
「死にたい」が口癖の少女・鹿野なな(
桜井日奈子)と「殺すぞ」が口癖の少年・小坂れい(間宮祥太朗)。居場所の見つからない同士の二人が出会い、少しずつ互いの中に自分の居場所を見出していく不器用なラブストーリー。
それに、自分が可愛いく常にチヤホヤされていたいきゃぴ子(堀田真由)とその親友の地味子(恒松祐里)の話と、地味子の弟・八千代(ゆうたろう)と八千代のこと以外が目に入らず「好き!」と告白し続ける撫子(箭内夢菜)の話とが絡み合うラブコメディ…なんだと思ってたら、うわっ、重っ!
「いま”最も泣ける四コマ”」ってそういう意味か。
いじらしかったり、もどかしかったりの三組の人間模様。
それがラストが近付くにつれハッピーエンドへ向けて収斂していくのかと思いきや、まさかのどん底へ。
でもそれを乗り切った先に、それぞれの”選択”を経た上での未来がある、という点ではハッピーエンドなんだろうけれど、ちょっとキツかった。
この三組の話は同じ学校を舞台に同時並行で語られていくが、実は時系列は意図的にぼかされている。
最後にそれが明らかになると「ああ、そういうことか」と頷けるのだが(といっても幾つかわからない部分があり、それはパンフレットを読んで氷解した)、かなり細かい小物も使っての伏線が張られていたりで、綿密に組み立てられていたんだなと感心しきり。
ただ厳密には三つのエピソードの比重がアンバランスで、収まりが悪いなと感じる時もあったのだが、それもそのはず、原作では全く無関係のバラバラな話を組み合わせたものなのだそうな。
それぞれ独立した短編で作った方が、見る側の感情はキープ出来たような気もする。
”岡山の奇蹟”桜井日奈子はやっぱり可愛いけど、最近よく見かける
堀田真由は今回もガラッと変わった印象。前にも感じたけど、化けるな、彼女は。