人気ブログランキング |

【徒然なるままに・・・】

odin2099.exblog.jp

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2019年 07月 03日 ( 1 )

**** ネタバレ注意! ****

トニー・スタークのいない喪失感、ポスト”アイアンマン”を望む声と、何よりもトニーが残した”期待”と”遺産”の大きさに疲れたピーター・パーカーは、普通の高校生らしい生活を欲していた。
目下の彼の目標は、夏休みの学校主催のヨーロッパ旅行に参加し、気になる存在のMJに告白すること。ところがそんなピーターの前にニック・フューリーが現れた。フューリーの話によればサノスの一件以来、別次元の地球とこの世界が繋がってしまい、そこからエメレンタルズと呼ばれる恐るべき怪物が侵攻してくるというのだ。そして別次元からやってきたヒーロー、ミステリオことクリスティン・ベックに紹介され、共に戦うよう要請される。
旅先であるヨーロッパ各地に現れたエレメンタルズから友達を守るべくピーターは、スパイダーマンとしての活動を余儀なくされるが、その戦いの最中、親身になって相談にのってくれる”ヒーローの先輩”ベックに少しずつ心を開き、彼こそ”トニーの遺産”を託すに足る人物であるとの判断を下すのだったが…。

e0033570_19303499.jpg<MCU>23作目で<フェイズ3>のトリ、それに<インフィニティ・サーガ>の大トリとなる作品。
長く<フェイズ4>の開幕作品だと言われていたが、最近になって<フェイズ3>の最後とのコメントが出た。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」が綺麗に終わっているだけに、あの余韻を楽しみたい人には蛇足に感じられるかもしれないが、「エンドゲーム」後の世界がどうなっているのか、指パッチン事件の裏側や後始末の話が気になる人、何よりも「エンドゲーム」ロスに悩んでいる人にはお勧めの一篇。

原作コミックを読んでる人なら「ミステリオがヒーローなワケがない」と端から思ってるんだろうけど、劇中での登場の仕方はかなりドラマティック。
ピーターのみならず、ニック・フューリーやマリア・ヒルもあっさり騙される。

その正体は元スターク・インダストリーズの技術者で、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」冒頭でトニーがプレゼンしていたバーチャル・リアリティシステム”B.A.R.F.”の開発者。そのシステムを使って存在しない怪物を登場させ、それと戦うヒーローの姿を演出して見せていたのだ。
あの本編と絡まない短いシーンが、この映画の伏線になっていようとは?! 
そしてベックは同じくトニーに反発している元社員たちとチームを組み、一連の事件を引き起こす。

そのメンバーの中には「アイアンマン」の1作目で、アークリアクターの縮小化に失敗し、オバディア・ステインから罵倒された研究者の姿もある(そのために「アイアンマン」と「シビル・ウォー」からフッテージが流用されている)。
どこまでリンクを張るのだ、<MCU>?

それに前作にも登場したピーターの学校の先生であるロジャー・ハリントンは、実は「インクレディブル・ハルク」で、ピザの配達を装って大学に潜入したブルース・バナーに、そのピザを奢られていた学生と同一人物とのこと(演じている役者が同じというお遊びかと思ったら、こちらは公式設定らしい)。
他にも後付けだが「アイアンマン2」で、スタークエキスポの会場でドローン軍団に襲われたアイアンマンのマスクを被った少年が、幼少期のピーターだったというのもある(こちらはファンの推測を容認した形で、今のところ公式な設定ではないが)。

で、トニーの”遺産”も首尾よく手に入れ、バーチャル・リアリティ装置を使ってやりたい放題のベックは、これによってフューリーやMJ、ゾンビと化したアイアンマンの幻も生み出してピーターを苦しめるが、ピーターは孤軍奮闘(フューリーの説明によればソーは地球におらず、キャプテン・マーベルやドクター・ストレンジの助力もアテにできない、ということらしい)。

前作「スパイダーマン/ホームカミング」のヴィランもトニーに恨みを持つ者だったし、ピーターはトニーの”負の遺産”まで受け継がされてるの不憫すぎる。
またトニーもトニーで、あんな強力な防衛システムを搭載したA.Iを、あっさりと一介の高校生に託しちゃうのもなあ。

e0033570_19301625.jpgそれでもすっかりシリーズ物として定着した感のある「スパイダーマン」。
と同時に「アイアンマン4」「アイアンマン5」の役割も担っているようだ。
「ロッキー」シリーズが見事に「クリード」シリーズにシフトしたように、「アベンジャーズ」シリーズを挟みながらだが、この作品も紛れもない「アイアンマン」の”続編”。
直接トニー・スタークこそ出てこないものの、この世界の中には大きな存在感が残っている。

今回大活躍のハッピー・ホーガンとメイおばさんが良い雰囲気になっていたり、ネッドが美少女ベティ(アンガーリー・ライスちゃん、要注目ですぞ!)とラブラブになってたり、そもそもいつからピーターはリズからMJに乗り換えたのかとか色々驚かされる展開の多い本作だが、最後の最後まで色々かましてくれる。

悪意に満ちたスパイダーマンの報道をするニュースサイトのトップが、あのJ・ジョナ・ジェイムソン(JJJ)で、しかも演じているのがまさかまさかのJ・K・シモンズ! 
サム・ライミ版「スパイダーマン」三部作からスライドしてのJJJ役。
これは単なるお遊び?
それとも次回作でトビー・マグワイヤやアンドリュー・ガーフィールドが出てくる伏線?

そしてこのニュースの内容というのが、ミステリオの大暴露映像。
即ち「スパイダーマンの正体はピーター・パーカーだ!」って言っちゃったんだけど、随分と酷なことするもんだ。
次でどう回収するのか、それともあっさり「ミステリオの戯言」レベルで収拾図っちゃうのか。

で、この映画的に大きなどんでん返しは、実はニック・フューリーもマリア・ヒルも偽物でした、ってことだろう。
フューリー本人は宇宙船だか宇宙に建設されたステーションだかにいて、地球にいてあれやこれやの指示を出していたのはスクラル人のタロス夫婦の変身だったということ。
<フェイズ4>は宇宙が舞台になるという噂があり、どうやらこれを裏付ける結果になったが、しかし「キャプテン・マーベル」見てない人は誰それ?状態だろう。

ともあれこれだけ”次”への布石を打ったのだから、一時は今回で完結と言われていた「スパイダーマン」の3作目の実現は間違いなさそう。
そして新生アベンジャーズの登場も含めての<MCU>の<フェイズ4>以降にも益々期待は高まるのであった。

【ひとりごと】
スパイダーマン・スーツをカスタマイズするピーターを見つめるハッピーが優しい。
しかもそのバックに流れるのがアノ曲だもんな。



by odin2099 | 2019-07-03 19:33 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
ブログトップ