』というタイトルの作品があるからですが、製作されたのはこちらの方が先。
我が国では未公開に終ったサスペンス映画を紹介する、”観ないで死ねるか”と題されたシリーズの一本としてリリースされた作品で、副題の”もうひとりの007”とは、シリーズの生みの親イアン・フレミング自身のことを指しています。
ちなみにタイトルの「ゴールデンアイ」は、ジャマイカにあるフレミングの別荘の名前から採られています。

『ゴールデンアイ/もうひとりの007』(1990)_e0033570_1921174.jpg007=ジェームズ・ボンドの活躍は広く知られていますが、フレミングについてはボンドほど知られているわけではありません。
これは本人があまり自分のことを語らなかったということもあるのですが、どうやら第二次大戦中に英国海軍情報部に籍をおいていたフレミングは、幾つかの表に出ない仕事に従事していたらしいというのが定説になっています。
この作品ではフレミングの海軍時代の活躍を中心に、戦後作家へ転身し<007シリーズ>を誕生させる経緯までを、ボンドもかくやという冒険や恋愛遍歴を交えて描いています。
ジョン・ピアソンという人の書いたフレミングの伝記が元になっているようですが、虚実取り混ぜたストーリーは観た人に意図的に”フレミング=ボンド”という図式を納得させるためのものでしょう。

確かに作者と作品を同一視させるような興味深いエピソードの数々が綴られてはいるのですが、脚本が練られておらず、演出も凡庸、その上フレミング役のチャールズ・ダンスをはじめとする役者陣に魅力が乏しいということもあって、<007シリーズ>のファンを満足させるだけの作品にはなり得ていません。
以前観た時はまだシリーズ全作に馴染んでいなかったので、今回観直したときは色々とオマージュというかパロディ的なショットを幾つか見つけられてニヤリとしたものですが、やっぱり根元がしっかりとしていないことにはねぇ…。
おそらくTVドラマとして作られたものでしょうが、このあたり時間や予算的な限界があったのでしょう。

この作品をアメリカでTV放映した際には、二代目007=ジョージ・レイゼンビーがホスト役を務めたとのことですが、出演者の中には三代目007=ロジャー・ムーアの娘、デボラ・ムーアの名前もあります。
今ひとつ顔がわからないので自信がないですが、多分、あの役、かな…? 
ちょっとしたスタッフの遊び心なのでしょう。
お遊びといえば同時期にもう一本フレミングを題材にした作品が作られていますが(こちらは我が国でも劇場公開されました)、そちらでフレミングを演じたのは初代007=ショーン・コネリーの息子のジェイソン・コネリー。
これは完全に狙ったとしか言いようがありませんね。

by odin2099 | 2009-03-15 19:22 | テレビ | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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