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【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

カテゴリ:本( 1358 )

<歴女美人探偵アルキメデス>が正式なシリーズ名になったらしい、早乙女静香、翁ひとみ、桜川東子の自称”名探偵”トリオが活躍するシリーズの新刊。

『戦国武将殺人紀行』<歴女美人探偵アルキメデス> 鯨統一郎_e0033570_22370216.jpg毛利元就と石見銀山の埋蔵金」「上杉謙信と川中島の秘密」「伊達政宗~独眼竜は眠らない~」」の3篇を収録しているが、今回も連作ではない。
戦国武将とその所縁の地にちなんだ殺人事件ということで、これも広域の”見立て殺人”みたいなものなのかもしれないが、こじつけ臭いというか、そこまで舞台にこだわらなくても良いのではないかなあという気もする。

これまでの作品に登場し3人と関係を持った警察官が、別の土地で再登場という新しいパターンが出来たり、翁ひとみに”恋多き女”というか”惚れっぽい女”という属性が追加されたり、シリーズにも色々と変化が。

ちなみに前作では全て静香が解決しているが、本作では東子。次回作ではひとみになるだろうか。
これまでのところ、彼女にだけは探偵の適性が見出せないのだが…。


by odin2099 | 2020-01-20 22:38 | | Trackback | Comments(0)
『アリバイ崩し承ります』 大山誠一郎_e0033570_20114913.jpg難事件に悩む新米刑事が訪れた街の時計屋。
そこには「時計修理承ります」「電池交換承ります」の他に「アリバイ崩し承ります」「アリバイ探し承ります」という不思議な貼り紙が。
ここの店主は美谷時乃といううら若き女性。
彼女は先代店主の祖父から引き継いだ、類まれな洞察力、推理力の持ち主だったのだ。

ということで本書に収録されているのは7編。
何れも主人公となる刑事が持ち込んだ話を聞いただけで、彼女がいとも簡単にアリバイを崩してみせるというもの。
で、今度この小説を原作にしたテレビドラマが始まり、ヒロイン役を浜辺美波が演じるのだが…。

小説の描写によると時乃は20代半ばで、小柄で色白、ボブにした髪に円らな瞳、小さな鼻とふっくらとした頬をした、どことなく兎を思わせる雰囲気、となっているのでちょっと彼女のイメージとは違う気もするけれど、ちょっと不思議な感じを漂わせた知的な若い女性の役なので、きっと彼女なら説得力を持って演じてくれることだろう。

ただ原作通りだと、彼女は最初と最後しか出てこない。
刑事が事件を持ち込んで説明を始めるまでと、話を聞き終えて解決する場面だけだ。
ドラマでは主人公以外の警察側の人物を増やし、また彼女も多少外に出すなどの改変を施すようだが、それで小説の良さを損なわなければいいのだけれども。


by odin2099 | 2020-01-15 20:12 | | Trackback | Comments(0)
早乙女静香、翁ひとみ、桜川東子の3人が活躍するシリーズに、遂に「歴女美人探偵アルキメデス」というユニット名(?)が…!

今回収録されているのは「石狩川殺人紀行」「利根川殺人紀行」「信濃川殺人紀行」の3篇。
といってもそれぞれは独立していて、たまたま旅先に川を選んでいるだけで連作ではない(以前の事件にチラと触れることはあるが)。
『歴女美人探偵アルキメデス/大河伝説殺人紀行』 鯨統一郎_e0033570_20430060.jpg
共通しているのは3篇とも事件を解決するのは静香だということ。
温泉に浸かっていて閃き、湯船からサッと立ち上がる、というパターンも同じ。
バー<スリーバレー>のシリーズだと宮田六郎にやり込められてるイメージしかないけれど、こうなると自称”名探偵”もあながち誇張じゃない。

by odin2099 | 2020-01-14 20:44 | | Trackback | Comments(0)
『歴史はバーで作られる』 鯨統一郎_e0033570_12232762.jpg今度は<シベール>というバーを舞台にした歴史ミステリー。

登場人物は新進気鋭の歴史学者の喜多川猛と、その生徒で全体と語り部となっている安田学という大学生、それに若い美人バーテンダーのミサキに、常連客である市井の老歴史学者の村木春造の4人。

収録されているのは「ネアンデルタールに花束を」「九町は遠すぎる/八百屋お七異聞」「マヤ……恐ろしい文明!」「誰がために銅鐸は鳴る」「論理の八艘飛び/源義経異譚」の5編。

