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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

2019年 10月 05日 ( 1 )

プロヴァンスの美しい村に住む自転車修理工のラウル。妻と二人の子供と幸せに暮らしているが、実は幼いころから秘密にしていたことがあった。それは自転車に乗れないこと。
曲乗りの名人(実は事故)との伝説を持ち、自転車のことなら何でも知っていると村の名士扱いされているラウルにとって、これは墓場まで死守しなければならない大事なことだった。
ところが村に写真家が現れ、村人の写真を撮り始めたことから雲行きが怪しくなる。ラウルが自転車に乗っているところを撮りたいというのだ。
もし自転車に乗れないことがバレたら、家族の愛も村人からも尊敬も失ってしまう。あの手この手で何とかそれを回避しようとラウルの涙ぐましい奮闘が始まるのだが…?

e0033570_21363161.jpg素敵な小品でした。
自転車に乗れないことがそんなに大問題になるのかな?という気がちょっとしましたが、どうやら車がさほどポピュラーではないこの村では、自転車は大切な移動手段のよう。となると自転車に乗れないのは重大事なのでしょうね。

ラウルは実は自転車に乗れないことを何度か打ち明けようとします。
少年時代、意を決して坂道から自転車に乗って下った際は、そのアクロバティックな動きから曲乗りだと思われ、自分の父親に打ち明けた時は直後の落雷によって父は他界、また互いに憎からず思っていたガールフレンドとちょっと良いムードになった際に打ち明けた時は、そのまま破局を迎えてしまいます。
そして後の妻となる女性に打ち明けようとしたものの、結局はプロポーズになりました。

そんなラウルが写真撮影を回避するべく取った行動が抱腹絶倒なのですが、ラウルにしてみれば必死。最後には家族に当てて遺書まで書き、撮影に臨む有様。
他所から見れば大したことに思えないことも、当人にしてみれば生きるか死ぬかの瀬戸際なのです。

ラストシーンも含め、一人も悪人が登場しない気持ちの良い映画でした。
ちょっとほっこりしたい人にはお勧めの作品ですね。




by odin2099 | 2019-10-05 08:35 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)
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