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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

カテゴリ: 映画感想<サ行>( 431 )

人気アニメを実写化、ということですが、元ネタは全然知りません。
しかし映画を見るにあたってアニメ版をチラ見したんですが、うーん、年齢的にはちょっと上だけど、玉城ティナの閻魔あいはヴィジュアルも喋り方もアニメにかなり寄せていて、これはかなりイケてる部類に入るんじゃ?

恨みを持った人が”地獄通信”というサイトにアクセスし恨む相手の名前を入力すれば、「地獄少女」が現れその相手は地獄に落ちて永遠の苦しみを味わう、という都市伝説があった。ただ依頼者も死後には地獄へ行き同じ苦しみを味わうことになる、というのがミソ。

e0033570_20495411.jpg市川美保は、魔鬼というカリスマ的アーティストのライブで南條遥という少女と出会う。
この出会い方がトンデモで、ライブ中に美保に痴漢を働いたヤツを遥がボッコボコに叩きのめすという強烈なもの。おまけに遥は「美保が美しい」から「美しいものが好き」という理由で接近してくるのだ。
そして偶然魔鬼と知り合った二人は、彼がプロデュースするインディーズアイドル御厨里美のライブのシケットを貰う。

二人はライブへ出かけるのだが、ライブ中に早苗は突然暴漢に襲われ、顔に大きな傷を負ってしまう。しかも反省するどころか嘲笑う言動を取ったことでその相手を呪い、次はその犯人の母親が息子を死に追いやった早苗に復讐し…という具合に負の連鎖が続いていく。

魔鬼から早苗の代わりのヴォーカルを選ぶオーディションに誘われた二人だったが、合格したのは遥だけ。しかも合格直後からどうも遥の様子がおかしい。どうやら魔鬼に薬物を与えられ、洗脳されているのでは?
ということで物語が転がっていく。

これに最初に「地獄通信」のことを記事にし、事件が起こったライブにも立ち会っていたルポライターが狂言回し的な役回りを演じ、いくつかのエピソードを融合させる働きをするのだが…。

相手に復讐をするといっても爽快感とは程遠いし、ホラー映画であるのでそこそこのショッキングなシーンもあるのだが、なんとか自分にも耐えられるレベルの怖さということと、玉城ティナの魅力(魔力?)に引き込まれて最後まで完走出来た。彼女は「惡の華」もそうだったけど、この世ならざる者にハマるな。

出演は他に橋本マナミ、楽駆、麿赤児、森七菜、仁村紗和、大場美奈、藤田富、波岡一喜ら。
脚本・監督は白石晃士。

最後まで見ることが出来た理由にはもうひとつ、事実上のヒロイン役である森七菜の存在も欠かせない。
守ってあげたい儚げな少女として登場するが、最後には自ら「地獄少女」を償還する荒々しさ、激しさを見せ、そのギャップは秀逸。
素朴にして純情可憐、しかしながら芯の強さを感じさせる彼女はここ一、二年で急速に注目を集めるようになったが、然もありなん。今後の活躍も愉しみである。




by odin2099 | 2019-11-21 20:52 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
女性に月一でやってくる「生理」を擬人化したキャラが出てくる小山健の人気コミックの映画化作品。

e0033570_19121119.jpg青子(二階堂ふみ)は雑誌社で働くOL。山内(須藤蓮)という後輩と忙しい毎日を送っている。妻に先立たれた久保(岡田義徳)という彼氏もいるが、彼には年頃の娘かりんがいて、二人の交際に猛反対。
青子にはひかる(松風理咲)という高校生の妹がいて、ゆきち(狩野見恭兵)という彼氏もいるものの、受験を控えてお互いに悶々とした日々を送っている。
りほ(伊藤沙莉)は青子の働く雑誌社で清掃のバイトをしてるヲタクで、日頃の鬱憤をSNSにぶつけ毒を吐き続けている。そんな時山内は、雑誌でコラムの連載をお願いしたい相手が、りほだということに気付く。

