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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

カテゴリ: 映画感想<タ行>( 318 )

幼い頃に父を失い、今度は母をも失い孤児となったトールキン。母の友人モーガン神父が後見人となり名門校へ入学したトールキンは、そこで3人の生涯の友と出会う。彼らは秘密クラブを結成し、芸術で世界を変えようと息巻くのだった。また時を同じくして美しく聡明な女性エディスと出会い恋に落ちるが、学業に悪影響を及ぼすと神父に交際を反対されてしまう。
何とか奨学生としてオックスフォードへ入学することが出来たトールキンが、言語の才能を認められた矢先に第一次世界大戦が勃発し、彼らは否応なく戦場へ送られてしまう。

e0033570_19075422.jpg「ホビットの冒険」や「指輪物語」で知られるJ・R・R・トールキンの半生を描いた物語で、脚本はデヴィッド・グリーソンとスティーヴン・ベレスフォードの共同、監督はドメ・カルコスキ。
出演はニコラス・ホルト、リリー・コリンズ、コルム・ミーニイ、デレク・ジャコビ、アンソニー・ボイル、パトリック・ギブソン、トム・グリン=カーニー、ハリー・ギルビー、アダム・ブレグマン、アルビー・マーバー、タイ・テナントら。

物語はトールキンが戦場で親友の行方を捜しているシーンから始まり、過去と現在(戦場)を交互に描く形で進行する。この戦場でトールキンに付き従う従卒の名前が”サム”なのには、思わずニヤリとさせられる。途中で病に倒れた彼を献身的に支えたのが、他ならぬこの”サム”だからだ。

そして物語の中心をなすのが、トールキンと3人の仲間たちとの友情。
最初は転入生に対するいじめで始まった彼らの交友だが、次第に兄弟以上の強い絆で結ばれてゆく。これが”旅の仲間”の原型になったと言いたい訳だ。

それにエディスとの愛。
これまた後の”中つ国”の物語群へ大きく影響を及ぼしていくことになるのだが、どちらも映画では表面的に流している感じで、トールキンの苦悩や葛藤はあまり浮き上がってはこない。映画全体もどちらかというと淡々とした印象を受ける。

端からファンタジー映画にはならないだろうとは思ったものの、トールキンの物語発想の原点であるとか、”中つ国”の物語と共通する何かの描写があるのかと期待していたが、それらは皆無。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」のビジュアルイメージを踏襲せず、肖りもしてないのはいっそ潔い。集客面を考えれば、それらの作品群の延長線上にあると思わせた方が得策ではないかと愚考する。

またファンタジー作品を愛好する者としては「ナルニア国物語」の著者であるC・S・ルイスとの友誼などにも触れて欲しかったのだが(あるいは二人に師事するダイアナ・ウィン・ジョーンズが出てきたり…?)、枝葉を切り取ったのだろう、キリが良いところ――「ホビットの冒険」の執筆を始めたところで幕を下ろす。

年譜などと照らし合わせると、実際のトールキンの生涯とはかなりの差異が認められるが、特に遺族からクレームが付いたという話も聞かないので家族からは黙認、そしてフィクションというか”映画的嘘”と割り切って愉しめと言うことなのかもしれない。
個人的にはもう少し長閑というか牧歌的な作品を想像していたのだが、繰り返し挟まれる戦場の風景のせいで、何やら戦争映画を見た気分に。
ということで些か期待外れの一本であった。



by odin2099 | 2019-09-06 06:05 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_19451311.jpgフランス人とカナック(ニューカレドニア人)のハーフである少女ディリリは、たった一人で船に密航しパリへとやって来た。
博覧会へ出演中に配達人の青年オレルと知り合いになり、彼によってパリに住む多くの有名人と知り合いになる。
その頃の街の話題は、少女を次々と誘拐していく<男性支配団>と名乗る謎の集団のこと。そしてディリリもまた彼らのターゲットにされてしまう。
持ち前の好奇心と行動力で遂にディリリとオレルは<男性支配団>の一味を捕まえることに成功するが、今度はディリリが誘拐されてしまう。

