【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

カテゴリ: 映画感想<ラ行>( 123 )

e0033570_19263659.jpg続編シリーズで初めてタイトルにナンバリングがされない「ロッキー」シリーズの完結編。
もう一つ違うのは、これまでの続編と違って前作のラストに直結しておらず、時間経過が置かれていること。なのでオープニングも、前作のクライマックスであるファイトシーンでは始まらない。
もっとも前作でロッキーはボクサーを引退し、最後もリング上ではなくストリートファイトだったので、これを冒頭に持って来られても盛り上がらないとは思うが。

ロッキーが現役復帰するというストーリーを聞いた時はジョークかと思ったものだが、作品はその予想を覆す出来栄え。
現役復帰を決意する過程が弱いとは思うものの、妻亡き後、疎遠になっている息子との和解を絡め、そして街の人々に支えられてリングに上がるロッキーには素直に快哉を叫びたい。
そしてこれは”大人のおとぎ話”なんだと割り切って、判定に敗れたとはいえ最終ラウンドまで現役チャンピオンと戦い抜いたロッキーの姿に、叶わぬまでもせめてもの”己の見果てぬ夢”を投影したいと思うのだ。

これにてロッキー自身の物語には綺麗に終止符が打たれたが、この世界はまだまだ英雄を必要としているようだ。今度こそ蛇足だと思われたスピンオフ世界に蘇ったロッキーは、また見事な存在感を見せてくれているのだが、それはまた別の話――。

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by odin2099 | 2019-01-15 19:28 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
ランボー」、「ランボー/怒りの脱出」に続くシリーズ第3弾。

ベトナム帰還兵の悲哀を描いた前2作と異なり、今回のランボーはソ連のアフガン支配を打破するべく戦場に赴く。
といってもランボーは勿論自ら進んで15万人のソ連軍を相手にしにいくのではない。そこはソ連軍に拉致されたトラウトマン大佐を救出するため、というエクスキューズが用意されている。

e0033570_20243882.jpgスタローンは演技派ではないだろうが、同じアクションヒーローに分類されるロッキーとランボーとでは、きっちりとキャラクターを演じ分けている。
どちらも圧倒的な強さを持っているのではなく、耐えに耐えて逆転というパターンは踏襲。これはキャラクターに人間味を持たせるためのテクニックの一つだろう。

ロッキーはKO寸前(あるいはKOされた後の再戦)、ランボーは拷問や虐待に耐えての反撃がお約束だが今回のランボーは拷問されるシーンがなく、代わりに痛めつけられるのはトラウトマン。その後の二人の脱出行では、流石にランボーを鍛えた男だけのことはある、という活躍を見せてくれるので、後半は”ワンマンアーミー”の代名詞ランボーには珍しくバディ物の雰囲気が漂う。

そのクライマックスは荒唐無稽を通り越してもはやファンタジー。悪いソ連をぶっ潰せ!強いアメリカ万歳!と叫び、拳を握りしめ画面を凝視するのみ。
ただ公開のタイミングが悪く、現実世界では映画の公開直前にソ連軍が撤退。
そしてソ連崩壊、タリバーンの台頭へと繋がっていく。
もしもう少し早く公開されていたらシリーズ最高成績も望めたかも。



by odin2099 | 2019-01-08 20:29 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
「ロッキー」シリーズ2回目の完結編。
前作同様に今はサブタイトルは省かれるケースが多い。

ロッキーは最初から視力に致命的な弱点を抱えているという設定があったものの、前作ではそのことに全く触れられずに米ソ戦を戦う完全無欠のスーパーヒーローとしてスクリーンに君臨していた。
本作でのロッキーは前作での対ドラゴ戦でパンチドランカーの症状が出始めているということで、再度の引退を決意、結果そのまま一度もリングに上がることがない、という異色作。

e0033570_21152345.jpgそのロッキーの前に若く才能のあるボクサー、トミー・ガンが現れ、ロッキーは自分の夢を託し二人三脚で再び脚光を浴びるが、一方で息子との関係が悪化してしまう。
また勝利を重ねることで謙虚さや従順さを失ったトミーはロッキーの元を去り、そのことでロッキーは改めて息子と向き合うという、二重の「父と息子の物語」となっている。

