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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2009年 01月 31日 ( 2 )

銀座博品館劇場にて鑑賞。
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アガサ・クリスティー自らが書いた戯曲で、今回が日本初演なのだとか。
出演はエルキュール・ポワロ役に三波豊和、ポワロの相棒ヘイスティングス大尉に藤原啓児、クロード・エイモリー卿に江森恭一、クロードの私設秘書エドワード・レイナーに内海光司、クロードの息子リチャードに片岡暁孝、リチャードの妻ルシアに山崎美貴、クロードの妹キャロラインに平田朝音、クロードの姪バーバラはWキャストで秋山実希と茜澤茜(今回は多分秋山実希の方だと思う)、執事のトレッドウェルに川口啓史、グレアム医師に伊藤順、エイモリー家の客人カレリ博士に大嶋守立、警官のジョンソンに池田良、そしてジャップ警部に倉石功という面々。
翻訳は保坂磨理子、演出は佐竹修。

先日小説版の『ブラック・コーヒー』を読んだが、それはこのお芝居を観に行くための予習。
e0033570_2318168.jpgで、お話の筋も、勿論真犯人もわかって観ていたのだが、何となく素直に楽しめない。犯人の正体もさることながら、その動機、手段・方法にどうしても腑に落ちない部分があるのである。
ネタばらしになってしまうので詳しくは書けないのだが、これまで読んだり観たりしたポワロ物は程度の差こそあれ、それなりに納得してきたのだが、この作品はどうも・・・。

それに今日観た舞台に限って言えば、台詞をとちる人が多いのも気になった。
人間だからミスがあるのも当然で、逆にそれが生の芝居の楽しみでもあるのだけれども、動きでもぎこちなく感じられる部分もあるのは、ひょっとして稽古不足?などと勘繰ってしまいそう。
決して安くはないチケット代を払ってのことなだけに、ちょっと残念である。

博品館劇場は、銀座と言いつつ最寄は新橋駅。
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この駅前も結構絵になる建物が並んでいる。
by odin2099 | 2009-01-31 23:19 | 演劇 | Trackback(1) | Comments(4)
講談社から出ている<痛快 世界の冒険文学>というシリーズ物の一冊。
このシリーズは10年ほど前に刊行されたのですが、存在を知ったのは最近のこと。基本的には世界の名作文学を、子ども向けにリライトしたという良くある体裁のものですが、その執筆陣がなかなか興味深いのです。菊地秀行、藤本ひとみ、佐藤さとる、大沢在昌、宗田理、眉村卓、山中恒、田中芳樹、伊集院静・・・と並ぶと、ちょっと意外で贅沢な顔触れだと思いませんか? 
内、何冊かはソフトカバーや文庫本に形を変えて出版もされています。

この本はその第12巻(全部で24巻まで)。
e0033570_1354499.jpg他のシリーズと違って、サー・トーマス・マロリーの『アーサー王の死』など先行する書物のリライトではなく、伝承そのものを作者が取捨選択してまとめなおしたもの、と言ったほうが良さそうです。読んだことはありませんが、確かこの人の著作にはギリシャ神話や聖書などの入門書などもあったはず。その流れの一冊とみることも出来るのかも知れません。

お話の方は、アーサーが鋼の台から剣を引き抜くエピソードに始まり、エクスカリバーを手に入れる話、トリスタンとイゾルデの悲恋話、ガウェインと緑の騎士、そしてクライマックスの聖杯探索や最後の決戦へと進んで行きます。
子ども向けということもあってか、どのエピソードも短いのが玉に瑕ですが、それでもトリスタンやガウェインの話などはコンパクトにまとめられているなぁと感じました。
ただ、ラーンスロットとグウィネビアの不倫などは流石にまずいと思ったのでしょうかね、描写もかなり抑えられていますので、これを読んだ子どもは人間関係が良くわからないんじゃないかな、という気もします。

文体も平易ですし、分量もそれほどありませんので、大人が”アーサー王と円卓の騎士”物の入門書として読んでも充分楽しめるかと思いますが(自分は、イラストが加藤直之だと気付いた時点で購入を決定しました)、一般に知られている伝承とは幾分か異なった展開、描写になっている箇所も少なからず見受けられます。
例えば魔術師マーリン。彼は途中で姿を消してしまうのですが、この物語では比較的最後の方まで登場します。
またモルドレッドの出自も明確にはされていませんし、何よりもアーサーとラーンスロット、それにグウィネビアの最後もかなり印象の違ったものになっていますね。もっともそのあたりは、元が古い伝承なだけにどうアレンジしようが構わないとは思いますが、この本で初めてアーサーの物語に触れた人が、他の本を読んだりした際には若干の違和感を覚えるかも知れません。
by odin2099 | 2009-01-31 13:07 | | Trackback | Comments(2)
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