予告編を見た時から気になっていた作品です。
ベル・エポック時代のパリを舞台にした少女の冒険物語…と呼んでも良いでしょうか。
もっと長閑なお話なのかなと思いきや、意外にもハラハラドキドキの大活劇で、ミステリー物というか探偵小説的な愉しみも出来ます。

そして作品に登場し、ディリリと知り合う数多くの人々。
エマ・カルヴェ、サラ・ベルナール、オスカー・ワイルド、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、クロード・モネ、パブロ・ピカソ、エドモン・ロスタン、マリ・キュリー、クロード・ドビュッシー、マルセル・プルースト、モーリス・メーテルリンク、ギュスターヴ・エッフェル、ガブリエル・フォーレ、オーギュスト・ロダン、カミーユ・クローデル、エドワード7世、モーリス・ラヴェル、アンリ・マティス、ルイ・パスツール、アンリ・ルソー、ピエールーオーギュスト・ルノワール、アメデオ・モディリアーニ…と枚挙に暇がありません。

実のところ物語に大きく絡んでくるのはこの内の数人だけだし、また大半がオレルの知り合いで、しかも同時期にパリに滞在していたというのは出来過ぎですが、それを言うのはヤボというもの。
実際のパリの写真を背景に使うなど、アニメーションの作り方もユニークで、美しい色彩、美しい音楽に囲まれたひと時の極上体験を是非にも。



by odin2099 | 2019-08-26 19:47 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
大人気のゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズを題材にした初の映画化作品で、シリーズの中から「ドラゴンクエストV/天空の花嫁」のストーリーを元に、シリーズの生みの親である堀井雄二が原作・監修を務め、八木竜一と花房真が共同監督、そして脚本・総監督は山崎貴が担当。音楽はもちろんすぎやまこういち。
ヴォイスキャストは 佐藤健、有村架純、波瑠、坂口健太郎、山田孝之、ケンドーコバヤシ、安田顕、古田新太、松尾スズキ、山寺宏一、井浦新、賀来千香子、吉田鋼太郎ら。

e0033570_10262508.jpg「ドラゴンクエスト」はプレイしたことがなく、どんなお話なのかも知らなかったのだが、日本のRPG、そしてファンタジー物を代表する作品だから、という軽い気持ちで鑑賞。
それに、実際に映画を見たゲームファンがこぞって不満をぶちまけていたので、へー、そうなの、という下司な興味もあって映画館へ足を運んだ。

それともう一つ、かつて「ドラゴンクエストV/天空の花嫁」のノベライズを担当した久美沙織から訴訟を起こされたことも下世話な興味をかきたてた。
なんでも本来ゲーム版の主人公には名前がなかったのに、この映画版では小説版オリジナルの名前が勝手に使われたのだ、という。
別に映画上映の中止とかDVD等の販売中止を望んでるわけではなく、きちんと使用許可を求め自分の名前をクレジットしろと求めているとのことで、これは映画の製作サイドの落ち度だろう。

ということで手探りで見始めた映画版、”選ばれし者”であるらしい少年が神秘の剣を手に入れ、世界を救うための冒険を続け乍ら成長していく、のかと思っていたら、途中で二人の美女と出会ってどっちを選ぼうか迷ったり、自分は勇者なんかじゃないと自己否定し続けていてやっとその気になったら、実は”選ばれし者”は息子の方で、親子二代じゃなく三代に亘る冒険譚だったと肩透かしをくらったりと、シリアスなお話じゃなくて基本はコメディなんですな。

まあ絵は綺麗だし、今まできちんと聴いたことはなかったけど耳に馴染みのあるメロディが流れてくるし、如何にもダイジェスト映画でございとばかりにサクサクお話が進んでいくのも「ま、仕方ないか」と感じつつも見て行くと、いよいよ物語は佳境へ。
決め手となるアイテムを駆使し、クライシスをやっとの思いで回避してメデタシメデタシと思いきや、そうか、ここかー!

