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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2019年 08月 19日 ( 1 )

雨の日の無人のエレベーターの中に残っていた香水の香りから、11年前にたった一度だけ自分の名前を呼んでくれた女性のことを思い出した。
卒業写真に写っていないことをクラスメイトも担任も、そして両親さえ気付かない”忘れられる存在”である自分を名前で呼んでくれた彼女のことを。
数年前に結婚した彼女の住む街へ引っ越し、その近所に店を構え、合鍵を作って自宅へ侵入し、監視、盗聴を繰り返す日々。
だが覗き見た彼女の姿は、あの頃とは変わり果てていた。

e0033570_18122761.jpgKADOKAWAとハピネットの共同製作による「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」の第2弾で、第1弾の「殺人鬼を飼う女」同様に大石圭の同名小説を映画化。
脚本・監督は安里麻里、出演は高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔ら。

高良健吾が存在感のないキモヲタを見事に怪演。
DV夫に暴力を振るわれてる彼女を怒りに任せて助けようとするが、あと一歩の勇気が出せずに半死の状態にしてしまい自らを罰し、結局救えなかった彼女を想っての自慰シーンなど、彼がイケメンだからこそギリギリで成り立つシチュエーションかと。

そして彼に一方的に想いを寄せられる西川可奈子の薄幸さも輝いている。
11年前、19歳だった時のあどけないというか無防備な笑顔、そして現在のやつれた姿との演じ分けも素晴らしい。失礼ながらハッとするような美人ではないが、見ているうちにグイグイと引き込まれていく存在感のある女優だ。

物語は現在と過去の回想シーンが入り混じって展開されるが、途中で不自然さを感じる部分が増えてくるのだが、最後の方に来て得心が行くような仕掛けになっている。
ただそうなると、どこからどこまでが実際に過去に起ったことで、そしてどの部分が妄想なのか改めて確かめたくなってくる。
二度目の方がより愉しめる作品かもしれない。



by odin2099 | 2019-08-19 18:41 |  映画感想<ア行> | Trackback(1) | Comments(3)
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