カテゴリ: 映画感想<ヤ行>( 33 )
これまたテレビ番組の再編集か。

確かに聞いたこともない事件の、見たこともない映像が出てくるという点では興味深い。
数年から二十数年前といった比較的新しい事件が多いし、当事者や関係者のインタビューも少なくはない。
ただ相変わらず「見たい絵」は見せてくれないし、ナレーターや番組ホストががなりたてるだけで進行してしまう。
字幕を追うだけで一苦労だし、単調なのでついつい睡魔に襲われる。
作品の方向性はやや違うとはいえ、かつて矢追純一が手掛けた番組が如何に見せ方(と、視聴者の興味の引っ張り方)が上手かったかを実感させられる。
真実を追求しようという真摯な態度は買うが、それだけでは見世物小屋に客は来ないのだ。

リアルに描かれた京都の名所案内も愉しめる、劇場版「名探偵コナン」シリーズの7作目。
今回コナンはちょっと脇へ回り、親友でライバルの服部平次が実質的な主人公に。
平次の幼馴染の遠山和葉も、平次をサポートして大活躍を見せる。
コナンはコナンで、灰原哀の作った薬で一時的に工藤新一の姿に戻り、平次と和葉のピンチを救い、毛利蘭ともつかの間の再会を果たすなどしっかりと見せ場は用意されている。
あっちが「コナン・ザ・グレート」ならば、こっちは「レッド・ソニア」のあやかり作品なのかな。30年ぶりくらいの再鑑賞。

カット・シア・ルーベン監督って元々女優だったのか。
音楽はジェームズ・ホーナーとクリストファー・ヤング。
主人公もその仲間たちも皆美人だし、おまけに結構強いんだけど、結局は悪者に捕まって裸にされて拷問されてレイプされちゃうのが見せ場と言えば見せ場。
他にも剣闘士たちの夜のお相手をさせられる美女たちもいっぱい出てくるけれど、全ては無粋なモザイクの向こう側。
ただキャラ設定にはちょいと捻りが加えられていたり、アクションシーンはそれなりに見られるものになっているので75分は退屈しない。
それなりに人気もあったのだろう、続編も作られている。
あ~あ、国内版のDVD出ないかなあ。もちろん<無修正版>で。
それともケーブルテレビなどで放送された特番か、あるいはビデオ発売を目的にしたものなのかもしれませんけれど、よく日本での劇場公開にこぎ着けたものです。

近々Part2も公開される予定ですが、さて、どうしようかなあ。
【ひとりごと】
ヒル夫妻の姪が研究者になっているのは知りませんでした。
おまけに自身もアブダクションの体験者だとか。
これが事実だとしても、こういうのって事件の信憑性を貶めてしまいかねない気もします。

ストーリーやキャラクター設計に一捻りあるのには感心するのだが、伏線も何もなし。
これじゃあせっかくクイズを出しても、相手に考える間も与えずすぐに答えを言っちゃってる感じで実に勿体ない。
それでもそこそこ儲けは出たのだろう。
全4作のシリーズ物になったのだからオドロキだ。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/13786630/
そこで劇場で音楽を生演奏したり、効果音を即興で入れたりと様々な試みがなされたが、ついにトーキー映画が誕生。
その後、”音”――台詞、効果音、音楽…それらの重要性は映画の製作過程の中で増していき、その表現の方法、手段も日々進化し続けている。

各々の作品製作の裏話的な楽しみ方も出来るが、やや大げさに言うとこれを見ることによって今後の映画の見方が大きく変わるかも知れない、そんな一本である。
その結果、患者である女子大生・照子と肉体関係があり、しかも彼女は最近遠藤と同じ下宿へ越してきたことを突き止める。
その下宿には、かつてとある事件で心に傷を負った青年・郷田も住んでいた。彼は屋根裏に潜み他の部屋を覗き見ることを愉しみにしていたが、そこで遠藤に獣のように犯される照子の姿を目撃。事件の記憶を呼び覚まされてしまう。
やがて遠藤の死体が発見され、密室であったため不貞がばれたことによる自殺と警察は判断するが、明智は何か釈然としないものを感じていた。

大内照子役に木嶋のりこ(小原徳子)、黒木直子役に間宮夕貴(桝田幸希)を配したW主演で、脚本・監督は3作全てを手掛けている窪田将治。
明智小五郎役も前作、前々作同様に草野康太、浪越警部も前作からスライドの近藤芳正だが、文代はこれが3人目となる松本若菜、そして”屋根裏の散歩者”郷田三郎にはこれまた河合龍之介が前作より続投。
「屋根裏の散歩者」は実相寺昭雄監督の映画版を見ている程度だが、真犯人や犯罪の手口はおそらく原作を踏襲しているのだろうが、殺害される相手や動機はオリジナルの設定だろう。
そもそも物語自体が「D坂の殺人事件」の続編の意味合いが色濃く出ているので、自然と別物にならざるを得ない。
それにしても<江戸川乱歩エロティックシリーズ>だけあって、のっけから木嶋のりこと間宮夕貴がヘアヌードを見せる大熱演。
何度となくベッドシーンも登場(イメージショットでは3Pも!)し、彼女たちのお相手となる淵上泰史が羨ましい限りだが、しかし男性側も前貼りなしで撮影に臨んだそうなので、それはそれでキツイ現場だっただろう。
ちなみにDVDの特典であるメイキング映像には、そんな彼女たちの”艶技”も収められているがこれは異例のことだろう。生々しくも、役と素のギャップが面白くもある一見の価値ありのお宝映像だと思う。
最後に”締め”として出てくる明智探偵の台詞というか推理が、些か的外れでモヤモヤが残るものの前作よりは綺麗にまとまっている一篇。