そんな彼女たちを悩ませているものがもうひとつ、それが月に一度やってくる生理ちゃん。
仕事にデートにと、どんなに大切な用事があろうがお構いなしにやって来る生理ちゃん。それを理由に出来ないから女性は大変なんだ、というお話。
その大変さをビジュアル面では生理ちゃんをおぶったり、抱っこしたり、台車に乗せて移動させたりで表現。視覚的インパクトでわかりやすくアピールしてる。

ただそれだけじゃなく、時にはイマジナリーフレンドとしても現れ、恋に悩む彼女たちの支えにもなっている。
その結果、青子は久保との関係に自分なりの決着をつけるし、ひかるとゆきちは遂に…? そしてりほと山内もちょっといい関係に。
みんな大きな一歩を踏み出したところでエンド。前向きな気分になれるラブコメディだ。



by odin2099 | 2019-11-19 19:16 |  映画感想<サ行> | Trackback(1) | Comments(2)
親の遺産で何不自由なく暮らしている南田収一は妻のみや子を溺愛しているが、どうやら最近妻が浮気しているらしいことに気付く。
南田から悩みを打ち明けられた夫妻かかりつけの歯科医である琴浦は、明智探偵事務所にみや子の素行調査を依頼するのだが、実はみや子の不倫相手は琴浦だった。
明智小五郎に代わって担当することになった明智の妻の文代は、調査を進めるうちに南田夫妻と琴浦の関係に違和感を覚え始める。

e0033570_20555887.jpg江戸川乱歩の「妻に失恋した男」を原作にした<江戸川乱歩エロティックシリーズ>の第一弾だが、「失恋殺人」というタイトルは少々的外れ。「失恋」した人が「殺人」を犯すわけではなくむしろ被害者だからで、何故原題通りではいけなかったのだろうか。
出演は宮地真緒、柳憂怜、大浦龍宇一、山田キヌヲ、草野康太、星野真里、白州本樹、監督・脚本は窪田将治。
宮地真緒の”体当たり演技”がセールスポイント。

物語はよくある三角関係、いや歯科医に想いを寄せているであろう歯科医助手の女性を含めれば四人の男女の愛憎劇で、意外な展開、意外な結末というものはない。気になって原作も読んでみたものの、ありふれた通俗的な小説だなあと感じるのみ。捜査を担当した刑事の一人称で綴られる短編というのがちょっと目を引く程度だ。

原作と映画の違いといえば、まず原作には明智小五郎とその妻・文代が登場しないこと。物語は前述の通り、刑事の一人称で語られる。
次にみや子と琴浦の関係に気付き、琴浦を強請ろうとする助手が原作には登場しないこと。
そして南田の殺害は原作では二人の共謀だが、映画では琴浦の単独での犯行であること。
更に原作では、南田の生前には二人は一線を越えていなかったということだろうか。

逆に言うと映画はこの最後の部分を大々的にアレンジし、かつ最大の売りにしているのだ。
宮地真緒は開巻すぐに全裸のベッドシーンを演じ、その後も何回も濃厚な絡みを見せてくれる。彼女のツンと張った形の良いおっぱいは、確かに鑑賞料金に見合ったものと納得する人も少なくないだろう(ちなみに下半身の露出は殆どないので、宣伝文句にあるような”一糸まとわぬ大胆演技”とは言い切れない)。

ただ「脱ぎ損」とまでは言わないが、映画は実に凡庸な仕上がり。
草野康太扮する明智小五郎は終始頼りなく全くといってよいほど活躍しないし、星野真里の明智文代はいわゆるドジっ娘属性に設定され、一貫してドタバタワーワーしているために、いつ周囲に正体がバレるんじゃないかと違う意味でハラハラさせられるし、最後は今まさに犯人が事件を隠ぺいしようとしてる現場に明智夫妻が乗り込んでしまうため、推理劇の要素も全くないのが残念だ。

