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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2018年 04月 15日 ( 2 )

<スター・ウォーズ・サーガ>第三章で、プリークエル・トリロジーの完結編。
序盤のオビ=ワンとアナキンの名コンビぶりは本当に頼もしいのですが、楽しい時間が過ぎるのはあっという間、物語はドンドンきな臭くなっていきます。

ドゥークー伯爵を追い詰めたアナキンに対し「殺せ」と冷たく言い放つパルパティーン。この時のドゥークー伯爵の驚愕の表情。この時までマスターを信じていたんでしょうな。自分自身はマスターへの反逆の意思があったと思われますが。

そのドゥークーにやられて倒れているオビ=ワンに対しても「置いてけ」と一言。流石にこちらには反発し、オビ=ワンを助け出すアナキン。しかしこういう態度を取るパルパティーンに対し、何の疑問も抱かないんでしょうか、アナキン君。

e0033570_20171392.jpg活躍をしながらなかなか認めて貰えないアナキン君に、パルパティーンは「ジェダイ協議会における私的代理人になってくれ」と頼みます。評議会は評議会で、逆にアナキンに対して「パルパティーンをスパイしろ」と密命。この際に評議会は、アナキンをメンバーに加えるけどマスターにしない、とややこしい決断をしてしまったので、益々アナキンの心はパルパティーンに。しかもこの時、オビ=ワンは積極的にアナキンをマスターに推したわけではなさそうですね。

評議会にしてみればパルパティーンに余計な口出しをされたくないから、アナキンをいわばオブザーバーの立場に置いたのは当然ではあるんですが、アナキンは単に自分の能力が認められないとしか思わない。ここに隙があるワケです。
そこでパルパティーンは”賢者ダース・プレイガス”の話を持ち出すんですが……なんで、ジェダイでも何でもないパルパティーンがシスの暗黒卿の話なんか知ってるのか、ここでも疑うことを知らないアナキン君。もうパドメ(と生まれてくる子供)以外は眼中にないんですね。

かくして転落への道は着実に敷かれ、遂にはダークサイドへ。
幼い子供のパダワンまでアナキンが手にかけるのはやり過ぎですが、それまでの間に元老院は腐敗し、ジェダイ評議会は旧態依然とした石頭集団、そしてメイス・ウィンドゥが悪役然(!)として出てきてるからか、単なる闇落ちではなくアナキンの行動にも一理あるのでは?と思わせているのは見事です。

パルパティーンにとって誤算だったのは、アナキンが(パルパティーンにとっては眼中になかった)オビ=ワンに敗れ瀕死の重傷を負い、半分機械になったことでしょうか。初登場のシーンから強大な悪というイメージを与えていたダース・ヴェイダーのスタイルですが、その実はアナキンの能力を低下させてしまっているのはノベライズ群で明らかになっています。

その反面、自分にとって代わるだけの能力はもう持っていないであろうと判断し、実はパルパティーンはほくそ笑んでいたというのもあるでしょう。
故に次なるトリロジーは、アナキン以上の能力を持っていると思われたルークを、パルパティーン、アナキン(ヴェイダー)双方で奪い合うのがクライマックスとなるのです。

ラストシーンは、二重太陽の元、オーウェンとベルー夫妻にルークを託し一人荒野を去るオビ=ワン、というシリーズ屈指の美しい場面で幕を下ろし、また新しい物語が始まることを期待させるという素晴らしいものでした。ここでシリーズが完結していた方が、綺麗にまとまった物語になっていたのかもしれませんね。

今はこのラストシーンを受け、タトウィーンに隠遁中のオビ=ワンにスポットを当てたスピンオフ映画の企画もあるようですが、ハン・ソロやボバ・フェット、あるいはジャバ・ザ・ハットなんかを主人公にしたものより数百倍は見たいものです。

スピンオフといえばこの後にデス・スター建造をテーマにした作品が作られましたが、本作の最後では既に工事が始まってましたね。プロトタイプなのかもしれませんけれど、完成までこれから20年近くかかるとは難事業だったんですねえ。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/296679/
https://odin2099.exblog.jp/20644916/
https://odin2099.exblog.jp/22976881/
https://odin2099.exblog.jp/24942974/



