『くぐつ小町/平安朝妖異譚』 加門七海
2009年 03月 26日
小野篁と小野小町の二人に纏わる妖しの物語。――ということで興味深く読み始めたが、思いの外難儀した。
なにせ文体が古めかしい。
これは著者の狙いだろうが、
「驕慢、最も甚だしう。
あまたの文(ふみ)かき暮れて降る五月雨(さみだれ)に、ただ一度(ひとたび)の返事(いらへ)も遣(や)らず、芳帳(はなのとばり)の裏(うち)に籠せられて戸外に歩まず。珠簾(たまのすだれ)の内に愛せられて傍門(もんのすだれ)に行くこともなし。」
これは冒頭の一文だが、万事がこの調子である。
そして物語も時系列を入れ替え、直接的な描写を避け、行間というか言葉と言葉の間を読ませるような表現。
ただ偏に自分の読解力不足ゆえに、素直に楽しめなかったのが口惜しい。