結局のところ推理小説を映画化する、ミステリー映画を製作する、ということではなく、あくまで女優の裸をメインにした映画を作ることが目的なのだろうから、それ以上言っても詮無いことなのだろうが。

【ひとこと】
山田キヌヲが演じた歯科医助手も、物語をかき回してくれる存在だろうと期待していたが、途中退場してしまうので勿体ない。




by odin2099 | 2019-11-03 20:59 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_21353485.jpgこの作品を映画館に見に行き、「エピソード7」という文字を画面で目にした瞬間は、ある意味で「エピソード1」を最初に見た時以上の感慨に包まれた。

「エピソード1」は「いつになったら作られるんだ」というモヤモヤの中でも、「いつか見られるだろう」という楽観的な気持ちもあったのだけれども、公式に、大々的に「エピソード3で完結」宣言が出されちゃった以上、もう見ることは出来ないタイトルだろうと諦めていたからだ。

まあ実際は心の底のどこかで、シリーズ再開の可能性はゼロではないなという願望というか、強い信念みたいなものは燻り続けていたのだが、それでも本当に現実のものとなるとは。

しかし再三書いてきたように、世間一般では評判の悪い「エピソード1」以上に、自分にとってしっくりこなかったのがこの「エピソード7」だった。

まるで底の浅いシリーズのダイジェストを見せられた気分、とまでは流石に言わないまでも、目新しさは殆どなし。
映画館で久しぶりにスター・ウォーズが見られる!――という感激が薄れると、物足りなさばかりが目に付くようになってしまう。

続く「エピソード8」はシリーズの掟破り的な展開も見せ確かに”目新しさ”は感じ取れたが、我儘なものでそうなると今度は「スター・ウォーズの新作」としては拒絶反応が募るという泥沼状態。
正直言うと今度公開される”完結編”たる「エピソード9」へは不安しかないのだが、そんな戯言を払拭してくれるような堂々たる骨太の作品を見せて欲しいものである。

【ひとりごと】
この新たな三部作の存在意義は、ルーク、レイア、ハンといったかつてのヒーローたちを再び銀幕に呼び戻してくれたことのみ、と言ったら言い過ぎか?

<過去記事>



by odin2099 | 2019-11-03 08:02 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
未だにテレビシリーズは見てない「ニンニンジャー」ですが、この劇場版だけは何度も見てます。

お話がすっごく面白い!とか、お目当ての俳優さんが出てるから!
――といったのとはちょっと違った観賞動機からではありますが。

e0033570_10213456.jpgもちろんお話がすっげー詰まらなかったら何度も見直すのは苦痛ですし、山谷花純ちゃん可愛いなあというのも動機の内ですが(最初はモモニンジャー一択でしたが、段々とシロニンジャーの矢野優花ちゃんも可愛く思えてきました)、一番の注目ポイントはロケ地、もっと平たく言っちゃえばお城!

この映画の”主役”は「忍隠れ城」というお城なんですが、再三書いてるようにこのお城は彦根城、伊賀上野城、上田城、そして小田原城の4カ所(ついでに”東映城”こと太秦の撮影所も)を組み合わせて表現してるんですね、うん。

普通ならどっか一カ所で撮影し、それらしい雰囲気を出して終わり、となりそうなとこですが、何をトチ狂ったのか贅沢三昧。それぞれのお城って結構離れてますから移動だって大変だったことでしょう。
しかもこの4つのお城が目まぐるしくカット毎に入れ替わるという凝りよう。さっきまで上田城にいたのに、いつの間にか小田原城だ~!といった感じ。お城好きなら、今のショットがどこのお城で撮影されたかを探してみるのも楽しいと思います。

