2009年 01月 14日 ( 2 )

しかし他の劇場に真似をされたりで次第に経営は苦しくなり、彼女はパリのムーランルージュのように女性の裸を見せることを提案、旧知の役人を説得して遂に前代未聞のヌードレビューの幕が開いた。それは瞬く間に社会現象になったが、一方で戦火の足音は着実に近付いてきていたのである・・・。
イギリスで初めてヌードレビューを実現させたヘンダーソン夫人と、彼女を取り巻く周囲の人々を描いた実話に基づく作品で、ヘンダーソン夫人役はジュディ・デンチ、ヴァンダムを演じたのはボブ・ホスキンズ。
いがみ合いながらも名コンビぶりを見せる、愛すべき二人のやりとりを観ているだけでも充分楽しいが、30年代40年代のショーのバックステージ物としても楽しめ、ミュージカル映画ではないものの、歌とドラマがシンクロしているので自然と心愉しくなってくるのは嬉しいところ。
戦争の影は全編に影を落とし、明るく楽しいだけの映画にはなっておらず、また幾つかのキャラクターに焦点が分散して散漫な印象を受けるのが惜しくもあるのだが、決して若いとは言えないジョディ・デンチが、段々と可愛く見えてくるという奇跡のような映画でもあるのだ。

しかしそのせいで割を食ったのはラドン。
この映画、ゴジラとラドンのコンビがキングギドラと戦うという、言うなれば二大スターの共演作品(いや、相手役のキングギドラを含めれば三大スターの揃い踏み)のはずなのに、これでは存在そのものが「なかったこと」にされてしまってる。
単独主演作もあるスターなのに、随分軽んじられたもんである。
お話の方は例によってオリジナル版よりも20分ほどカット。
元々怪獣たちの激突よりも人間側のドラマの比重が高かった作品を、今度は怪獣中心に再構成したものだから人間関係はチンプンカンプン。
誰と誰がどういう関係で、どんなことをしてる人かもハッキリせず、結局はお話そのものが非常にわかりづらくなってしまった。でも子ども向けにはこの方が良かったのかな。
今観ればこれで良しとするゴジラファンは少数派だろうけれど、ビデオやDVDで簡単に旧作が観られなかった当時、オリジナルを知らない子どもたちには好評だったようで、<チャンピオンまつり>も安定期に。