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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2008年 09月 21日 ( 3 )

アニメーター・安彦良和が、初めて描いた連載漫画を自らの手で映画化した作品。
徳間書店が『風の谷のナウシカ』に続いて製作した、長編アニメーション映画の第2弾(『天空の城ラピュタ』は3作目)。製作母体は、初監督作品だった前作『クラッシャージョウ』と同じくサンライズ。スタッフにもお馴染みの顔触れが並んでいる。
音楽担当の久石譲だけは『ナウシカ』からの連投で、独立した作品として楽しむ分にはかまわないのだが、『ナウシカ』と続けて聴くと似たフレーズが耳につく。この傾向は久石の次回作『ラピュタ』へも持ち越され、残酷な言いかたをするならば作曲家としての引出の大きさを問われることになっている。

e0033570_2133254.jpg「昔、神と人が分かたれる以前(まえ)」というのがコピーにひとつだが、ギリシャ神話に材を採りながらも神々の話にはならずに「人」の物語になっているのが特徴。ヒロイック・ファンタジーというよりも史劇といった趣きである。
ただし複雑な人物関係が絡み合い、単行本にして4巻に及ぶ長大なストーリーを2時間弱でまとめるのはいささか無理があったようで、夫々のキャラクターの掘り下げが足りずに魅力を損ねた面があるのは残念。
その反面、原作よりも端的に人物関係が浮かび上がって、よりキャラクターの配置が見えやすくなっているという利点もある。これは第三者的立場で構成として参加したSF作家・川又千秋の功績だろうか。原作を知ってからでは感激が薄れるという部分もなきにしもあらずだが、それを補って余りある映画としてのパワーもあり、金払って見る価値はある作品だ。

ちなみに当時「(有楽町)マリオンで『アリオン』を見よう!」と言う合言葉(?)もあったが、そのマリオンでの試写会で鑑賞。
徳間康快社長や安彦監督、主題歌を歌う後藤恭子らの舞台挨拶もあったが、観客席の中に『クラッシャー・ジョウ』の高千穂遙を発見。指定席ではなく一般席だったので好感が持てた。
「しねま宝島」より転載。
この作品は、生まれて初めて試写会で観たという想い出の作品。
原作は知らずに観たのだけれども、2時間弱の時間でありながらしっかりと骨太なドラマが展開されていたので圧倒された覚えがある。
ギリシャ神話を、こういった切り口でアレンジしているのも斬新。ティターン族の設定が今ひとつわかりづらいが、純粋な”人”とは呼べないものの、さりとて”神”でもない、という解釈は面白い。

元々この作品、西崎義展プロデューサーの依頼によって立てたアニメ企画の一つだったそうだが、敢無く不採用。尤も”西崎印”で映像化されていたとしたら、かなり毛色の違ったものになっていたことだろう。結果的に作品にとっては幸いだったというべきか。

なお、同時期に劇場公開されていた『北斗の拳』には、何故かモブ(群集)シーンにアリオンがいる・・・!
by odin2099 | 2008-09-21 21:33 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(4)
ウルトラ映画史上で最大のヒット作になるかも?という『大決戦!超ウルトラ8兄弟』ですが、やっぱり見比べてみたくなってDVDを引っ張り出して来ました。最初の感想はこちら

イベント性ということならば、やはりあちらに軍配が上がるのかなぁ。
こちらはメビウスとウルトラ6兄弟の共演、内4人(ウルトラマン=ハヤタ、セブン=モロボシ・ダン、帰マン=郷秀樹、エース=北斗星司)が素顔で登場し、相手はテンペラー星人、ザラブ星人、ガッツ星人、ナックル星人の宇宙人連合にヤプールと凶悪な顔触れが揃っていますが、あちらはメビウスと黒部進、森次晃嗣、団時朗、高峰圭二のダンディ4に加えて、主役はまさかの(?)ダイゴ=長野博が復帰! ダイナのつるの剛士、ガイアの吉岡毅志も出ています。
ティガだけでなく、ダイナやガイアといった世界観の異なる選抜チームなのはインパクトが強いですね。
敵役がヒッポリト星人にパンドン、あとはゲスラにシルバゴン、ゴルドラスといったところが微妙ですけれど・・・。

でもお話の出来としては、こちらが断然上。
元々『ウルトラマンメビウス』というシリーズ物の1エピソードというスタンスなので、細かい設定紹介の必要がないということもあるのですが、あちらでは作品世界の設定にかなり苦心のあとが窺えますし、ぶっちゃけ成功してるとも言い難いですからねぇ。土台がしっかりしていないと、表面上をどれだけ彩ってみても、どうしても粗が目立ちます。
ダイゴ、アスカ、我夢を幼馴染みにしたことで、一応3人の変身には必然性が生まれてはきていますが、それでも残るダンディ4の変身は説得力ゼロ
それに対してこちらの作品は、正にダンディ4に変身させるためのストーリー作りがなされていますので問題なし。ルーキー・ウルトラマンであるメビウスの成長ストーリーとも絡めて無理ない構成がなされています。

そして音楽面でもこちらが上。
どちらの作品も佐橋俊彦が担当していますが、こちらでは宮内國郎、冬木透両氏を始めとする諸氏が担当した歴代シリーズの主題歌、挿入歌、BGMのメロディーを正面切って引用流用し、過去の作品と敢えてオーバーラップさせることで盛り上げています
ところがあちらの作品では、ティガの登場シーンこそお馴染みのファンファーレが流れるものの、後は皆無。自身が手掛けた『ガイア』BGMの流用すらありません(『ティガ』『ダイナ』の音楽担当は矢野立美)。
かつての『ウルトラマンティガ ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア/超時空の大決戦』では『ティガ』のBGMを流用、アレンジして見せた実績があるだけに、非常に残念でした。

e0033570_1722363.jpgただ、やはり理屈では割り切れないのが「ウルトラマン」の「ウルトラマン」たる所以でしょうか。ツッコミどころは数あれど、それでも楽しめてしまう両作品なのでした。
またこの2作品がヒットしたことで、当然次回作の企画も上がるのではないかと思いますが、今度こそオール・ウルトラマン物を望みたいですねー。
素顔で全員集合は無理な話でしょうが、今回の作品を越える意味でも可能な限りは声を掛けて欲しいものです。例えストーリーが破綻し、収拾が付かなくなろうとも・・・?