このトミーの豹変ぶりが実にわかりやすいのだが、クライマックスでロッキーとの師弟対決を期待した観客に肩透かしを食らわせ、ストリートファイトで決着をつけたのは反則だろう。しかしリングに上がらせなかったのは評価したい。といっても次回作でロッキーは再びリングに上がってしまうのだが。

トミー・ガンを演じたトミー・モリソン自身は役柄をなぞる様な境遇の新進気鋭のプロボクサーだったが、その後はHIV検査で陽性反応を示し、更に武器の密輸や薬物等で転落人生を送った挙句に若くして亡くなっている。ストリートファイトに敗れたトミー・ガンの方はどうなったのだろうか。そのまま引退を余儀なくされたのか、それともヒールとしてそこそこの戦績を収めたのか。そちらも二人のトミーが重なって見える。

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by odin2099 | 2019-01-07 21:16 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
私事ですが、40年前の大晦日にこの映画、見に行ってます。
SF風味なのに若干の違和感を覚え、中盤でのルパンファミリーの仲違いのあたりで多少だれたりもしましたが、総じて面白かったなという印象でした。
色々と物議を醸したらしい「ルパン音頭」も、自分は結構気に入ってます。

e0033570_16324201.jpgキャラクターデザインが放送中だったTVシリーズとは全然違いますけれど、これはこれで味があって良いと思いますし、TV以上に弾けてる不二子ちゃんはお気に入り。
「カリ城」の不二子はちっとも不二子らしくないですが、この作品では”小悪魔”通り越して”悪女”、正にファムファタールという感じで、ルパンならずとも引き込まれそう。何度か不二子ちゃんがヌードを披露してくれる場面が用意されていますが、今は制約もあってここまでやれないかなあ。

山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗と全盛期のキャスト陣は実に生き生きとしており、やはりルパンはこうじゃなければなあと改めて感じさせてくれます。
ゲストで本職でない人も出てきますが、経験者の西村晃は全く問題ないですし、三波春夫は流石の貫録を見せてくれます。まあ問題ありなのは赤塚不二夫と梶原一騎の二人ですが、それぞれ米国大統領とソ連書記長という役どころで、その素人っぽさが逆にリアルに感じられる…ということないですね、やっぱり。

ところで五ェ門の決め台詞「またつまらぬ物を斬ってしまった」は、この作品が初登場なんだそうで。
へー、知りませんでした。

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by odin2099 | 2018-12-31 16:36 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(2)
新作「クリード/炎の宿敵」は勿論「クリード/チャンプを継ぐ男」の続編だが、同時にこの作品の続編といっても良いだろう。

e0033570_18423944.jpg前作ではミッキー、本作ではアポロと、ロッキーの身近な人たちが次々と鬼籍へ。
アポロを葬り去ったドラコへの復讐と米ソの代理戦争という、色々とキナ臭い面を前面に押し出したシリーズの4作目で、エモーショナルな部分は少なく、ひたすらクライマックスの激突へ向けて盛り上げるだけという作風は従来のシリーズとは一線を画す。

作品は大ヒットしたし、スタローンのルックス的にもこの時がピークだったとは思うものの、今まで「ロッキー」シリーズを支えてきた、というより評価してきたファンの何割かは確実に減っただろうなと思う。
最後の東西冷戦終結へ向けての取って付けたような融和ムードも、あざとすぎるせいかメッセージが素直に伝わってこない。言ってることは素晴らしいんだけれどね。

1作目からロッキーに匹敵する存在感を持っていたアポロは、今回でお役御免。
そういや演じたカール・ウェザースって、実はスライよりも二つも年下だったんだなあ。
その役者としてのキャリアも、ほぼ「ロッキー」からスタートしたといっても良いくらいなんだけど、あの太々しいばかりの貫録は大したものだ。