<過去記事>




by odin2099 | 2019-11-02 10:25 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
松坂桃李の最新作「蜜蜂と雷鳴」を見た後は、デビュー作である「侍戦隊シンケンジャー」の劇場版を。

e0033570_19434224.jpg今年は十年目の節目の年ということで何がしらの動きを期待してはみたものの、どうやら何もないまま終わりそうだ。

「忍風戦隊ハリケンジャー」、「特装戦隊デカレンジャー」、「炎神戦隊ゴーオンジャー」は10年後に続編が作られたが、「シンケンジャー」キャストは多忙を極めている者も多くスケジュール調整が難しいこと、それにこれらの続編は基本的にキャスト側から製作サイドにアプローチした結果実現したものだったので、キャストたちにそこまでの復活の機運がなかったのかもしれない。
松坂桃李自身は放送開始日に十年前を振り返ったTweetをしているが。

さて、十年後の今でもそのまま”殿”として十分に通用するルックスをキープしている松坂桃李だが、この二本の作品を比べると顕著なのが表情の豊かさ。
「シンケンジャー」はデビュー作だから固さもあったろうし、また役柄の上でも仏頂面が求められていただろうが、流石に今は余裕というか穏やかさが感じられる。むしろ当時よりもあどけなさを感じる場面も。

なので尚更のこと、円熟味を増した「志葉の殿」の姿をもう一度見たいものだが、実現までのハードルは相当高いのだろうな。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-10-28 19:46 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
映画はスーパースターMeekoのコンサートから始まる。
ロケ地は東京ドームシティアトラクションズのシアターGロッソ、<スーパー戦隊>の聖地。
実際に見に行ったことはないけれど、ヒーローショーもこんなノリで盛り上がっているのかな。
「後楽園ゆうえんちで僕と握手!」以来ずーっと気にはなっているんだが。

e0033570_21051641.jpgこの映画、<スーパー戦隊>初のミュージカル?!という触れ込みだったけど、坂本カントクが念頭においていたのは「ストリート・オブ・ファイヤー」「超時空要塞マクロス/愛、おぼえていますか」(あとは「メガゾーン23」に「トップガン」に「ロッキー」に「フラッシュダンス」だとか)。
確かに主人公たちが歌うシーンはあるものの、作品の中で歌が重要な位置を占めてるってことね。

例年通り「仮面ライダーウィザード」と二本立てで上映されたが、「キョウリュウジャー」単独興行の可能性もあったらしいし、またこの時点で「恐竜戦隊ジュウレンジャー」や「爆竜戦隊アバレンジャー」、先輩恐竜モチーフ戦隊との共演のアイディアもあったけれど、30分枠で収まりそうもないという理由から見送り。

その結果、後の<スーパー戦隊VSシリーズ>枠の「獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ/恐竜大決戦!さらば永遠の友よ」はキョウリュウジャーとゴーバスターズの共演のみならず、ジュウレンジャー、アバレンジャー、それに次回作トッキュウジャーと4つの戦隊が出てくる豪華版に。
ただ、これはこれで詰め込み過ぎだったかなあ、楽しかったけど。

ところでこの作品でレムネアを演じた桃瀬美咲は、昨年5月にホリプロを退社しちゃったそうだ。
そして現在は「安美咲」名義で活動を継続中らしいが、何があったんだろう。
今夏行われた「龍が如く」助演女優オーディションのファイナリスト10人に残ったものの、惜しくも落選。可愛いしアクションも出来るし、もっともっと活躍して欲しいんだけど…
坂本カントク~!

またキョウリュウピンク=アミィちゃんの今野鮎莉も、昨年7月一杯で引退しちゃったなあ。
本当にやりたいことが見つかったからとのことだけど、今は何をしているのやら。
今は一般人だから無理を承知で機会があればどっかで元気な姿を見せて欲しいもんだけど…
坂本カントク~!

