『プレイズ・バッハ』 村治佳織
2009年 03月 18日
これらはヨハン・セバスティアン・バッハが書いた有名な曲ですが、それらをギターとオーケストラ用にアレンジ。そしてゲヴァントハウス・バッハ・オーケストラを従え、村治佳織がギターで奏でたという異色のアルバムです。
バッハというとまずチェンバロ、そしてヴァイオリン、オーボエ・・・といった楽器のイメージが浮かびますが、ギターは思いつきませんでした。
バロック音楽に、ギター・・・?
個人的には、ギターはあまりクラシック音楽には馴染まないという印象が(偏見が、と言っても良いかも知れませんが)ありましたが、ところがこうやって聴いてみるとごくごく自然に受け入れられます。
ギターにはこういった魅力もあったんですね。
原曲を損ねる奇抜なアレンジには反対ですが、原曲にそれまでとは異なった彩を与えるような大胆なアレンジなら歓迎します。
またそれを村治佳織のような、世界的にも認められている若手のアーティストが、独りよがりの解釈を押し付ける訳でなく、伝統的な枠組みの中に新たなピースを持ち込み、しかもそれをピタっとはめ込んで見せてくれるのは興味深いこと。
そしてそれを可能にするクラシックの懐の深さを感じさせる出来事だと思います。