こりゃゲーマーは怒るわな。

映画は一気にメタフィクションに突入。
これはプレイヤーがVRで体験してるゲームの中の世界でした。
ゲームなんてくだらない、そんなものやってないで早く現実世界に戻りなさい。
――おおきなお世話だよね。

せっかくファンタジー世界で愉しく遊んでるのに、最後の最後でこんなこと言わなくてもいいんじゃないの?
「オレは”ドラクエ”の映画が見たかったんだ~!」という、至極真っ当な期待には応えなくていいの?

一応は「ゲームをプレイしていた時間は無駄じゃない」「ゲームの世界で確かに自分は生きていた」とゲーマーを肯定する結論を出し、ただのマスコットキャラかと思われたスライムが本当はアンチウィルスだった、ということでゲーム世界は復活。主人公も見事にハッピーエンドを迎えるものの、ゲームをクリアしてしまえば現実世界に戻らなければいけなくなる、として本当のラストは見せない、という終わり方。

うーん、これで良かったのかねえ。

【ひとこと】
フローラ姫、出番あれだけ?
てっきり最終決戦でリュカに加勢するもんだとばかり…。



by odin2099 | 2019-08-12 10:28 |  映画感想<タ行> | Trackback(2) | Comments(2)
つい先日見直したような気になっていたんですが、気が付くと10年前?!
どっかでタイムワープしたかな?

e0033570_19363323.jpgっつーわけで(どういうわけ?)「帝都物語」です。

始まってすぐ、何が何やらわからんうちに「加藤が来るぞー!」と大騒ぎ。
のっけから怒涛の展開です。

そして誰が誰やらわからない、虚実取り混ぜての人物の洪水。
渋沢栄一、寺田寅彦、今和次郎、泉鏡花、早川徳次、森鴎外、織田完之、西村真琴、幸田露伴あたりは近現代史を勉強し、その為人を知ってる方がより愉しめるんでしょうか。
それとも「あの人がそんなことするわけないじゃん」と呆れるんでしょうか。

時代の移り変わりが早いのも混乱に拍車をかけてますね。
実際は映画の冒頭からラストまでで概ね20年の歳月が流れます。
ただ特に女性の場合は老けメイクを施したりしてませんので、時間の経過はわかりづらくなってます。
辰宮洋一郎などは終盤では白髪を蓄えてますが、泉鏡花は全く変わらないですしねえ。

e0033570_19364761.jpgまた一見「アクション映画」風の宣伝がされてますけど、「加藤と戦う」言ってる割に登場人物にアクション向きの人物がいないので、基本ロクな戦いをしません。
せいぜい辰宮恵子と加藤が念を飛ばしあってる程度。
派手な格闘シーンはいりませんが、もう少し舞踊のような形で「魅せる殺陣」が欲しかったです。

とはいうものの、やはり力の入った超大作。見応えは十分です。
現在のテクノロジーでリメイクしても面白いかなと思うのですが、表面だけなぞった薄っぺらい作品になってしまうでしょうかね。

ところで最初に見た時は辰宮雪子と母・由佳理、それに伯父である洋一郎の関係がよくわからず混乱していたのですが、今じゃ兄妹相姦ってフィクションの世界じゃ珍しくもなんともありませんね。

そして加藤が由佳理に<偃王の魔術>を施すシーン、直接的な描写は抑えめですが、演じている嶋田久作と姿晴香の表情はなかなかヤバいものがあります。
まあ実際に凌辱するシーンを入れてしまったら、一般映画としての公開は難しかったろうと思いますが。

【ひとりごと】
劇中で加藤保憲は自らを「安倍晴明の末裔」と称していたようですが、敵対する平井保昌も土御門家一門の総帥。
土御門家も遡れば晴明に連なるわけで、実はこの物語、本家と分家の争いだった?