取り上げてるテーマがさほど面白いものではなく、語り手の安田が先生に盲目的な信頼を寄せ、周囲には上から目線なのが興ざめ。
村木老人が本当に学者なのかどうかわからないような無知を曝け出したり、何やらミサキさんと怪しい関係にあったり?と本筋以外に混乱が多い。
<スリーバレー>でやれば良いものを、なんで新メンバーでやろうとしたのかなあ。

その<スリーバレー>を舞台にした最新作「文豪たちの怪しい宴」では、バーテンダーの松永のピンチヒッターとしてミサキという女性が出てくるが、こちらのバーから出張しての助っ人だったのか。

ということはこちらもシリーズ化され、いずれ両シリーズのクロスオーバーも行われるのだろうな。
ということで次回作があるなら、そちらには期待したい。


by odin2099 | 2020-01-13 12:26 | | Trackback | Comments(0)
九つの殺人メルヘン」に始まり、「浦島太郎の真相」「今宵、バーで謎解きを」「笑う忠臣蔵(笑う娘道成寺・改題)」「オペラ座の美女」「ベルサイユの秘密」「銀幕のメッセージ」「テレビドラマよ永遠に」と続いてきたバー<森へ抜ける道>で繰り広げられる推理劇、<女子大生桜川東子>シリーズも遂に完結。

『三つのアリバイ』<女子大生桜川東子の推理> 鯨統一郎_e0033570_19225614.jpgスタートから早いもので20年が経つんだそうな(作中では工藤と山内が二年の服役を終えて出所したばかり、ということなのでせいぜい2年半から3年が経過したぐらいか)。
そして9編→8編→7編…と収録される短編は一つずつ減っていき、これがシリーズ初の長編となった。

前巻でメタフィクション構造であることが明らかになったこのシリーズだが、結局は長い一つのお話だった、ということらしい。
最終作では第一作同様”S89号”事件に戻り、そこでは描かれなかったあっと驚く真相が明らかになるのだが、これは最初の構想段階からあったのだろうか。

だとしてもあまりフェアじゃない、何となく後味の悪い終わり方になってしまったものだ。


by odin2099 | 2020-01-11 19:25 | | Trackback | Comments(0)
『テレビドラマよ永遠に』<女子大生桜川東子の推理> 鯨統一郎_e0033570_19254939.jpg「大人気バー・ミステリー・シリーズ ラスト2!」と書かれております。
遂に収録作品は「渡る世間に殺人鬼」と「時効ですよ」の二篇のみ。
このカウントダウンのからくり、気付いたのは何冊目だったかなあ。
確か3冊目くらいで「あれ?」って思ったんだっけ。

で、前巻がかなりショッキングな終わり方をしていたので、さて今回はどうなってるんだろう?とおそるおそる読み始めると……

おいっ!

帯に「ちょっと待てコラ、鯨統一郎!掟破りだろう!!」と書いてあるので何のことかと思ったら、
ふーん、そうきましたか。

今までの話はメタフィクションだったってこと。
これまでのお話はヤクドシトリオの一人、工藤が語り部になっていたのですが、実はこれまでのお話は全部、服役中だった工藤が獄中で書いた小説だった、ということ。
2冊目以降は、面会に来たマスターから聞いた話を書いていたということで、山内は殺されていないし、千木良が犯人でもない、というのはかなりズルい。

しかしこのまますんなりと終わらないんだろうなあ。
次回、完結編。


by odin2099 | 2020-01-10 19:27 | | Trackback | Comments(0)
『銀幕のメッセージ』<女子大生桜川東子の推理> 鯨統一郎_e0033570_22044354.jpg帝国のゴジラ」「崖の上のファンタジア」「スパイはつらいよ」の三篇を収録した東子さんシリーズの第7弾。

帯には「大人気バー・ミステリー・シリーズ ラスト3!」と書かれているが、しばらく読まないうちに最近とうとう完結してしまったので、追いかけることにする。

今回のテーマは映画。そしてまたもや新キャラクター登場!
…と思いきやレギュラーメンバーに意外なことが。

そして驚愕のラストシーンへと……!