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by odin2099 | 2018-04-15 20:21 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
** ネタバレ注意! **

紆余曲折あってようやく実現した「パシフィック・リム」の続編で、あの戦いから10年後が舞台。

e0033570_14185371.jpg主人公のジェイクは脱走したストームトゥルーパー、じゃないペントコスト司令官の息子。色々あってドロップアウトしていた関係で前作時は不在。前作のヒロイン森マコがジェイクの”姉”として出てくるものの、この家族関係、唐突な感は否めない。
ジェイクの相棒としてスコット・イーストウッドが演じるネイトというキャラが出てくるけど、これが前作の主人公ローリーだったらもうちょっと流れが自然だったんだろうけど、ローリー役のチャーリー・ハナムがスケジュールの都合で降板したから、これまた無理矢理接ぎ木した感がありあり。
しかも森マコはあっさりと殺されちゃうし、ノベライズによると既にローリーも病死してる設定なんだとか。

前作からは他にニュートン・ガイズラーとハーマン・ゴットリーブの二人も再登場してくるし、結構出番も多くてある意味では大活躍するものの、ニュートンに関してはまさかまさかの闇落ち!ラスボス!
新体制になり、物語上も世代交代を狙ったんだろうけど、なんか前作キャラに対して冷たい印象が残る。

一応の新ヒロインは、ジャンクパーツを盗んで自前のイェーガーを組み立てちゃう15歳の少女アマーラ。演じてるケイリー・スピーニーは実年齢は20歳だけど、ティーンエイジャー役に違和感なし。
彼女とジェイクの、いわばアウトローコンビが最終的に大活躍というパターンも王道展開と言えるだろう。

e0033570_14190458.jpgしかしKAIJU映画と言いつつ、実はなかなか怪獣が登場しない。
無人機イェーガーの導入、配備と謎のイェーガーの出現、更には無人機イェーガーの暴走は、怪獣映画よりもロボットアニメからの影響が大。「パトレイバー」か「エヴェンゲリオン」か、はたまたブラックオックスか?
そういやクライマックスバトルの舞台となる、言われてもよくわからない東京の風景の中にはしっかりとユニコーンガンダムの立像が。ちゃんとサンライズの許可は得てるようだけど、そこまでして出したかったのかねえ。

その中国人ばっかり逃げ惑ってるような気がする東京からは富士山がでっかく見え、怪獣たちの目的地はどうやら富士山らしい。しかも割と短時間で行ける距離らしい。…おいおい。

その最終決戦で大活躍して、美味しいところを持って行っちゃうのが無人機イェーガーを開発した大企業のオーナー、リーウェン・シャオ。演じてるのは「グレートウォール」「キングコング/髑髏島の巨神」でレジェンダリー・ピクチャーズ御用達女優となったジン・ティエン。作劇上は悪役ポジションにいた筈なのに、最後はちゃっかり”正義の味方”。美人は得だよなあ。
彼女にはレジェンダリーの大株主である中国系企業のお偉いさんの愛人で、ゴリ押しのキャスティングとかいう噂もあるけれどねえ。

前作に比べると軽いノリで愉しめる娯楽作といったところだけど、色々な面で雑。設定やシチュエーション、キャラクター配置その他もろもろ。
新田真剣佑が出てるってことで日本じゃ大きく扱われているイェーガーのパイロット候補生たちも、結局は各人の色が出せず誰だ誰やら。最終決戦ではお約束通り員数集めで駆り出されるものの、誰がどの機体に乗り、誰が生き残って誰が死んだのかも判然としない有様。いがみ合いの中から友情が育まれていく過程がしっかりと描かれていれば燃える展開もあろうに。

ラストは「今度はこっちから乗り込んでいくぞ」と地球人サイドからの宣戦布告。
第三弾の構想や、その先にゴジラやキングコングらの<モンスターバース>との融合も視野に入れてるようだけど、はたして実現なるか。
監督の怪獣愛、ロボットアニメ愛は伝わっては来るものの、もうちょっと映画としての体裁には拘って欲しかったかな。


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by odin2099 | 2018-04-15 14:24 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)

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