カテゴリ:映画雑記( 201 )
去年は何と言っても劇場での鑑賞本数が過去最多になったのですが、一転して今年はワースト記録ではありませんが大幅にダウン。
不思議なもので一度映画館から足が遠のくと、出かけるのが億劫になるんですね。
去年ならかなり遠い映画館へもハシゴを厭わず出かけたものですが。
そんな中から公開順に5本選んでみました。
他人とはかなり違うセレクトになっているんじゃないかなあと思います。
今年のベストにこの5本を並べてる人、他にいるかなあ。

これまでも大統領を中心にした恋愛モノは幾つかありましたが、”女性大統領”がメインとなると他にはないかもしれません。
ラブコメディですが、ポリティカルフィクションの旨味もあり、これは現職の大統領に対する痛烈な嫌味なんですかね。
今は絵空事ですが、数年後にはこのようなことが当たり前に受け入れられる世界になって欲しいものです。
『なぜ君は総理大臣になれないのか』
この映画の公開と前後して、一気に知名度が上がったように感じる現職議員さんに密着したドキュメント。
実際にこの議員が総理大臣として相応しいかどうかは別として、このように真っすぐな人がいるという事実が、まだまだ日本の政治も捨てたもんじゃないかも?と思わせてくれたのですが…。
堂々と噓をつき、書類やデータを改竄し、隠蔽し、追及の声には論点をすり替えて誤魔化し、何の根拠もなしに自己正当化を繰り返す総理が続いてる現実を直視すると、やはり日本は腐ってるのかなと絶望的になりますね。
『のぼる小寺さん』
主人公である小寺さんは何もしません。
何もしないというと語弊がありますが、自分がやりたいことにただひたすら打ち込んでいるだけです。
そんな小寺さんの姿を見て、周りの人間がどんどん変わっていきます。
彼女からは直接周囲には何一つ働きかけてはいないのに、多くの人間の生き方を大きく変えてゆく。
そんな彼女の不思議な存在感、そして彼女が周囲に与える心地よさを堪能するだけの映画です。
『アルプススタンドのはしの方』
これまた直接働きかけずに、周囲の人間に大きな影響を与える人が出てくる映画です。
いや厳密にいえばその人たちは画面にすら映りません。その向こう側にいる、と語られるのみです。
たかが高校野球の、たかが一試合の展開がそれほど大きな力を持つものなのかどうか。
フィクションとして、そこに作為的なものが全く感じられないと言ったら噓になりますが、ある人にはとるに足りない経験が、別の人には人生を一変させるような大きな体験になるというのはあり得ることです。
またその体験の瞬間には大きなインパクトがあったものの、結果的にはその後への影響は小さかったということもあるかと思いますが、それでも人は変わってゆくものだと思います。
『はりぼて』
政治絡みの作品が続きますが、これも政治の腐敗をあぶり出している作品です。
あまりの出来過ぎぶりに、これはドキュメンタリーではなくフィクションなのだと錯覚してしまいそうになりますが、これが日本の実態なのでしょう。
こんな三文芝居を堂々と見せられた日にゃ、何も信じられなくなりますね。
以上、5本についてコメントを加えてみました。
昨年は更にジタバタして次点を沢山選んだりと悪あがきしましたが、今年は特になし。
まあ、あえて選ぶならこの2本ですね。

2020年は正に”エンタメが死んだ年”と呼んでも過言ではなかったですが、2021年も厳しい年になりそうです。
それでも何とかエンタメの火を絶やさぬようにしていきたいものです。
この作品を含めた1968年夏の<東映まんがまつり>ならぬ、この時は<東映まんがパレード>だった4本立てを一気に鑑賞。
同時上映は「ゲゲゲの鬼太郎」「ウルトラセブン」「魔法使いサリー」それぞれのブローアップ版。

「魔法使いサリー」は第77話「小さな魔法使い」を上映。
魔法の国からいたずらっ子のポロンがやってきてレギュラー入り。
実のところ自分勝手で我が儘で、人の言うコトを全く聞かないキャラというのが昔っから大っ嫌いなもので、ポロンちゃんが可愛いとか思う間もなく終始腹立ってイライラしっぱなしの一篇。
また周囲の人たちは、何故にこの手のキャラに対して大甘なんだろう?というのも毎度腑に落ちないもので、あー、思い出しただけでムカムカしてくる。
――てな4本立て、トータルのランニングタイムは177分、3時間弱。
今じゃこういう長時間の子供向け番組ってなかなか組みにくいだろうなあ。シネコンが一般的になり、全席指定の入替制が定着したこともあるし。
この頃は好きな作品から入って見て、気に入ったならそのまんま2回3回見るということも出来たけどね。
そんな古き良き時代を追体験したいので、この「復刻!東映まんがまつり」シリーズはじゃんじゃんリシースして欲しいところだけど、権利関係とかなかなか難しそうで後が続かなかった…!
【ひとこと】
「鬼太郎」と「サリー」はどちらも演出が設楽博。偶然なんだろうけどね。
また「サリー」の作監は奥山玲子で、原画マンには小田部羊一や宮崎駿の名前が並ぶ。
<過去記事>
「太陽の王子 ホルスの大冒険」
https://odin2099.exblog.jp/27189306/
https://odin2099.exblog.jp/23792045/
https://odin2099.exblog.jp/25711550/