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by odin2099 | 2018-12-30 18:52 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
リターンマッチの結果アポロを倒し、世界チャンピオンの座に就いたロッキー。
その後も防衛戦を勝ち抜き、遂に引退を決意。
しかしそこに新進気鋭のボクサー、クラバーが現れ、ロッキーに挑戦状を叩きつける。
その挑発に乗り引退試合を兼ね挑戦を受けるものの、ハングリー精神を失ったロッキーに勝ち目はなく、またずっと彼を見守ってきたトレーナーのミッキーも帰らぬ人となる。
そんなロッキーに救いの手を差し伸べてきたのは、かつての宿敵アポロだった…!

e0033570_20465870.jpg正に「強敵」と書いて「とも」と読む、という少年漫画の王道を行くような展開で物語の中心人物の座を維持し続けるアポロ・クリード。
6本作られた「ロッキー」シリーズの後を受け、今はアポロの息子を主人公にした「クリード」シリーズが2本作られ、更なる続編を望む声もあることを考えれば、アポロは今なおキーパーソンであり続けているのかも知れない。

前2作でロッキーとアポロは2試合とも最終ラウンドまで戦ったが、この作品でのロッキーとクラバーは初戦は2ラウンドでクラバーのKO勝ちで、再戦では3ラウンドで今度はロッキーのKO勝ち。一本の作品でチャリティーマッチを含めて様々な相手とのファイトシーンが描かれるのも、同じ相手と二回戦うのも初めてのこと。手を変え品を変え、色々と工夫を凝らしている点も評価したい。
そして三部作の完結編としてきちんとオチがついていることも高印象。前回も書いたが、ここで終っていれば”伝説”になったろうと思う。だが個人的にはこれ以降のシリーズ後半も好きだし、続く「クリード」も好きなので今となっては結果オーライだろう。

しかしミッキーの心臓発作は些か唐突なのと、ロッキーの失明の危機が有耶無耶にされてるのが少々残念。

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by odin2099 | 2018-12-29 20:50 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
新作公開にあわせてのおさらいシリーズ!
――最近そんな記事ばっかりだなあ。来年も年明け早々そうなる予定だし…。

大ヒットした「ロッキー」の続編。

e0033570_22012784.jpg破れたとはいえチャンピオンのアポロ相手に善戦したロッキーは、文字通り一夜明けたら有名人。
彼を金づるだと見る人は寄ってくるし、不器用なロッキーは誘惑にも弱い。
決して裕福とは言えない暮らしをしてきたロッキーが、持ち付けない大金を持ったらどうなるか。
その転落も早い。スタローン自身も前作のヒットで一躍スターダムをのし上がったが、ロッキーの生活ぶりは自虐ネタも含まれているのかも。

判定勝ちしたものの、実は負けていたんじゃないかと言われるアポロもチャンピオンのプライドが許さない。
多くを失い結局は元の立場に戻らざるを得なかったロッキーと、今度こそ圧勝して自分の価値を高めることしか頭にないアポロ。
その再戦への道のりは良く描けていると思う。

今度はロッキーが勝つであろうことは予想出来ても、再び最終ラウンドまでもつれあい、最後は両者ともにダウン。辛うじてロッキーのみが立ち上がるという試合運び、構成も納得いくもので、前作で終っていれば傑作との声もあるだろうが、決して蛇足でも駄作でもない。
しかしその後、ここまで息の長いシリーズになるとは思わなかったが。

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by odin2099 | 2018-12-28 22:06 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
新作が来るというので、これまたお浚い。
初見の時の興奮と感動はだいぶ薄れてきたけれど、それでも見ているうちに拳にどんどん力が籠ってくる。

しかし改めて見ると、ロッキーの親友でエイドリアンの兄のポーリー、本当に嫌な奴だよなあ。
毎回毎回このキャラ出てくるとイライラする。
いい味出してることはわかるし、人間臭くて人気があるのもわかるけど、見ていると「許せない」という気持ちになる。同情する気にもならない。

e0033570_21334886.jpgそしてロッキーも押しが強いというか、他人の迷惑省みず、でデリカシーのなさが気になる。
吹替だと羽佐間道夫が、更に大声でわめくチンピラ風な役作りをしてるので余計そう思える。
スタローン本人の声はそこまでじゃないんだけど。

日和見主義で、調子のよいことではポーリーとドッコイドッコイのミッキー。流石のロッキーも激高するが、その後で仲直り。そのシーンは台詞がOFFになっていて観客にはどういう会話があったのかわからないが、ロッキーが彼を許した決め手はなんだったんだろうな。

ラスト、微妙な判定の結果、勝利はアポロの手に。
しかしロッキーもエイドリアンも聞いちゃいないし、観客の歓声やロッキーの大声で、映画を見ている側にもちょっとわかりにくい。
ボーっと見ていたのか、ロッキーが勝って終わったと勘違いしてる人もいたとかいないとかいう噂もあるらしいが(パート2と混同してる?)、案外その辺りが続編製作の決め手になっていたりして…?