ツッコミといえばこの作品では、カラータイマーの扱いが今までとは違うようです。
ウルトラマンといえばカラータイマー、地球上では3分間しか戦えない彼らの、残り時間を教えてくれる大事なもの、というのが自分の解釈だったのですが、この作品に関していえば、時間を知らせるものではなく、単にエネルギー残量がなくなってきたことを警告するものになってるみたいですね。
そのせいか、カラータイマーが赤に変わって点滅を始めてからも、ウルトラ兄弟はかなり長時間戦い続けてます。
「早くエネルギー補充しろよ!」と最初に映画館で観ていた時はハラハラしたものですが、どうやらその心配は杞憂に終りました。なんだ、心配して損したぞ。
by odin2099 | 2008-09-21 17:24 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
TVシリーズの放送中に別スタッフによって製作された劇場用新作。
物語も単なる総集編ではなく、TVアニメ版で云うところの第二部までを一度バラしてから再構成したものになっており、ケンシロウとシンが激突し、ユリアがシンに連れ去られ、ケンは胸に七つの傷を負わされる発端部分から、リンやバットとの出会い、レイとの邂逅、ジャギの成敗、そしてクライマックスの世紀末覇者”拳王”を標榜するラオウとの対決までを一気に見せるものになっている。

原作やTVアニメ版との大きな違いは、ユリアが死なないこと(尤も原作でも、後に生きていたという展開を迎えるのだが)。
ケンとシンの最終対決の前に既にラオウが動いており、ユリアはラオウの手に落ち、それがケンとラオウが対決する理由にもなっているのだが、その為かマミアの登場は見送られ、他にも時間の都合だろうがトキやユダ、アミバといった代表的なキャラクターも割愛されている(北斗神拳の伝承者候補はケンとラオウ、ジャギの3人だけで、南斗聖拳の使い手として登場するのはシンとレイのみ)。
またリンの比重が特に大きなものになっており、サブタイトルにある”救世主”とはケンではなく、リンのことだと規定されている。

e0033570_85393.jpg劇場版ならではの特色としては、「アニメ初のスプラッタームーヴィー」を謳ったことだろうか。
北斗神拳や南斗聖拳によって切り刻まれ、体内から破壊される描写には拍車がかかり、TVの制約から自由になったスタッフの暴走振りが窺える。ただ予告編やスチール写真に比べると、実際のフィルムには透過光処理が施され、さほど不快感を与えないような工夫はされている。どこかでブレーキが必要だとの判断がなされたものと思われる。
別編成とはいえ、スタッフにはTV版に参加していた者も多く、イメージは踏襲。TVと比べての違和感はなく、むしろ劇場用にスケールアップした、その差異を楽しむべきだろう。

キャストも概ねTV版を踏襲したものになっており、ケン役の神谷明、ユリアの山本百合子、シンの古川登志夫、ラオウの内海賢二、レイの塩沢兼人、リンの鈴木冨子とバットの鈴木みえ(一龍斎貞友)、アイリの安藤ありさ等はそのままスライド。
70年代の終わりから80年代初頭におけるアニメブームの中にあって、富山敬や井上真樹夫と並んで”御三家”と称された人気声優の神谷明は、意外にもこれが単独での初主演作(<東映まんがまつり>は除く)になるはずだ。

ただ、音楽だけは完全に別物で、TV版の青木望に代わって服部克久が登板。こちらはTV版に馴染んだ人には違和感があるだろう。
主題歌もクリスタル・キングではなく、KODOMO BAND。こちらは後にTV版の主題歌にも起用されている(楽曲は別のもの)。
服部克久がこの手の作品を手掛けるのは珍しいと思うが、本人には会心の作だったようで、「リンのテーマ」として作られたメロディはその後自身のオリジナルアルバムにも流用、今でもイージー・リスニングの定番曲としてラジオ番組や有線放送でも頻繁に流れている。

原作が未完の段階での映画化ということから、物語が中途で終らざるを得なかったのが残念で、是非とも続編を望みたいところだったが、そこまでの興行成績は残せなかったのか、実現はしなかった。
ただそれでも、近年原作を再構成してリメイクされた作品群に比べると、こちらの作品に軍配が上がるだろう。
『北斗の拳』ファンには一度は見ておいて欲しい作品だが、当時ビデオやLDが発売されていたものの既に廃盤であり、半ば幻の作品状態に。
ところがようやくDVD化が決まり、近々リリースされるので広くお勧めしたいところである。

なお、ビデオやLDで発売されているヴァージョンは、実は劇場公開時と比べると短縮された再編集版になってしまっている。今回のDVDにオリジナル公開版が収録されることを望んで止まない。
by odin2099 | 2008-09-21 08:06 |  映画感想<サ行> | Trackback(1) | Comments(2)
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