人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『ぼくのミステリな日常』 若竹七海

『ぼくのミステリな日常』 若竹七海_e0033570_23165990.jpg
社内報の編集長を仰せ付かったOLの若竹七海。
しかも娯楽面を強調するために小説を掲載せよとの上層部からのお達しが。
仕方なく小説書きを趣味にしていた大学時代の先輩を頼るのだが、彼自ら原稿を書くことは断ったものの、匿名を条件に書いてもいいという友人を紹介される。
かくして正体不明の作家から、毎月一編の短編小説が届けられることになったのだが…。

この本は連作の短編集ですが、ちょっと変わった構成になっています。
プロローグ部分は七海から先輩への原稿依頼の手紙、先輩から七海への返信(匿名作家の紹介)、そして更に七海から先輩への手紙(応諾)と続き、匿名作家が小説を発表することになった経緯の説明に当てられています。
続いて毎月の社内報からの抜粋という形で全部で十二編の物語が置かれていますが、このパートは社内報の目次部分も作られていたりでなかなか凝った仕掛けが施されています。
次が連載終了後に、七海が先輩と一緒に匿名作家を訪ねる話。
ここで作者の正体や匿名を条件にした理由などが語られ、そしてエピローグ部分ではその作家から七海への手紙という形で締めくくられているのですが、この十二の短編は一つ一つは独立した内容でありながら全体で大きな一つの物語になっており、その物語が生み出されるに至った過程がまた、一つの大きな謎となっているのです。

それぞれの短編は怪談調だったり、ミステリーとは呼べないゆるーいラブコメ調のものがあったりとバラエティに富んでいますし、全体で一つの大きな仕掛けがあることから、きちんとしたミステリー物になっているという具合に一粒で何度も美味しく、なおかつ読みやすいお勧めの作品です。
by odin2099 | 2009-03-25 23:16 | | Trackback(2) | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30