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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2008年 12月 25日 ( 1 )

e0033570_628537.jpg落ちこぼれ気味の中学1年生・曾根崎薫の父親は、世界的なゲーム理論学者。その父が作成した「潜在能力試験」を受けた薫は、父の問題作成を手伝っていた関係で全国1位の成績を収めてしまう。文部科学省の特別教育プログラムに選ばれてしまった薫は、あれよあれよという間に東城大学の医学部で研究をする羽目に・・・?!

<桜宮サーガ>の中では今のところ最も未来(=2020年)を舞台にしたお話で、実力以上に評価されてしまい、本人の意思とは別のレベルで物事がどんどんと進み、大人の都合で右往左往させられてしまった少年の苦悩というか困惑を、薫本人の一人称という形で描いている。

高階学長、垣谷教授、田口教授(!)、如月翔子看護師長、といった馴染みのある名前が出てきたり、薫の友人の一人が『夢見る黄金地球儀』の主人公の息子だったり、相変わらず「ハイパーマンバッカス」のシリーズが放送されていたり、と他作品とのリンクは健在。中でも一番の驚きは佐々木アツシの再登場だろう。この世界、これからどうなっていくのだろうか。

本来は軽いコメディとして読むべきなのかも知れないが、周囲の無理解な大人、というよりもハッキリとした物語上の悪役の存在が、その立場を鮮明にしていくに従って作品に暗い影を落していき、怒りや憤りを覚えるもののその溜飲が下がることはなく、何やら説教じみた結末へと導かれてしまうこともあって、あまり後味の良いものにはなっていない。それはそれで感情移入しすぎなのかも知れないが。
by odin2099 | 2008-12-25 06:28 | | Trackback(13) | Comments(4)
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