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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2008年 10月 08日 ( 1 )

e0033570_22584557.jpgこの作品は確か、評判になってロングラン興行になってからか、或いはアンコール上映された際に観に行っています。
当時は三谷幸喜も東京サンシャインボーイズの名前も知らず、出演者にも馴染みのない人ばかりだったのですが、なかなか先の読めない展開で「日本映画も捨てたもんじゃないなぁ」と思ったものです。
何となく懐かしくなってDVDを買ったものの、そのまま放ったらかしだったのですが、これまた何となく手にとって再生ボタンを押してしまいました。

この作品でブレイクしたのが豊川悦司ですが、この時の役柄のイメージが未だに残っているせいか、その後”カッコいい男の代名詞”のように扱われる度に違和感が付いて回ります。自分にとってトヨエツは、あくまでも”個性的な曲者役者”というスタンスなんですがねぇ。

物語は、題名通り『十二人の怒れる男』のパロディです。舞台劇から映画化という流れも原典と同じ。
『~怒れる男』では11人が有罪を主張する中で、ただ一人だけが無罪を唱え、やがては全員が無罪を認めるというお話ですが、この作品では始まって早々に全員一致で無罪評決が出、これで一件落着かと思われたところ、その中の一人が突如として有罪に転じ、議論が繰り広げられていくという流れです。

『~怒れる男』では一人、また一人と有罪から無罪へと転じていく人が出て行くというある意味でわかりやすさがありますが、こちらの『~優しい日本人』では無罪から有罪へ、そしてまた無罪へとコロッコロっと主張が変わる人が出てきたりで、そのスリリングさが厭きさせません。また原典の『~怒れる男』を知っている人ほど、ミスリードの罠に誘われるのではないかと思います。

自分の主張を曲げない人、議論や考えることは苦手だという人、感情で物事を判断する人、周囲に流される人、無関心な人・・・と陪審員も様々なのは原典も同じ。最後の方では全員がエゴ剥き出しの大激論へと発展しますが、ただその中に一人だけ冷静な奴がいて、実はその男は・・・という、”ジョーカー”を忍ばせたのは独自のアイディアですね。前半と中盤、そして後半のクライマックスで場を支配する人が入れ替るのも面白さを増しています。

ところでこの作品が作られたときには、「もし日本に陪審員制度があったら」という、架空の物語として構成されていました。
しかし来年には裁判員制度がいよいよ実施されていまいます。
もしかすると実際に自分も、このような役割を担うことになるかも知れないなんて、この頃は想像だに出来なかったなぁ・・・。
by odin2099 | 2008-10-08 23:00 |  映画感想<サ行> | Trackback(11) | Comments(2)
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