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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2014年 09月 08日 ( 1 )

e0033570_20440569.jpgTVのヒーロー物のスーツアクターを務める本城渉は、この道25年のベテラン。ブルース・リーに憧れ、いつか誰かのヒーローになることを夢見ている。
その劇場版で本城に役が付いたが、有耶無耶のうちに売り出し中の若手俳優・一ノ瀬リョウに奪われてしまう。落胆しながらもリョウのスタントを務める本城だったが、ハリウッドスターを目指し裏方のスタッフを見下した態度を取り続けるリョウに対し、本城は怒りを爆発させる。

しかしリョウにも叶えたい夢があった。
ヒーロー映画撮影と並行してハリウッド映画のオーディションを受けていたリョウは最終選考にまで残るが、自分には欠けているものがあることに気付き、頭を下げて本城やその仲間たちとアクション練習を共にする。
やがてメンバーたちとの間にも仲間意識が芽生え、成長したリョウは遂にチャンスを掴んだ。

だが撮影が開始されたものの、クライマックスシーンを巡って大事件が起きていた。リアリティを重視する監督はノーCG、ノーワイヤーを主張し、恐れをなしたスタントマンが逃げ出してしまったのだ。
このままでは製作続行も危うい。プロデューサーは伝説のスタントマンである本城のことを思い出し、この危険なスタントをこなせるのは彼しかいないと説得する。
別れた妻や娘、仲間たち、そしてリョウ…周囲の皆が反対する中、本城の中に忘れかけていた夢が蘇りつつあった…。


製作が発表された時から、公開を心待ちにしていた一本。
ベテランスーツアクターを主人公にした内幕モノで、しかも主演がスーツアクター経験者の唐沢寿明とあっては期待せざるを得まい。
しかも主人公のライバルであり、かつ師弟関係を築くことになる若者を演じるのが『仮面ライダーフォーゼ』の福士蒼汰。その目で現場を、その裏側を見、そして演じてきた彼ほどの適任者がいるだろうか。


実際この映画でもヒーローのスーツを着たり、出演場面の殆どのスタントを自らこなした唐沢寿明の説得力には脱帽せざるを得ない。
チームメンバーの一人を演じた寺島進も同様にスーツアクターの経験者だそうだし(しかも劇中同様、女性キャラクターも演じていたとのこと)、ちょっと意外な黒谷友香も含め、皆の動きにリアリティがある。ここが絵空事に見えては失敗だが、この作品は難なくこのハードルをクリア。


脇に目を転じると、アクション監督としてクレジットされている柴原孝典をはじめ、竹田道弘、蜂須賀祐一、蜂須賀昭二、喜多川2tom、竹内康弘、伊藤久二康、ショッカー大野、岡本美登、福沢博文、新堀和男ら馴染みのベテランの名前が並んでいるのも頼もしい限りだ。

ドラマ部分に弱さがないではないが、時代劇の斬られ役専門のベテランを中心に据えた『太秦ライムライト』同様、ヒーロー物の裏側にスポットライトを当てた本作は、ヒーロー物のファンのみならず、全ての映画ファンに観て欲しい一本だ。


【ひとこと】
50代で過激なアクションに挑戦した唐沢寿明も凄いが、『太秦ライムライト』に続いて70過ぎで殺陣を見せる松方弘樹も大したもんだ。


by odin2099 | 2014-09-08 20:47 |  映画感想<ア行> | Trackback(21) | Comments(6)
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