<過去記事>



by odin2099 | 2019-08-05 19:40 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
シリーズの新作が来ると、旧作のお浚いが忙しい。
もうすっかり忘れちゃってるもんなあ。
で、今度は「ターミネーター」、秋に新作やってきます。

テレビドラマやアニメ版を除いても、劇場版がこれまで5本。
ややこしいのは1作目と2作目のみが正典で、後はみんな番外編みたいな扱いになっちゃってる点。
4作目が作られた時は3作目が否定され、5作目は4作目を否定し(というか1・2作目も否定してる感じ)と、新作が出る度にリセットされていて、御多分に漏れず今度の新作も「新たな3作目」というスタンス。どっかできちんと整理をして欲しいもんですが、今後も行き当たりばったりでシリーズは続いていくんでしょうか。

さて、そんなシリーズの原点、第1作は見事に低予算B級SFアクション映画になってます。
皮膚が破れ内部のメカが剥き出しになるターミネーターも、よくよく見ると(よくよく見なくても)かなーりチャチな作り。
それでもアイディア勝負と見せ方の工夫で、それを補って余りあるほどの娯楽作品になっています。

e0033570_19551455.jpgB級映画らしいのはお色気サービスにも表れてます。
そもそもタイムスリップが全裸でなければ行えないという設定がイカれてます。
そのためシュワルツェネッガーもマイケル・ビーンも初登場時は全裸。
シュワちゃんは何やらブラブラさせてるのが見えちゃったりしますが、女性ファンは喜んだのかなあ(あ、一部の男性ファンが喜んだのか?)。

男性ファン向けにはリンダ・ハミルトンが頑張っています。
終盤はノーブラでシャツを着てるので何故か胸元にポッチが見えるのですが、その後はマイケル・ビーンとのベッドシーンでバストトップを披露。やっぱりこうでなくっちゃ(でもそれ以上のサービスショットはなし…)。

ただ当初はカイル・リース役をオファーされていたのはシュワちゃんだったので、これが彼とリンダ・ハミルトンとの絡みだったら、なんか作品のトーンが違って見えてきそうですけどね。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-08-02 19:58 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
ガメラ/大怪獣空中決戦」、「ガメラ2/レギオン襲来」に続く<平成ガメラ>三部作の完結編。
1作目が怪獣映画、2作目が戦争映画とすると、この3作目は伝奇モノ?
三部作と一括りにされ、SF映画としても評価されているこの<平成ガメラ>だが、実は一作一作はかなりバラエティに富んでおり、改めて20世紀の終わりを飾るに相応しい作品群だったのだなあと思う。

e0033570_21253825.jpg公開から既に20年を経ているが、クライマックスが古都京都に設定され、更にガメラとイリスの最終決戦が、まだオープンしたばかりだった京都駅ビルを舞台に行われるせいか、ビジュアル面でも古さを感じさせない。
この作品に続く「ガメラ」がなかなか作られないこともあって、今なお現役感が漂っている。

ただ物語上のマイナス面として、メイン格の登場人物が多すぎて散漫な印象を与えてしまうのは、以前指摘した通り。
中でも勿体ないなあと思うのが、山咲千里扮する”謎の美女”朝倉美都。
古から代々続く巫女の末裔といった役どころだが、彼女が本当にイリスと関係を持ってたのかが不明なので完全に浮いているのだ。

平たく言えば、ヒロイズムに酔い痴れてるだけの勘違いオバサン(失礼!)にしか見えない。彼女と、結果的にイリスと融合することになった少女・綾奈との確執というか対抗意識みたいなものがもっと前面に出たならば、もう少し盛り上がり方も違ったように思う。
もっともそれが”怪獣映画”に求められる盛り上がり方かというと、些か疑問ではあるが。

この6年後の2006年には続編ではなく仕切り直しの映画「小さき勇者たち/ガメラ」が公開され、また2015年には「ガメラ生誕50周年記念」として、新作映画のパイロットフィルムを思わせる映像がWeb上で発表されたりもしたが、その後は音沙汰なし。
来年は生誕55周年、そろそろ新しいガメラをスクリーンで見たいものだ。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-07-25 21:31 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
イオン・プロ製作の<ジェームズ・ボンド>シリーズの第4弾。

イアン・フレミングは映画用のストーリーをケヴィン・マクローリーやジャック・ウィッティンガムらと考案。その後ウィッテンガムが執筆した脚本を無断で小説化したことで裁判沙汰に。それがこの「サンダーボール作戦」。
これは後々までシリーズに影を落とすことになる。