残りの作品にもおそらく本筋とは無関係なバカ話は続けられているのだろうが、ちょっとこの展開は予想していなかったなあ。
これからも楽しく読み続けられるだろうか。それが心配…。

by odin2099 | 2020-01-09 22:05 | | Trackback | Comments(0)
宣伝文句によると人気シリーズの第16巻だそうで、あれ?全部読んでるかな?

今回収録されているのは「傀儡子神」、「竹取りの翁」、「さしむかいの女」、「」、「土狼」、「墓穴」、「にぎにぎ少納言」、「相人」、「」、「露子姫」、「月を呑む仏」、「蝉丸」の十二編。
『陰陽師/女蛇ノ巻』 夢枕獏_e0033570_08213604.jpg
賀茂保憲が出てくるのは久しぶりかなと思うし、蘆屋道満や蝉丸が主人公になったり、露子姫を中心にしたお話が続いたり、とヴァリエーションは多彩。
よくもネタが切れないものだと関心もする。

ただこのシリーズ、何も事件が起こらずとも、ただ晴明と博雅のやり取りだけを愉しめればそれで良い、そんな気持ちにもなってくる。

by odin2099 | 2020-01-07 08:24 | | Trackback | Comments(0)
舞台がバーの<スリーバレー>となっていたので、あれ?と思ってチェック。
邪馬台国はどこですか?」、「新・世界の七不思議」、「新・日本の七不思議」、「崇徳院を追いかけて」に続いて、あの宮田が出てくるシリーズなのだが、従来の歴史テーマの論争ではなく、今度は日本文学。

『文豪たちの怪しい宴』 鯨統一郎_e0033570_20015098.jpgということで遡上に挙げられているのは夏目漱石「こころ」、太宰治「走れメロス」、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」、芥川龍之介「藪の中」の4編。
登場人物は帝王大学文学部教授にして日本文学研究界の重鎮である曽根原尚貴を語り部に、松永のピンチヒッターだという女性バーテンダーのミサキ、そして宮田六郎の3人。

ということで興味深く読み始めたのだけれども、ちょっといつもと勝手が違うのかスッと頭に入ってこない。

取り上げられてる作品の中にきちんと読んだことがないものがあるということもあるのだろうけど、創作物の中に隠された真実があると言われても、どんな読み方をしようが自由だろうに、という気持ちが優ってしまう。

むしろ桜川東子さんのシリーズの方が相応しい内容なんじゃないかなと思うのだが、さて宮田くんの新シリーズ、続きますかどうか。


by odin2099 | 2020-01-05 20:04 | | Trackback | Comments(0)
石ノ森章太郎の「マンガ家入門」にはじまり、後年の藤子不二雄Aの「トキワ荘青春日記」など”トキワ荘”について書かれたものはかなり読んでいて、主に新漫画党の面々に関するエピソードの大半は知っているつもりでいたのだが、この本を読んではたと気付いたことがある。
これまで読んだものは、エッセイであれ日記であれ漫画であれインタビューや座談会の記事であれ、何れも当事者の視点で語られたものばかりだったことを。

『手塚治虫とトキワ荘』 中川右介_e0033570_19290006.jpg手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、永田竹丸、つのだじろう、森安なおや、鈴木伸一、水野英子、長谷邦夫、横田徳雄…といった当事者たちの記録は、その内容の多様性や信憑性は兎も角として、量としてはかなり残されている。
その中からファンたちの共同幻想だったり、自分なりに咀嚼した形で”トキワ荘伝説”のようなものを作り上げていたのだが、客観的な立場で記されたものは(少なくてもこれだけのボリュームで)これまで皆無だった。

ということで、トキワ荘グループに興味を持つ漫画ファンなら誰もが知っているような有名なエピソードも、別の視点から語られ、あるいは知られざる逸話も追加されると新たな驚きを持って受け止めることになる。
また横山光輝や松本零士、ちばてつやといった、同時期に活躍した同世代の非”トキワ荘グループ”の面々のエピソードも挟まれることで、戦後の日本漫画史も点描されるという二重三重の愉しみもある。
本書を機に、もっと様々な”トキワ荘グループ”に関する研究書が続いて欲しいと願っている。

【ひとりごと】
終盤に駆け足で語られるその後の”トキワ荘グループ”メンバーの活躍ぶりだが、虫プロやスタジオゼロでのアニメーションに対する奮闘ぶりも、いつか別の形で読みたいものだ。

by odin2099 | 2019-07-06 19:30 | | Trackback | Comments(0)
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