12/1は「帝国の逆襲」、12/8には「ジェダイの帰還」が21:00~22:54の通常枠、そして12/15には「フォースの覚醒」が「ノーカット地上波初放送」と銘打ち21:00~23:39の拡大枠でそれぞれ放送された。
何故「新たなる希望」から放送しなかったんだ?!というファンからの声も番組スタッフには届いていたが、枠が取れなかったとのこと。
「ハリー・ポッター」が4週連続で放送されたことを考えると、ファンとしては納得いく答えにはなっていないが。
それはさておき、正直言うと「フォースの覚醒」は本編は切らなかったのかもしれないが、エンドロールをバッサリ切り捨て余韻もへったくれもない状態だった。
しかし感心したのはその前の「帝国の逆襲」と「ジェダイの帰還」。
大雑把に言うと2時間枠だとCMを除いた正味の本編時間は1時間半強。
ということはどちらも30分は本編カットされてるのだけれど、これが殆ど違和感なしの”超編集”。
勿論こちとらファンだから、あれがない、これもない、ということは気になったし、特に「ジェダイの帰還」はCMクレジットを本編映像に被せるという苦肉の策を用いていたのにはガッカリしたのだが、それでもCMタイムを本編中の場面転換、時間経過に上手く活かし、おそらく予備知識なしの初見の人でもシリーズの全体像は把握でき、楽しめたのではないかと思うのだ。
そこで引っ張り出してきたのが前回の「2週連続スター・ウォーズ祭り」の録画。
2015年に「フォースの覚醒」に合わせて12/8に「新たなる希望」、12/25に「ファントム・メナス」と2週連続で開催されたのだ。
実際は「映画天国」枠や特別枠を使って12/29に「帝国の逆襲」と「ジェダイの帰還」を、12/31に「クローンの攻撃」、1/2に「シスの復讐」を深夜に字幕版で放送しており、順番は兎も角として一応は全作の放送を実現させている。
で、その時は「ながら見」だった2本を今回改めて見たのだけれど、これまた2時間枠に収めるために巧みな編集が施されていた。
ジャー・ジャー・ビンクスの出番が減ると「ファントム・メナス」はどんなに見やすいことか(それでもまだウザかったけれど)。
カットされた地上波の放送版なんて邪道だ、というのが従来の自分のスタンスで、実際無残に切り刻まれた作品も多いのだが、一方で稀にオリジナル版よりも楽しめる”超編集版”も存在する。
ソフトを買ったり借りたり、BSやCSでの放送に配信と、オリジナル版に触れる機会は多いが、地上波の放送版は一期一会。二度とお目にかかれないかもしれないし、次の放送の際には更に手を加えられる可能性もある。ということは、こちらの方がレア度は高いということになる。
自分の好きな作品がブツ切りにされ、目も当てられない状態になってしまうのは耐えられないけれど、また最近は予算の関係もあるのだろうが少なくなってきたけれど、ソフト版とは違うキャストによる新録の吹替版の可能性もある。
初めから毛嫌いせずに、ちょこっと覗いてみるのも悪くないな、と思えるようになった今日この頃であった。
で、何を言いたいかというと、早く「フォースの覚醒」と「最後のジェダイ」の”超編集版”が見たいなあということ。どちらも結構饒舌だと思うので、どれだけ枝葉を落としてシンプルな内容になるのか、お手並み拝見といきたい。

…と言っても地上波の放送枠は減り、自分も殆ど見ることはない(苦笑)。
近年で、「これは”神編集”だなあ」と思ったのは、やはり「金ロー」で放送した「アベンジャーズ」。あれは凄かった。
また今は亡き「日曜洋画劇場」枠で放送した「ライラの冒険」みたいに、公式な吹替版よりもしっくり来る吹替版なんていうのもあるので侮れない。
お次は「スター・トレック/イントゥ・ダークネス」。
去年に引き続き2作を連続で再観賞しました。

