【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2016年 10月 04日 ( 1 )

e0033570_21591035.jpgロアルド・ダールの「オ・ヤサシ巨人BFG」をウォルト・ディズニー社が映画化、しかも監督はスティーブン・スピルバーグ。
ファンタジー映画としてはこれ以上ないくらいのコラボレーションで、これをスピルバーグの”同志”フランク・マーシャル&キャスリーン・ケネディがサポートし、「ナルニア国物語」以来のウォルデン・メディア社も一枚噛み、音楽はもちろんジョン・ウィリアムズ。
脚本はこれが遺作となった「E.T.」のメリッサ・マシスン(献辞が出る)とくれば正に盤石の体制。

養護施設で暮す少女ソフィーは、眠れないある晩に巨人を目撃してしまい、「巨人の国」へと浚われてしまった。
初めは激しく反発するソフィーだったが、次第にその巨人――BFGと心を通わせるようになる。
だが他の巨人はBFGと違って凶暴で、子どもを捕まえては食べてしまうという恐ろしい存在だった。
何とかしなくては。一計を案じたソフィーは英国女王に援けを求めることをBFGに提案する。
はたしてソフィーは凶暴な巨人たちをやっつけることが出来るのか?!

手堅くまとめてあるなあという印象は受けるものの、この手の作品に欠かせないワクワク感がどこにも感じられなかった。
おそらく往年のスピルバーグなら少女ソフィー(演じているのは新人のルビー・バーンヒルでとっても可愛い。吹替の本田望結も最初のうちはアレレと思っていたけれど、全体的に悪くない)をしっかり中心に据えて、ハラハラドキドキの冒険活劇として描いてくれたのではないかと思うのだけれども、もう彼の視点は自分に近い年齢のBFGに移ってしまっているので、異世界の異生物(人間と似てはいるけれども別種の巨人族)との交流を描くのではなく、単に老人と少女の交流に留まってしまっていて面白みがない。
しかも少女のエロティシズムを感じさせる描写が付け加えられているのが何ともはや。

思えば大人になったピーター・パンを描いた「フック」も傑作とは言い難かったので、スピルバーグにとってファンタジーは実は鬼門なのかも知れない。
意図せず(もしくはそれを主眼とせず)作った「未知との遭遇」「E.T.」は素晴らしいと思うが、結果的にファンタジー映画になった作品に比べ、正面からファンタジー映画に挑んだ作品は今一つ。

それともこれがスピルバーグの「老い」なのだろうか。


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by odin2099 | 2016-10-04 06:07 |  映画感想<ハ行> | Trackback(8) | Comments(1)
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