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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2012年 03月 10日 ( 1 )

精神を病んだ父のため、人間の善と悪の心を分離する薬の研究を続けていたヘンリー・ジキル博士だったが、周囲からの反対に遭ってしまう。失意の彼は自ら実験台になることを決意するが、凶悪な分身エドワード・ハイドを誕生させてしまった。
何とか薬を完成させようと、他人との接触を絶ち研究室に閉じこもるジキル。一方で次々と殺人を犯すハイド。既にジキルは自らを制御できなくなっていた・・・。
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ロバート・ルイス・スティーブンソンの怪奇小説を、脚本・作詞レスリー・ブリカッス、音楽フランク・ワイルドホーンのコンビがミュージカル化した作品を、日生劇場まで見に行って来ました。
初演は1990年で、日本には2001年に上陸。今回が通算5回目の公演となるそうです。
演出は山田和也、上演台本・詞は高平哲郎。

キャストは今回総入れ替えになっているそうで、ヘンリー・ジキルとエドワード・ハイドを演じるのは石丸幹二。
ヘンリーに大きな影響を与え、またハイドが執着することになる娼婦ルーシー・ハリスに濱田めぐみ、ヘンリーの後援者ダンヴァース・カルー卿の娘にして、ヘンリーの婚約者でもあるエマ・カルーを笹本玲奈、ヘンリーの親友で弁護士のガブリエル・ジョン・アターソンには吉野圭吾という配役で、他に畠中洋、花王おさむ、中嶋しゅう等が出演しています。

「ジキル&ハイド」といえば二重人格の代名詞のように扱われ、誰もが知っている作品なんだとは思いますが、実は粗筋くらいしか知らないんですよね。おそらく舞台化するにあたって原作小説とは別物になっているんだろうとは思いますが、実際にはどんなお話なんだろうという興味もあってチケットを取りました。
勿論、石丸幹二、濱田めぐみ、笹本玲奈というキャストも魅力的で、とかく「歌えるキャスト」ということで評判にもなっているようです。

で、実際に見てみたのですが、最初のうちはちょっと退屈してしまいました。
音楽も、あまり耳に残るメロディーがなく、なんだかやたらに難しそうな歌ばかりだなと感じ、これは確かにこのメンバーじゃなければ聴けたもんじゃなかったかも?なんて思ったものですが、後半になるに従って物語も加速。終盤は一気に引き込まれました。

物語上では一応Wヒロイン扱いですが、キャラクターが途中でガラっと変わるルーシーの方が儲け役ですね。
最初は妖艶な”大人の女”として登場してきますが、ヘンリーと出会ったことで”恋する乙女”に変貌し、かつハイドに怯えるたおやかな少女に、という具合に結構振り幅が広く、これを濱田めぐみが好演しています。
エマは典型的なお嬢様キャラで、物語の展開には直接絡んできません。その為に幾分か影が薄いのですが、笹本玲奈の清楚な雰囲気で存在感を与えている感じですね。

このタイプの違う二人の女性に挟まれる石丸幹二は、なおかつ自身もジキルとハイドという二役を演じているのですが、卒なくこなしている印象です。ジキルからハイドへ、またハイドからジキルへという変身のシーンはありますが、声のトーンを変えてそれっぽく演じていました。
・・・と思っていたのですが、クライマックスは圧巻。
ジキルとハイドが常に同時に存在することになってしまい、ここでは一人二役の本領発揮。二人の掛け合いを瞬時に切り替えて演じ分けているのです。いやはや大した迫力でした。

ただ、この3人が揃って登場する場面は殆どなく、しかもストーリー上では絡みません。
歌の面でももっと絡みが見たかったのですが、その点はちょっと残念でした。

カーテンコールは皆さん、ノリノリ。
指揮者までステージに上がってきたのには驚きましたが、終いには楽団全員もステージ上に。
また、場内が明るくなり、退場を促すアナウンスが再三流れても鳴りやまない拍手に応え、メインキャストの面々が特別に戻って来てくれたことにも感激しましたね。
by odin2099 | 2012-03-10 23:10 | 演劇 | Trackback(1) | Comments(2)
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