【徒然なるままに・・・】

odin2099.exblog.jp

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2007年 05月 14日 ( 1 )

e0033570_729218.jpgピアース・ブロスナンが5代目を襲名してから2本目となる作品。
今回の相手は情報操作と武力行使によって世界を手中に収めようとするメディア王、英国と中国は一触即発の危機に陥る・・・というわけで<殺しの許可証>を持つ男・ジェームズ・ボンドの出番と相成るわけだが、前作の固さが取れたブロスナン=ボンドは伸び伸びと演じているようだ。ショーン・コネリーの個性の強さはともかく、ロジャー・ムーアのソフトさやユーモア、ジョージ・レーゼンビーの身のこなし、ティモシー・ダルトンのクールさ渋さと歴代の長所をあわせ持ったこのブロスナンある限り、シリーズは安泰だと思ったものである。

だがそれにも増して輝いているのは、中国の女性諜報員ウェイ・リンを演じる<ゴッデス・オブ・アクション>ミシェール・ヨー
従来もアクテイブなボンドガールは何人かいたが、全てにおいてボンドと対等に渡り合えたヒロインは存在しなかった(設定上は『私を愛したスパイ』のトリプルXことアニヤ・アマソヴァなどはそのはずだが、画面の上では残念ながら説得力に欠けていた)。
e0033570_730037.jpgところが彼女は正に<女性版007>と呼べる存在で、手錠で繋がれたままでのバイクでの脱出行をはじめとするアクション・シークエンスの迫力は、完全にブロスナン=ボンドを凌ぐ。彼女単独のアクション・シーンなどまるで香港映画を見ているようだ(それでも香港映画での彼女の方が遥かに凄いのではあるが)。ウェイ・リンを主人公にしたスピンオフ作品の製作が噂されたのも当然である(その後『ダイ・アナザー・デイ』でハル・ベリー演じるジンクスのスピンオフ企画が同じように取り沙汰されたが、こちらも実現していない)。

ではこの作品のブロスナンはミシェル・ヨーの単なる引き立て役に過ぎないのか、というと然にあらず。
ウェイ・リンが光って見えるのも、全ては余裕を持ってボンド役に臨んだブロスナンの存在感と包容力あってのもの。ボンドあっての「007」映画であり、ボンド自身の魅力は決して損なわれてはいないのだ。

e0033570_7294199.jpgまた前作のエリック・セラに代って音楽を担当した、デヴィッド・アーノルドの活躍も特筆しておきたい。
良くも悪くもエリック・セラ色が強く出て違和感の残った『ゴールデンアイ』と違って、デヴィッド・アーノルドはお馴染みの「ジェームズ・ボンドのテーマ」のみならずジョン・バリーが手掛けた他のBGMも盛りこむサービスぶり。作曲家というよりはどちらかというとアレンジャーに徹した印象が強いが「007」ムードは満点で、以後は最新作『カジノ・ロワイヤル』に至るまで4作連続登板という快挙を成し遂げ、次回作での続投も決まっているようだ。
[PR]
by odin2099 | 2007-05-14 07:31 |  映画感想<タ行> | Trackback(6) | Comments(2)

by Excalibur
ブログトップ