旧来の「スター・トレック」ではなかなかお目にかかれなかった、カークやスポックの身体を張ったアクションを目にすることが出来ます。
オリジナルクルーにはこの芸当は無理ですもんね。
加えてベネディクト・カンバーバッチの太々しいこと。
前作の悪役はどうも女々しくて物足りなく感じていましたが、今度は相手にとって不足なし。
いや、エンタープライズのクルーたち、場面によっては負けてるぞ?
前作のラストでめでたくキャプテンに就任し、新しい冒険の旅に出たカーク。
でも真の冒険の旅はまだまだこれからだったんですね。
本作のラストで、ようやく5年間の調査飛行に。
これで最初のTVシリーズに繋がるわけで、ここからが本当の「スター・トレック」の始まりだ~。
ところでJJの監督作は「M:i:III」、「SUPER8」、それに「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」と全部見てますが、自分の感性と合わないのか、どれもこれもモヤモヤしてしまいます。
でもこの正続2本の「スター・トレック」は文句なしに面白いですね。
期待値が低かったということもあるんでしょうが、「スター・ウォーズ」より「スター・トレック」の方が向いてるんじゃないの、JJ?
そういや今度の新作「スター・トレック/BEYOND」、吹替版での公開はないみたいなのが残念。
吹替のキャスト陣は気に入ってるし、エンタープライズ内での掛け合い漫才は、字幕よりも吹替の方が愉しめるんですがぁ。
そして「天使と悪魔」。
こちらは公開以来なので、7年ぶりの再観賞。

それでも犯人の意図・目的がよくわかりませんねえ。
原作だと動機の部分は割とハッキリしているんですが、そこのところをバッサリ切り捨ててしまっているので映画だけ見てると単純に「権力を握りたかったの?」と思えてしまうのがちょっと残念。
屈折した愛情表現の発露なんですけどね、ホントは。
さてこのシリーズ、前作だとイアン・マッケランにジャン・レノ、本作だとユアン・マクレガーとステラン・スカルスガルドという具合に、イメージ通りというかイメージを逆手にとったというか、なかなかキャスティングが巧いですね。
これで「騙された」と思うか、それとも「うん、納得」と受け取るかは鑑賞者次第でしょうけど、娯楽作として必要な味付けなんじゃないかなと思います。
新作「インフェルノ」ではどうなっていることやら。
その「インフェルノ」、「スター・トレック」と違ってこちらは吹替版が公開されるらしいので、一安心。
一抹の不安と言えば、今回は原作小説を読んでいないことですか。
映画化されていないシリーズ3作目の「ロスト・シンボル」までは読んだんですけどね。時間切れなので諦めました。
まずは「スター・トレック」。

これで宇宙を舞台にした大冒険活劇をやろうとするのは、ちょっと違うなあというのが正直な気持ちです。
例えていえば「宇宙戦艦ヤマト」。
これを沖田艦長や徳川機関長、真田技師長メインで進めるとしたら、結構キツイんじゃないかなあ。
やっぱり古代や島、雪が元気に頑張って、それを沖田艦長以下ベテラン乗組員が支えるから面白い、と思うんですよ。
TVの「スター・トレック」だってそうだったはずで、それを考えるとオリジナルクルーに拘って作品数を重ねるというのはやはり無理があったということ。
思い切って若手にシフト、しかも新メンバーを出すのではなく思い切ってオリジナルクルーを若返らせたのは大英断でした。
若いクルーが無茶をやる、それだからこそ宇宙大冒険活劇が生きてくると思うんですよね。
古くからの熱いファンには色々と思うところがあるでしょうが、浅いファンなだけにこのリブートは諸手をあげて賛成です。
しかも実はリブートでもリメイクでもなく、しっかりと従来の作品群の「続編」としての位置づけも失っていないというのも素晴らしいところ。
続いて「ダ・ヴィンチ・コード」。

いや、7年ほどまえに<エクステンデッド版>を見てました。
細かい部分は忘れちゃいましたが、誰が敵で誰が味方か、そして二重三重の謎解き。
あれだけの情報量を持つ原作小説を、よくぞまとめたなあという点では感心しきりです。
導師やら司教やらの目的はなんだかよくわかんないなーというのはマイナス部分ではありますが、小説を読んでるだけではピンと来ないところを視覚化してくれているのは大きなプラス。
「最後の晩餐」の解釈も、ああやって見せてくれると「ひょっとして?」という気持ちになります。
まあ些か親切すぎるという気もしますが。
しかし相変わらず気になるのはトム・ハンクスの変な髪型ですねぇ。