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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2008年 10月 16日 ( 1 )

石持浅海が祥伝社ノンノベルに書き下ろした推理小説を、発売とほぼ同時にドラマ化したもの。『扉を閉ざされたまま』に続いて碓氷優佳という女性を探偵役に据えたシリーズ物で、前作『扉は閉ざされたまま』と二夜連続でWOWOWのドラマW枠で放送された。
主人公の優佳役は前作の黒木メイサに代わって松下奈緒。他の出演者は窪塚俊介、大杉蓮、奥貫薫、夏八木勲ら。
脚本・後藤法子、監督は香月秀之。

いやぁ~、これは凄いドラマになってました。

e0033570_2125504.jpg余命半年と宣告された会社の創業社長が、研修の名目でとある社員を呼び出しますが実は彼、かつて社長が殺した(死なせた)友人の息子。どうせ死ぬのならば、彼に復讐を遂げさせようというワケ。
そこで殺しやすい環境を整え、しかも彼を殺人犯にしないようにとお膳立てをするものの、そこに優佳が現れたために歯車が狂い・・・という粗筋だけ見れば原作通りなのだけれども、ところがドッコイ。

原作では研修には4人だけ呼ばれるところが数十人規模に膨れ上がったのはいいとしても、第三者的立場にいるはずの優佳は社長秘書というポジションで能動的に関わるし、犯行予告の脅迫状は送られてくるし、途中で双方とも心情を吐露してしまうのでサスペンスも何もあったものではありません。

挙句の果てには、原作にも登場しているある人物の設定をかなり大胆に改変し、物語をドンドン違う方へと引っ張って行ってしまいます。
これはある意味サスペンスですねー。原作読んでいるのに着地点がサッパリ見えないのですから。
詳しくはネタバレになるので書きませんが、これはミステリー物の映像化の際の禁じ手(?)「犯人変え」に近いものがありますな。
ラストシーンも当然のように全く違うものになってますが、これは原作者の承諾を受けてるんでしょうかね。

そもそもこのドラマ、前作のラストシーンを受けて始まります(ヒロイン演じている人が違いますけど・・・)。
このラストシーン、原作にはない付け足しで、これがあるとこの作品における優佳の立脚点が全くといっていいほど成立しなくなっちゃうのですが、それをやっちゃった以上、純粋なというか忠実な映像化は放棄したってことになるのですが、それにしてもここまで変えられちゃうと心穏やかではいられませんなぁ。

夏八木勲の日向社長はなかなか良かったし(といっても別人に近いキャラ設定ですケド)、大杉蓮の小峰さんも悪くないですが、後はねぇ・・・。
松下奈緒はパス。
優佳のキャラが原作とは全く別物なので、このドラマ版だけでどーこー言えないしなぁ。
ま、前作共々小説版が好きな人はドラマ版は観ない方が無難だよ、くらいのことしか言えません。
by odin2099 | 2008-10-16 23:17 | テレビ | Trackback(1) | Comments(0)
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