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by odin2099 | 2018-11-20 21:38 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
e0033570_19520330.jpg両親を事故で亡くしたルイスは、伯父のジョナサンが住む屋敷に引き取られる。そこでルイスは不思議な体験をするが、実はジョナサンも隣人のツィマーマン夫人も魔法使いだった。そしてこの屋敷には秘められた謎があるらしい。
伯父から魔法を学ぶことになったルイスだったが、ある日禁じられた扉を開けてしまう。そこに収められていた一冊の書物。ルイスはそれを紐解き、恐るべき災いを呼び覚ましてしまう。

ジョン・ベレアーズの同名小説を、スティーブン・スピルバーグが主催するアンブリン・エンターテインメントが映画化。
監督はイーライ・ロス、出演はジャック・ブラック、ケイト・ブランシェット、オーウェン・ヴァカーロ、レネー・エリス・ゴールズベリー、サニー・スリッチ、コリーン・キャンプ、ロレンツァ・イッツォ、ヴァネッサ・アン・ウィリアムズ、カイル・マクラクラン。

原作小説が「ハリー・ポッターの原点」などと紹介されていたので(翻訳本を出してるのも同じ静山社だ)、もっと魔法を前面に押し出したファンタジー物なのかと思っていたが、どちらかというとお化け屋敷を題材にしたホラー物で、ディズニーの「ホーンテッドマンション」にちょっと近い雰囲気だった。
ジャック・ブラックも好演だし、ケイト・ブランシェットは人ならざる役柄が実に嵌る。話が大掛りになり過ぎていないのも好印象。
原作はシリーズ物だそうだが、作品の評価も興行収入もまずまずとなると映画版も続編が作られるのだろうか。

佐藤二朗、宮沢りえ、高山みなみ、原康義、浅野まゆみ、松本梨香、矢島晶子、くじら、本名陽子らが配役された吹替版の方がメインのようだが、トータルでは微妙な出来栄え。本職であれ、本職以外の抜擢であれ、適材適所というのはやはり難しい。



by odin2099 | 2018-11-04 19:56 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
もう10年以上も前の作品になるんですね。
三部作の第一弾として製作されながら、諸事情で続編が頓挫してしまった不憫なファンタジー大作。
改めて見ましたが原作小説のイメージも損なっていませんし、ライラが何故「真理計」を読めるのかなどの説明不足な部分はあるものの、やっぱり良く出来てるし面白いです。

e0033570_19004762.jpg返す返すも第二部、第三部が実現しなかったのは残念で、アスリエル卿は胡散臭く、コールター夫人は単なる悪役で終ってしまっているのは気の毒です。
最近はBBC OneがTVドラマとして再映像化を発表し、放送前にも関わらず第2シーズンの製作も決まったとのことなので、今度こそ最後まで描かれると良いなあと思っています。日本でも見られるでしょうか。

さて今回は初めて吹替版で鑑賞。
いや以前にも吹替版を見たことがありますが、その時は「日曜洋画劇場」用の新録版でした。
今回は劇場公開もされたオフィシャル版ですが、これがいわゆるタレント吹替。
ライラが西内まりや、コールター夫人が山口智子、パンタライモンが成海璃子、イオレクが緒形拳…となんでこうなるんでしょうかね。技術が伴わず役柄に合わない起用は、作品に対する冒涜行為以外の何物でもありません。これに関しては本職を集めた「日曜洋画劇場」版に軍配を上げます。

<過去記事>



by odin2099 | 2018-10-11 19:05 |  映画感想<ラ行> | Trackback | Comments(0)
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