気が付けばもう6年も前の作品だけど、他のキョウリュウジャーのメンバー(竜星涼、斉藤秀翼、金城大和、塩野瑛久、丸山敦史)は皆活躍中だし、中盤以降にセミレギュラーとして参加した飯豊まりえは若手女優ではトップクラスに大ブレイクといっても過言じゃない。
もっともっと「キョウリュウジャー」、愉しませて欲しいなぁ。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-10-25 21:15 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
<スカイウォーカー・サーガ>の完結編となる「スカイウォーカーの夜明け」公開まで、あと2カ月とちょっと。そろそろサーガの見直しも佳境へ入ってきました。
今回は、一時は<スター・ウォーズ・サーガ>の完結編の重責を担っていたエピソード6です。

最初にC-3POとR2-D2をジャバの元に送り込み、次いでレイアとチューバッカ、そして最後に自らが乗り込むなど着々と布石を打ってる我らがルーク。
まあ本人が最後に現れるのは、成長したルークの姿を観客にアピールしたかったからでしょうが、はたしてそれは成功したのかどうか。なんか行き当たりばったりの結果オーライな気がするのですが、どこまでルークは計算していたのでしょうね。

e0033570_19434028.jpgその後のダース・ベイダーや皇帝パルパティーンとの対決を見るにつけ、喧伝ほどルークは成長してるようにも見えませんし、フォースの能力の現れ方もマチマチなのも気になります(ランカーに止めを刺した扉のスイッチはフォースで押せなかったのかとか、イウォークの罠にかかった時に素早くライトセーバーを取り出せなかったのかとか)。
色々ありましたが、まあ基礎はオビ=ワンやヨーダが教えたものの殆ど独習に近かったであろうことを考えれば、ルークは凄かったのでしょう(「最後のジェダイ」を見る限り、やっぱり大した成長はしてないように見えますけどね)。

行き当たりばったりの結果オーライのルークをフォローしたのは、ハンやレイア、ランド、それに反乱同盟軍の仲間たち。これはチームワークの勝利ですね。
あとは不確定因子だったイウォーク族の存在。さしものパルパティーンも彼らの存在は知らなかったか、知っていても気にも留めなかったようですが、やっぱり偶然に偶然が重なった勝利だっただったのかしらん?
そして「策士策に溺れる」を正に地で行ったパルパティーンの自滅っぷり。
えーと、ルークの貢献度ってどのくらいだったんでしょうか。段々と可哀想になってきました。

それにしても本作のルーク(というかマーク・ハミル)の顔、安定してませんねえ。場面によって全然違う顔に見えます。
序盤だけ見ても、ジャバに対するメッセージ映像と、直後にジャバの宮殿に現れたルークの顔って別人じゃありませんか?

<過去記事>




by odin2099 | 2019-10-08 22:00 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_22114704.jpg沛国は敵対する炎国に領土の一部である境州を奪われたものの、今は同盟関係を結んでいる。だが兵たちは領土奪還を念願とし、対して王である沛良は同盟を守ることに固執していた。
そんな折、兵からの信頼も厚い都督・子虞は単身で炎国の将軍・楊蒼と手合わせを申し入れていた。その勝手な行動に激怒した沛良は子虞の職を解き、事を穏便に済ませるべく妹の青萍を楊蒼の息子・楊平に嫁がせ両国の結びつきを強化しようと画策する。
だがその子虞は実は影武者だったのだ。かつて楊蒼との戦いで受けた傷が元で病に倒れた子虞は、影武者を使って世間の目を欺き、密かに境州奪還の計略を練っていた。自由と引き換えに影武者は子虞、そしてその妻の小艾から楊蒼を倒す必殺の剣を学ぶのだったが…。

「グレートウォール」というよりは「HERO/英雄」「LOVERS」路線に近いチャン・イーモウ監督の古装片で、「三国志」のエピソードが元ネタになっているとのこと。
極力色を排した白黒映画のような画面はあたかも水墨画のようだし、竹のような強靭なしなやかさを持つ傘(”アンブレラソード”と呼ぶらしい)を使っての殺陣は斬新で、相変わらずアクションを含めて美しい画面を作る才は認めるのだが、肝心のお話は今ひとつ。