さて、今回はプールに海にと水中撮影がメイン。
正直言って水の中でのアクションはモタモタしているし、おまけにそこに流れるBGM(通称”007”と呼ばれる曲)もわざわざスローアレンジ。
シリーズの中では割と長めの上映時間だが、ここをもう少しテンポ良く刈り込めればもっと面白くなったのでは?と思う。

e0033570_21561012.jpgボンドガールは充実。
序盤だけの登場乍らボンドとのラブシーンが印象的な看護婦役のモリー・ピータース、ボンド殺害の命を受けたセクシー悪女のルチアナ・パルツィ、中盤から登場するボンドの助手マルティーヌ・ベズウィックは短い出番であっけなく退場してしまうのが勿体ないし、正ヒロインとなるクロディーヌ・オージュは可憐でありながら時折妖艶さを感じさせる、といった具合。

全裸のはずのルチアナ・パルツィが、バスタオルを巻きながらバスタブから出てくると何故かパンツを穿いているという不自然さはあるものの、最初にボンドとベッドを共にするモリー・ピータース共々上品なヌードシーンと言えよう。
クロディーヌ・オージュも度々抜群の水着姿を披露してくれるし、眼福眼福。

さて現在はシリーズ25作目を撮影中だが、ジェームズ・ボンドは引退。代わって黒人女性のラシャーナ・リンチ演じる新キャラクターがコードネーム”007”を襲名していることが明らかにされ、色々と物議を醸している。

”007=ジェームズ・ボンド”は白人のイギリス人男性であるべきだと思うが、”007”そのものはコードネーム。
ボンド不在であれば誰が名乗っても構わないと思うのだが、古くからの根強いファンの多いシリーズのこと、抵抗感は大きいようだ。

そういえばこの作品に00エージェントが勢ぞろいする場面があったが、中には女性もいたなあ。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-07-19 22:02 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
このプログラムの公開が1973年の7月18日だということを知り、1984年夏に続いてこちらも見返してみることに。

マジンガーZ対デビルマン」、「仮面ライダーV3対デストロン怪人」の2本の新作映画をメインに、「ロボット刑事」、「キカイダー01」、「バビル2世/赤ちゃんは超能力者」、「魔法使いサリー」の豪華6本立て。TVエピソードそのままでも、こりゃ当時の子どもたちを黙らせるだけのキラーコンテンツですね。

e0033570_20390533.jpg「ロボット刑事」は実はTVエピソードそのまんまじゃなく、再編集のダイジェスト。野田圭一の軽快なナレーションにのせて、作品世界を端的に紹介していきます。
千葉治郎(矢吹二郎)扮する新條刑事の兄を演じているのは、その実兄の千葉真一、なんていうマメ知識まで盛り込まれてますね。千葉真一と千葉治郎が兄弟というのは、現役視聴者世代にも割と浸透してたように記憶してますけど。

「魔法使いサリー」は女の子向け作品をラインナップに加えようという判断でしょうが、放送が終わって4年近く経ってる作品が何故選ばれたのでしょうか(そしてこの回、徹底的にすみれちゃんがギャグ要員になってます。美少女なのに可哀想)。

丁度”魔法少女”モノは小休止の時期だったので、直近の「魔法使いチャッピー」終了からも半年以上経ってるし、72年夏の<まんがまつり>で上映してるからというのもあったのかも知れませんが、「サリー」が劇場にかかるのは4作品目なんですがねえ。
今だ衰えていなかった人気と知名度、なのかしらん? 

ちなみに73年春は5回目の登板となる「ひみつのアッコちゃん」が選ばれてますので、作品選定の苦労がしのばれます。
その前年、前々年は順当に(?)「魔法のマコちゃん」や「さるとびエッちゃん」が劇場に掛りました。

「キカイダー01」は第1話。お話は発端だけで終ってしまい”次へ続く”なので、見てるとフラストレーションが溜まります。
おまけにエンディング映像には3話から登場するキカイダーも映ってますから、ダブルキカイダーを見せろ!という気分にもなっちゃいます。

「バビル2世」は2本目の劇場公開版なのでサブタイトル付。
浩一と同等の超能力を持つ赤ん坊が登場。その能力をヨミに悪用され、浩一が重傷を負ったタイミングで操られたロプロスとポセイドンがバビルの塔を襲撃する、という娯楽編です。
この「バビル2世」こそ「魔法使いチャッピー」の後番組で、その「バビル」の後番組が「ミラクル少女リミットちゃん」、「魔女っ子メグちゃん」と続いていきますので、”魔法少女”不在はバビルのせい?

