
大学のミステリー愛好会に所属する自称”ホームズ”の明智恭介と、その助手・葉村譲。
その二人の前に現れた謎の美人女子大生の剣崎比留子は、とあるサークルの夏合宿への参加を持ちかける。
昨年の参加者の中に行方知れずの女子部員がいること、そして部員宛に脅迫状が届いたこと。
興味を惹かれた二人は、彼女に同行して山奥のペンションへ。
曲者揃いの参加者に囲まれ、そこで巻き起こる異常事態。
更にペンションに閉じ込められることになった彼らの内の一人が、異様な惨殺死体となって発見された。
今村昌弘の小説を木村ひさし監督が映画化。
出演は神木隆之介、浜辺美波、葉山奨之、矢本悠馬、佐久間由衣、山田杏奈、大関れいか、福本莉子、塚地武雅、ふせえり、池田鉄洋、古川雄輝、柄本時生、中村倫也。

予告編を見て興味を持ったので、事前に原作小説を読了。
アレをどうやって映像化するのかなと思っていたら、割とストレートに描いていたので感心。
キャラクターやシチュエーションは原作とはかなり違う部分もあるし、その背景というか黒幕というかについてはバッサリ切り捨てられているので、そもそもなんでこういうことになったのか?が宙ぶらりんのままだけれども、枝葉を切り落としたことで一本の映画としては見やすく、わかりやすくなっているのかな、とも思う。
それにしても浜辺美波はこういった特異な美少女の役がホントにハマる。
こんな娘いるかよ、と思うようなキャラだけど、彼女が演ると何故かリアリティというか説得力があるから不思議。
独特の透明感があるからかなあ。
そしてニュートラルな受け身の芝居に徹した神木隆之介が上手い。
原作だとメンバーは美女、美少女のオンパレードのはずで、その点で映画はちょっと物足りないけれど、それでも山田杏奈や福本莉子が可愛かったから良しとしよう。
原作はシリーズ化されてるが、ヒットすれば映画もシリーズ化されるかな(そしてアノ組織についても言及されるかも)。

ただ、ミステリー・サスペンス物の体裁を取ってはいるものの、実のところこれはホラー映画。
原作小説にしたって一見するとラノベ風ではあるものの、人はどんどん死んでいくし、グロ描写も多くてかなり後味が悪い。それに、そもそもシチュエーションが突飛すぎる。
「第27回鮎川哲也賞」受賞作品(選考委員の満場一致)にして、「このミステリーがすごい!2018年度版」、「週刊文春ミステリーベスト10」、「2018 本格ミステリ・ベスト10」、「第18回本格ミステリ大賞」と国内ミステリーランキング4冠を達成するほどの作品なのかはちょっと疑問符がついてしまうのだけれども。
【ひとりごと】
ネタバレするけど…
宣伝だと神木隆之介、中村倫也、浜辺美波のトリオが主演のイメージ持つと思うけど、実際は明智恭介は実質的に前半で退場し、あとは葉村と比留子のバディ物と化すので要注意だね。