2008年 02月 28日 ( 2 )

「新約聖書」の「ヨハネの黙示録」を映像化したTVドラマです。デルピロと名を変えて生き延びていたヨハネを、晩年のリチャード・ハリスが演じていて、冒頭に献辞が出ます。
パッケージを見ますとまるでスペクタクル映画のようですが、実際はメッセージ性の強い内容でそちらを期待されるとガッカリするでしょう。
天変地異や災厄、飢饉、戦争等々の描写は全てヨハネの見た幻視ということで表現されていますが、CGを駆使したりしてなかなか頑張ってはいます。神が見せる未来のビジョンとして、世界大戦の映像や現代の都市が映し出されているのは何か意図するところがあるのでしょうか。
それにしてもキリスト教の教えとは難しいですね。とてもとても信者にはなれそうもありません。
しかしその教えにしても、実際にイエスが説いた内容なのかどうかは、今となっては判断しようがありません。というのも、残されているのは弟子たちの言葉ですから、それがイエス自身の言葉の忠実な伝聞なのか、それとも自身による創作――とまでは言いませんが拡大解釈だったり、或いは誤りであったとしても誰にもわからないのですから。
ただこれだけ広まり、かつ支持されているのですから、本来は非常にシンプルだったのではないかとは思いますが。

いや、映画やTVドラマでストーリーは知っているはずなんだけれども、こりゃ先はどうなるんだろう?と思いながらワクワクしながら読めた。
というのもストーリー自体が違うわけでもないのだが(特に中盤あたりまではほぼ忠実に再現している)、クライマックスに差し掛かると「えっ?××が○○だったの?!」という衝撃の事実(?)が・・・。
なまじっか映画のストーリー知ってるだけに、予想もしなかったどんでん返しだった。逆に原作ファンは、映画版を観た時にどう思ったのだろう?
松子と佐清に人間味をプラスしたのは映画版の功績だが、反対に比重の軽くなってしまったキャラクターもいるし、原作ではまだしも同情の余地がある青沼静馬が、映画では狡猾な復讐鬼になっていたりと随分イメージが違っていたが、うーん、これはどうなんだろう?
原作は原作で、映画は映画で楽しんだが、この改変ぶりを考えると映画版の評価はちょっと変ってきそうだ。