リアルタイム視聴世代で、このタイトルにワクワクしない子供なんていないんじゃないの?というぐらいにインパクトある作品が、しかも2本!これはズルい。

同時期公開のライバル番組<東宝チャンピオンまつり>はというと、「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」、「
レインボーマン」、「ウルトラマンタロウ」、「科学忍者隊ガッチャマン」、「おもちゃ屋ケンちゃん」、「山ねずみロッキーチャック」という番組構成だったので、自分なら迷いながらも<まんがまつり>を選ぶでしょうなあ。
あ、上映期間は微妙にずれているので、映画館で激突したわけではなさそうです。また自分はどっちも見に行けませんでした。

従来の<まんがまつり>は”世界名作物”的な新作の長尺アニメ作品がメインで、これにTV番組を数本加えるというパターンが多く、「仮面ライダー」が登場して以降はTVヒーローの新作映画も作られるようになってきましたが、所謂”名作物”抜きでTVヒーローの新作(しかも長尺!)2本がメインとなるのは<まんがまつり>史上初めて。
この”名作物”を邪魔に感じる子どもたちも少なくなかったと思われますので、東映としても賭けだったと思いますが、まずは成功と言えそうです。80年代に入ると”名作物”は激減し、やがてなくなります。

「Z対デビルマン」は何度見てもワイドスクリーンを大胆に活用した演出に唸らされますし、「V3」はアクションの派手さ…は今の方が上かもしれませんが、独特の間や外連味は魅力的です。
大言壮語してるだけのデビルマンが弱すぎるとか、四国へ急ぐんなら20時間もかけてのんびり「さんふらわ」号なんかに乗ってないで、飛行機で行けば3時間ぐらいで着くんじゃないのとかツッコミたいところは多々ありますが、日本のヒーロー映画史上、欠くべからざる傑作と断言します。

しかしこの6本を見ると3時間近く。途中で2回くらい休憩が入ったと思いますが、昔の子どもたちは今よりも我慢強かったというか、画面に集中出来たのかなあ。
ま、走り出すやつが一人か二人はいたものですが。

<過去記事>



by odin2099 | 2019-07-18 20:45 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
1984年の今日、7月14日が公開日だったというTweetを見かけ、何故か義務感にかられて引っ張り出してきました。
1984年夏の<東映まんがまつり>を丸ごとパッケージした1枚です。

e0033570_23183061.jpg収録されているのは「超電子バイオマン」、「Theかぼちゃワイン」、「宇宙刑事シャイダー」、「キン肉マン」の4本。
70年代の5本立て6本立てが当たり前だった時代を知っていると物足りなくも感じますが、いずれも劇場用新作でテレビ本編と同様かそれ以上の尺を貰っていますので、一本一本のボリュームは増えていると言っても良いでしょう。
ちなみに当時、「シャイダー」にはちょっと興味があったんですが、劇場には見に行ってません。

「超電子バイオマン」は25分枠で放送されていた番組ですが、上映時間は45分。テレビシリーズの優に2話分です。
新帝国ギア側のメンバーに増員があり、劇場版ならではの工夫を凝らした新怪人(メカジャイガン)が出てきたり、テレビ以上にバイオマンたちも素面の状態で派手なアクションやらされたりと気合の入り方が違いますね。
ただ時間の使い方をスタッフがよく理解していなかったのか、それとも予算やスケジュールの都合なのか、せっかくの長尺を持て余し気味でもあります。ライブフィルムも大量に流用され、水増しされてる感もあるのがちょっと残念です。

