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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2018年 07月 31日 ( 1 )

<ハリー・ポッター>の3作目。前2作でメガホンを取ったクリス・コロンバスはプロデュースに回り、新監督にはアルフォンソ・キュアロン。
2作目は1作目が公開される前から製作がスタートしていたが、2作目と3作目の間にはインターバルが。
監督が交代したこともあるし、子役たちが成長したこともあるけれど、前2作とはかなり雰囲気が異なるものに。

比較的小説版に忠実に作られてきたこれまでとは違い、この3作目は原作小説をかなり大胆に刈り込み、「あれがない」「これもない」は今まで以上に増えた。ただその分映画としての独自色が強く出るようになり、以後小説は小説、映画は映画とそれぞれ別の道を歩むことになる。
公開当時は物足りなさや違和感の方が大きく、ぶっちゃけ前2作に比べると不満度も高かったのだが、映画が全8作で完結した今ではこの作品が一番好きかもしれない。

e0033570_20590902.jpgこれまでは根底にどんなに暗く重たいお話があろうとも、表面的には明るく楽しい学園生活を強調してきたが、今回は冒頭から暗鬱なムードに。両親を侮辱されブチ切れるハリーのダークサイドを見せ、凶悪な殺人鬼の脱獄、監視下に置かれるホグワーツ、ともはや日常は安全でも何でもないことが明らかになる。
ただ今回はヴォルデモードは実は直接関わってこない。確かにヴォルデモードに起因する因縁話の上での事件だが、まだハリーたちは外からの直接的な脅威には晒されていないのだ。シリウス・ブラックの脱獄は裏切り者ピーター・ペティグリューへの復讐の為だし、リーマス・ルーピンが暴れることになってしまうのはその習性と性癖の故だ。ヴォルデモードは一切関知しない。ハリーたちが大いなる脅威に脅かされるのは、まだ先の話である。

今まで鬱屈した生活を送ってきたからか、ダーズリー一家に対しハリーは初めて生の怒りの感情をぶつける。ダンブルドアが何故幼いハリーをダーズリー一家に託したかは後の作品で明らかになるが、ハリーの育ち方を見るとそれで本当に良かったのかな、という気がしないでもない(余談だが、生まれてすぐラーズ夫妻に密かに預けられ育てられたルーク・スカイウォーカーとの共通点を感じる)。

リチャード・ハリスが逝去したため、本作からダンブルドアの配役がマイケル・ガンボンに交代。後任候補にはイアン・マッケランも上がっていたが諸事情で実現しなかったが、もしマッケランだったら流石にガンダルフと被ってしまう。ただハリスとガンボンは面差しがまるで違うので、まだマッケランの方がイメージを踏襲できたかもしれない、とは思う。

また配役のことをいえば、ルーピンはユアン・マグレガーに演じて欲しかった。ファンからの要望も多かったようだが、個人的にはデヴィッド・シューリスにはどうも悪役のイメージしかないもので。
同様にシリウスの個人的なイメージキャストはヴィゴ・モーテンセンだったが、こちらはヴィゴがイギリス人ではないので無理な話か。

【ひとこと】
人狼ということでいわれなき迫害を受けてきたルーピン。差別問題が騒がれる昨今、この作品も様々な視点から再評価されるべきかと思う。

【おまけ】
ルーピン」のスペルは”Lupin”、しかし日本ではこの名前、一般的には「ルパン」という表記の方が馴染み深そう。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/10648257/



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by odin2099 | 2018-07-31 21:02 |  映画感想<ハ行> | Trackback | Comments(0)
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