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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2008年 02月 04日 ( 1 )

地中海に浮かぶ小島の海岸で、元大女優だった女性が殺された。彼女の泊まっていたホテルには、偶然彼女に関係した人間が集っていた。彼女の夫の退役軍人、先妻との間の娘、彼女を復帰させて一儲けを企むプロデューサー夫妻、彼女の伝記を書いて売り込もうとする芸能ジャーナリスト、彼女と不倫関係にあるラテン語教師とその妻、彼女との結婚の約束を反故にされた貴族、それにホテルの女主人は彼女のライバルだった元ショーガール・・・。誰にも動機があり、しかも誰にもアリバイがあったのだ。ホテルに逗留していたポワロは、果たして真犯人を探し出せるのか?!

『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』『クリスタル殺人事件』に続く、EMI製作によるアガサ・クリスティー・ミステリーの4作目。探偵役は前作のミス・マープルから再びポワロに戻り、これが「ポワロ最後の事件」、「最終章」だということを前面に出した宣伝展開になっておりました。
実際、EMIのクリスティー物はこれで打ち止めになっています。

e0033570_23122031.jpg原作は『白昼の悪魔』。ポワロ役には引き続いてピーター・ユスチノフ、犠牲者にはダイアナ・リグ、容疑者はジェーン・バーキン、コリン・ブレークリー、ニコラス・クレイ、ジェームス・メースン、ロディ・マクドウォール、シルビア・マイルズ、デニス・クィリー、マギー・スミス、エミリー・ホーンといった面々。
例によって原作は未読なのですが、脚色のアンソニー・シェーファーは原作とは犯人の設定を変えているとのなので、これは小説を読む楽しみが増えました。

『オリエント急行殺人事件』や『ナイル殺人事件』に比べると、移動は少なく舞台は陽光眩しいリゾート地に限定。ポワロも思いっきり羽を伸ばしている印象で、全体的に長閑な雰囲気が漂っています。約2時間の映画ですが、中ほどを過ぎるまで何の事件も起りません。
ところが一旦事件が起るやポワロの灰色の脳細胞がフル稼働し、あっという間に謎を解いてクライマックスで大見得を切るシーンへと移って行くのです。分量としては最初の60分がセレブたちの思惑を楽しむ観光映画、次の30分がポワロの聞き込み、そして最後の30分が種明かし、という構成になっています。前半がのんびりムードなだけに後半がかなり忙しい感じがしますねぇ。
それに今回、映画を見るのが二度目なのですが、それでも犯人の用いたトリックは納得しがたいのですが、この辺りは原作ではどうなっているのでしょう?
ただ最後までコミカルなムードが持続していますので、ハラハラドキドキのミステリー・サスペンス映画をお望みの向きには適さないかも知れませんが、適度な緊迫感とゴージャスな画面を堪能したい方にはお勧めの一本と言えそうです。
by odin2099 | 2008-02-04 23:12 |  映画感想<タ行> | Trackback(4) | Comments(0)
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