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『くぐつ小町/平安朝妖異譚』 加門七海

『くぐつ小町/平安朝妖異譚』 加門七海_e0033570_23292792.jpg小野篁と小野小町の二人に纏わる妖しの物語。
――ということで興味深く読み始めたが、思いの外難儀した。

なにせ文体が古めかしい。
これは著者の狙いだろうが、
「驕慢、最も甚だしう。
あまたの文(ふみ)かき暮れて降る五月雨(さみだれ)に、ただ一度(ひとたび)の返事(いらへ)も遣(や)らず、芳帳(はなのとばり)の裏(うち)に籠せられて戸外に歩まず。珠簾(たまのすだれ)の内に愛せられて傍門(もんのすだれ)に行くこともなし。」

これは冒頭の一文だが、万事がこの調子である。

そして物語も時系列を入れ替え、直接的な描写を避け、行間というか言葉と言葉の間を読ませるような表現。
この作品では小野篁と小野小町は父娘ということになっているのだが、実は篁の最愛の女性は異母妹。
逢うことを許されず女性は娘を産んで亡くなるのだが、篁はその妹の魂を娘に宿らせて現世に甦らせたのが小町だ、ということになるようだ。
小町は篁の孫とする説もあるようだし、実在そのものを疑う声もある以上その真偽を問うのは無意味だが、幻想譚と割り切ればなかなか面白い。
ただ偏に自分の読解力不足ゆえに、素直に楽しめなかったのが口惜しい。
by odin2099 | 2009-03-26 23:29 | | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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