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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2016年 10月 02日 ( 1 )

初演の青山劇場から新国立劇場へ。
初演版の中継映像を見直し、劇場版も観に行って準備万端で再演を観に行ってきました。

e0033570_19054049.jpg開巻すぐに生の太鼓の音がドンドコドンドコドン!
これがアクセントになっていて、初演版からパワーアップしてるなあと感じさせてくれます。
まあしかし迫力あり過ぎて…劇中でも何度か「太鼓うるさい!」てな台詞もありましたけれど…。

台本は基本的に初演版と同じものなんだと思いますが、追加されたシーン、削られたシーン、意外に目立ちますので初演版を観た人でも違いを探す楽しみがかなーりあります。
まずはオープニングのナレーション、初演版では故・坂東三津五郎が担当してましたが今回は中村橋之助。
今日から始まる十月大歌舞伎で八代目中村芝翫を襲名するのですが、今回は「色々あったけど襲名おめでとうございます」と主演の勘九郎からツッコまれる羽目に…(^^;

ということで初演版と映画版、そしてこの再演版とキャストに変更がありますので、これをちょっとまとめておきますと――

猿飛佐助:中村勘九郎
霧隠才蔵:松坂桃李/松坂桃李/加藤和樹
火垂:比嘉愛未/大島優子/篠田麻里子
真田幸村:加藤雅也
根津甚八・豊臣秀頼:福士誠治/永山絢斗/村井良大
三好伊三:鈴木伸之/荒井敦史/荒井敦史
三好清海:駿河太郎
由利鎌之助:加藤和樹/加藤和樹/丸山敦史
筧十蔵:高橋光臣
海野六郎:村井良大/村井良大/栗山航
望月六郎:青木健
真田大助:中村蒼/望月歩/望月歩
仙九郎:石垣佑磨
久々津壮介:音尾琢真/伊武雅刀/山口馬木也
淀殿:真矢みき/大竹しのぶ/浅野ゆう子
徳川家康:平幹二朗/松平健/松平健

何気に結構変わってますねえ。
準主役の才蔵が松坂桃李から加藤和樹になったのは大きいですし、しかも初演と映画で鎌之助を演じていただけにややこしいです。
最初の名乗り、「お待たせいたしました~!あなたの霧隠才蔵です!」も少し変わって歌いながらの登場で、勘九郎から「ここは帝劇じゃない」とツッコミが。
そういや映画の才蔵は、この「女殺し」設定が無くなってましたけど、時間的な問題かしらん。

他には村井良太も初演・映画の海野六郎役から根津甚八へとシフト。演じる方も大変でしょうが、観ている方も色々と混乱します。
久々津のお頭も山口馬木也に交代してキャラ変。
初演も映画もラスボス的な立ち位置でありながら、残念ながらあまり存在感がなかったのですが、今回は大酒のみという特性が加わりました。またクライマックスの一大芝居場では、どうやら全てお見通しだったということらしいので、実は切れ者?

俳優さんが交代してないのに扱いが変わったのは筧十蔵と仙九郎で、二人とも出番が増えました。
十蔵だけじゃなく仙九郎もそっち方面のキャラにされ、二人の因縁も増え、早い段階から伏線も貼られてます。
また映画版から十蔵と鎌之助の絡みが増えましたが、それはこの再演版でも踏襲されています。物語の中でキャラクターが生きているということでしょうか。

出番が増えてキャラが変わったのは、映画には登場しなかった庄屋の娘おみつもそうですね。
再演版では最初から佐助にゾッコンで(「トム・クルーズそっくり」という台詞もあり)、許婚?も出てくるものの、ひたすら佐助を追いかけまわすというパワフルでいじらしい愛されキャラになっています。

ヒロインの火垂を今回演じるのは篠田麻里子。映画では同じAKB出身の大島優子が演じているというのも面白いところです。
初演では比嘉愛未が演じた役でしたが、3人の中では一番立ち回りが綺麗なのは篠田麻里子でしょう。しかし何故か比嘉愛未に比べるとフライングが少なめ。また映画では出番が減っているので大島優子はちょっと分が悪いですかね。
ただ火垂のツンデレの二面性を上手く出せていたのは比嘉愛未で、ギャップ萌えは彼女が一番。

e0033570_19060330.jpgギャグシーンでは早くも「シン・ゴジラ」ネタが…!
他にも「セカチュー」があったり、「パンチDEデート」があったり、「プリキュア」があったり、バルタン星人ネタがあったり、「ポケモンGO!」ネタがあったり、コーテンコールでは淀殿役の浅野ゆう子がジュリ扇持って踊ったり、と色々詰め込んでますが(他にも自分にはわからなかったですが、AKBネタもあったようで)、初演の時も感じたのですが本筋と関係ない部分で笑いを取る演出というのは個人的にはどうにも好きになれません。

特に大々的に取り上げられてるのが大河ドラマ「真田丸」ネタ。
これもある意味で自虐ネタなんでしょうが、どうも他人の褌でナントヤラな気がしてしまうのです。
また山口馬木也が、この作品と同時期に上演されていたTBS製作・上川隆也主演の「真田十勇士」(2013年初演、2015年再演)に服部半蔵役で出ていたことに絡めたネタもありましたが、これもどうなんでしょうかねえ。

とはいうものの、殺陣は初演版を凌ぐ迫力で、フライングもそしておそらく手数も相当増えてるはずで、俳優さんたちの頑張りには頭が下がります。
この新国立劇場の中劇場は国内屈指の奥行のあるステージなんだそうですが、その距離感を十二分に生かし、また客席を使っての演出も初演以上。左右の通路寄りや中央後ブロック最前列のお客さんは何人かいじられてましたっけ。これは一生モンの思い出でしょうね。

さて、映画の感想の際に「舞台>映画」と書きましたが、改めてそれを感じました。
映画は映画で確かに凄いのですが、目の前で繰り広げられているスピード感あふれるアクションに、これはアドリブなんでしょうか小ネタを挟み込んできたり、今その場に自分がいるんだ、という感覚は映画では味わえない舞台ならではのものです。

出来得れば再々演も望みたいですし、この再演版もDVDが出れば嬉しいのですが、漏れ伝わってきたところによると映画版の興行成績があまり芳しくなく、また再演版の客足もそれほどではないのだとか…。
確かに初演版はチケット取るのに苦労しましたし、取れた席も後ろの方でしたけど、今回は前方のブロックの後方、それも中央寄りの席があっさり取れ、当日券も毎日出るとのこと。
満を持しての「真田イヤー」でこれではちょっと期待外れと言われてしまうのも致し方ないところでしょうか。

東京公演は明日が楽日。この後、横浜公演と関西公演が待っています。
これから興行が行われる地域の皆さん、前回観た人も観なかった人も、映画を観た人もまだ観てない人も、是非この舞台版をご覧になって欲しいなあと願ってやみません。
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by odin2099 | 2016-10-02 19:12 | 演劇 | Trackback | Comments(0)

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