そういえば先日、Japan Expo2019にバイオマンのメンバーが参加したとのリポートが。
今でもフランスで大人気とは凄いもんです。

「The♥かぼちゃワイン」「ニタの愛情物語」というサブタイトル付。この作品のみ今回初見です。
約2年間放送されたテレビアニメも、そろそろ終了という時期に作られた新作映画で、おそらく番外編的なエピソードなのでしょう。
チビの男の子とLサイズの女の子のラブコメディ、ということぐらいしか知らないのですが、えー、二人って中学生なの?! 不良高校生に捕まってエルちゃんがあわや貞操の危機!なんてシチュエーション、今じゃ地上波のゴールデンでは放送出来ないかもですなあ。

「宇宙刑事シャイダー」はここのところ毎年のように見直してますが、意外と飽きません。
”流れ星のガンマン”オメガはかつてギャバンとシャリバンに挑戦して敗れ、今度は標的をシャイダーに変更。いちいち「アレがなかった」「コレを装備してなかった」と負けた言い訳ばかりなので、デザインは強そうでもちっとも強敵に見えないのが玉に瑕です。
シャイダーの前にギャバンやシャリバンにリターンマッチを挑めよ、てなもんです。

それにしても当時の人気は「シャイダー>バイオマン」だったように思うのですが、それなら「バイオマン」ではなく「シャイダー」を長尺にしてメイン扱いにしても良かったんじゃないのかなあと思うのですが…。

80年代の<まんがまつり>を支えることになる「キン肉マン」はこれが劇場版第一作。「奪われたチャンピオンベルト」というサブタイトルがあるようですが、劇中には出てきません。
強大な敵、絶対的な危機に主人公と”真の友情”で結ばれた仲間の戦士たちが集まり、困難に対処する際にわが身を犠牲にし、一人一人と消えていく、というパターンは後の「聖闘士星矢」などでも踏襲した黄金パターンで、それが既に確立されています。
個人的には、キン肉マンというキャラクターがどうしても好きになれないので、せっかくの盛り上がるシーンにも付いて行けないのですが、ギャグシーンが多すぎるもののヒーロー物としては王道の物語で、ファンは愉しめたんじゃないかなあと思います。

それにしても、もっともっとソフト化して欲しい<まんがまつり>はあるんですが、やはり権利関係と売り上げがネックなんですかねえ。



by odin2099 | 2019-07-14 23:22 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_21555158.jpgバラエティ番組のレポーターとして葉子はウズベキスタンにいた。
思うような画が撮れず、また現地人の気質に翻弄されるスタッフたちだったが、彼女は淡々と与えられた仕事をこなすだけ。スタッフとも現地人ともコミュニケートを取らず、美しい風景に目を留めることもなく、仕事が終われば彼とLINEで連絡を取るだけの毎日だった。

葉子の目標は歌手になることで、帰国後はミュージカルのオーディションを受けることが決まっていたが、今の自分と理想とのギャップに悩んでもいたのだ。
そんな葉子だったが、一人で繰り出した街での出来事を切っ掛けに、少しずつ彼女の中で何かが変わろうとしていた。

前田敦子って凄い女優だなと思いながら見ていた。
劇中ではこれといった大きな事件も起きず、他に出てくるのはカメラマン役の加瀬亮、ディレクター役の染谷将太、AD役の柄本時生、通訳兼コーディネーター役のアディズ・ラジャボフぐらいで、ほぼ彼女だけが全編出ずっぱりなのだが、その圧倒的な存在感。

e0033570_21560105.jpg正直言うと彼女が劇中で何度か「愛の讃歌」を歌うシーンは、そこだけ急にミュージカル映画風になるので「なんじゃらほい」と思わないでもなかったが、夢は夢で持っていて、一方では現実的に目の前の(意にそぐわない)仕事も割り切ってやる”プロフェッショナル”な部分と、途中で恋人の安否を気に掛ける”少女”の部分とのギャップも含め、実際に自分も彼女に同道してロケに参加しているかのような臨場感を味わった。

劇中で体当たりレポートに挑戦する葉子のように、もはやアイドル出身女優ではない前田敦子に脱帽。

【ひとりごと】
劇中でスマホをいじる前田敦子の指使いの速さに驚く。
若い人はあれくらいのスピード、当たり前なんだろうなあ…。




by odin2099 | 2019-06-23 22:01 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)
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