王は凡庸で暗愚、自意識だけが肥大化した典型的な二代目気質なのだが、対する都督も皆に慕われる文武両道の英雄という評判と裏腹に陰険な策謀家でどっちもどっち。
そして幼い頃に拾われた恩義を感じているという影武者は、何故そこまで都督に従順で忠誠を誓っているのだろうと不思議に思うほど。

まあこれは後半になって奥方である小艾への思慕故であることが明らかになり、死を覚悟した出撃の前夜に遂に二人は結ばれるのだが、それを予期していた子虞は二人の行為を覗き見しているという変態ぶりを発揮。それまでは曲がりなりにも仲睦まじい夫婦であっただろうが、それを知った後では一気に小艾の気持ちも醒めたかも。
これならば敵対する楊蒼、楊平親子の方がよほど英雄らしいし、青萍のじゃじゃ馬の跳ねっ帰り娘っぷりが一服の清涼剤のように感じられる。

劇中には再三「太陰太極図」が出てくるが、これは都督とその影武者だけでなく、都督と王、都督と楊将軍、あるいは都督と奥方、影武者と奥方など様々な人物を現しているのだろう。
しかしせっかく都督とその影武者をダン・チャオが一人二役で演じながら、そのあまりの変貌ぶりに二人が瓜二つには一度も見えなかったのは誤算だったのではないか。そして奥方を実生活ではダン・チャオ夫人であるスン・リーが演じているのも何やら下世話な興味をかきたてられるのみだ。



by odin2099 | 2019-10-01 22:15 |  映画感想<サ行> | Trackback(2) | Comments(2)
サーガも佳境に入ってきました。エピソード5「帝国の逆襲」です。
前作「新たなる希望」で文字通り”新たなる希望”になったルークですが、一部隊のリーダーにはなったっぽいもののまだまだ成長したとは言い難く、のっけから”年上の相棒”ハン・ソロのお世話になってばかりです。

e0033570_20202171.jpgまた前作ではルークがいてレイアがいて、そして出番少な目ながらも美味しいところを持って行く役回りだったハンがれっきとした主役チームの一員に。
3人組の中ではハリソン・フォードが誰よりもブレイクしましたね。

そして今回からもう一人、第四の男(?)ランド・カルリジアンが登場。
ここでは匂わせる程度だったハンとの因縁は、スピンオフ作品「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」で明らかになったわけですが、もしこの時以来の再会だったとしたら、ランドの塩対応も頷けるもの。世の中には色々と知らない方が良かったということがあるもんです。

そういえばこの作品、ヘルメットを取った状態のベイダー卿の姿がチラっと映るカットがあります。
後の「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」ではもう少しハッキリした描写がありましたが、師であるオビ=ワンとの対決がどのような結果をもたらしたのか、当時は色々と想像を膨らませたものでした。

今後の伏線になるのかなと思ったのが、ホスで雪原に倒れたルークがオビ=ワンの幻を見た後、それにオーバーラップするかのようにハンが現れたシーン。
オビ=ワンとハンに何らかの繋がりがあるのかなと邪推したのですが(一時はオビ=ワンの子供がハンだ、と推測してる人もいましたが)、結局何の関係もありませんでしたね。

あとダゴバの洞窟でルークが幻のベイダーと対決するシーン。
ルークが切り落としたベイダーの首のヘルメットの中から出て来たのはルークの顔だった、というのはいずれルークもベイダーのように暗黒面に囚われてしまうかもしれないという暗示なんでしょうが、実はこの意味が最初はわかりませんでした。
というのもベイダーのヘルメットから覗く顔がルークに見えなかったから、というのがその理由。
「え、これ誰の顔?」と劇場で首を捻ったものです。

ともあれルークの本当の父は誰か?
炭素冷凍されたハンの運命は?
レイアはルークとハン、どちらを選ぶのか?
様々な「?」を残しながら、次回作へと続くのでありました。

<過去記事>




by odin2099 | 2019-09-01 00:03 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)
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