高校時代に友人何人かと「映画ベスト10」を選びあったことがあり、その時にこの作品を1位に推したヤツがいた。当時の自分は「アニメ」と「怪獣映画」オンリー(ではないものの、それが中心)だったし、他の何人かもそんなラインナップだったので、そいつのことが妙にインテリに思えたのだがその時に「一体どんな作品なんだろう」と興味を持ったのが最初である。結局この作品を観たのはそれから何年も経ってからなのだが、頭のどこかにずっと引っ掛かっていて、実際に観た時は兎に角圧倒された。

マーティン・バルサム、ジョン・フィードラー、リー・J・コッブ、E・G・マーシャル、ジャック・クラグマン、エドワード・ビンズ、ジャック・ウォーデン、ヘンリー・フォンダ、ジョセフ・スィーニー、エド・ベグリー、ジョージ・ヴォスコヴェック、ロバート・ウェッバーら十二人の陪審員を演じる役者たちの熱演もあり、密室劇でありながら一瞬も気を抜くことのない緊迫感溢れる傑作になっている。
最近DVDを購入したので久々に観直してみたのだが、相変わらず色褪せることのない名作だ。しかも今回は搭載されてる日本語吹替版を選んだのだが、やはりこの手のディスカッションドラマの場合吹替版の収録は嬉しい。以前よりも細部にわたって楽しむことが出来た。
昨年4月、かつしかシンフォニーヒルズで行われたブタペスト・コンサート・オーケストラMAVと共演し、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」を演奏したコンサートのライヴ録音盤で、トータル演奏時間は40分にも満ちません。1枚のCDアルバムと考えると、ボリュームという点ではちょっと物足りなさが残ります。
ただ演奏そのものはかなり「濃い」ものですから、その面では充分満足のいくものではないでしょうか。
CD-EXTRA仕様になっていて、フォーレ「夢のあとに」のプロモーション映像も収録されています。

実際、彼女のデビュー・アルバム『献呈』もそのような構成になっていましたが、2枚目とはいえ堂々と楽曲(しかも一曲だけ!)で勝負するアルバムをリリースしてきたということは、レコード会社もJクラシックのアイドル的売り方とは一線を隔した、本格的なアーティストとしての期待の現れなのでしょうね。

この作品を映画化したのが、まもなく公開される『ウォーター・ホース』。製作は『ナルニア国物語』と同じウォルデン・メディアで、この作品があったからこそ『ナルニア国物語』2作目の公開が延期になったという曰く付きの作品ですが、”原作”ではなく”原案”扱いになっているなど随分と趣きの違うものになっているようですね。それはそれで楽しみではありますが。
また、映画化が決まって割りとすぐの時期に、一体どんな話なんだろうと探してみたんですが、増刷がかからなかったらしく絶版扱いになっていたようです。初版は2000年9月と比較的新しいのに・・・。
映画公開が近付き、ようやく再販されたようで、先ずはメデタシメデタシ。

今回の収録曲は以下の12曲。
1.オンブラ・マイ・フ(ヘンデル)
2.バンジョーとフィドル(クロール)
3.ANNIVERSARY(加羽沢美濃)
4.ユモレスク(ドヴォルザーク/クライスラー)
5.愛の三部作
【愛の挨拶(エルガー)~愛の悲しみ(クライスラー)~愛の喜び(クライスラー)】
6.マドリガル(シモネッティ)
7.スペイン舞曲第1番(ファリャ/クライスラー)
8.雨の終わりに(加羽沢美濃)
9.シャンソン・メドレー
【バラ色の人生~オー・シャンゼリゼ~愛の賛歌】
10.SHE/忘れじの面影~「ノッティングヒルの恋人」(シャルル・アズナブール)
11.虹の彼方に(ハロルド・アーレン)
12.森のくまさん変奏曲(アメリカ民謡/加羽沢美濃)
相変わらずバラエティに富んでおります。
そして今回はギター:渡辺香津美、アコーディオン:桑山哲也、そして「12人のヴァイオリニスト」から松本蘭がゲスト参加。
美濃ちゃんの新曲は2曲。「ANNIVERSARY」はCHISA&MINO10周年と、ちさ子さんの息子さん誕生を祝った曲だそうです。もう一曲の「雨の終わりに」は、二人には珍しい(?)思いっきり暗い曲で、これは美濃ちゃんの趣味らしい。
シャンソンがあったり、「森のくまさん」の変奏曲があったりする幅の広さがこの二人の恐るべきところでしょう。
ライナーノーツは毎度御馴染み二人の掛け合いで進行していますが、その中で美濃ちゃんは「虹の彼方に」が有名なミュージカルのナンバー(もちろん『オズの魔法使』の曲)だということを知らないという、相変わらずの大ボケもかましてくれていますが、ますますこの二人、恐るべし!ですね。

この作品がポワロ物の、あるいはクリスティー作品の最高傑作なのかどうかはさておき、やっぱり万人に認められる面白い小説なのは間違いないし、映画ならではのアレンジを施しながらも小説を忠実に映像化した、シドニー・ルメット監督以下スタッフ・キャストの功績には改めて脱帽。
ただ何度も書いたけれど、やっぱりこの犯人の正体は「あり」なのかなぁとは思ってしまう。二度は使えない手だ。
そして「復讐」を果たすためとはいえ、「殺人」を肯定しているような内容には若干の疑問を感じる。まぁ登場人物に感情移入して読んでいる、観ている分には分からないでもないのだけれども。

東映が『仮面ライダー』と同じく石ノ森章太郎を原作に招き、その時代劇版を狙った作品なのですが、関東地方では『ウルトラマンA』の裏番組になってしまったためにかなり苦労したようです。かくいう自分も『A』は熱心に観ていましたが、『嵐』は一回も観たことがありません。東映ではありませんが、同じ変身忍者ヒーロー物の『怪傑ライオン丸』は一生懸命観ていたんですがねぇ。ちょうど同じ時期の放送でしたが。

主演の南城竜也は後に『怪傑ライオン丸』の後々番組『鉄人タイガーセブン』の主役に選ばれるなど、子ども番組では御馴染みの顔。またサポート役の牧冬吉は大人向けのドラマでは悪役のイメージが強いかも知れませんが、『隠密剣士』の霞の遁兵衛、『仮面の忍者 赤影』の白影など子ども向け番組では正義の忍者の定番役者さん。そして子役時代の林寛子もレギュラー出演しているのですが、実に可愛らしいですね。
そういえば近年、『仮面ライダー響鬼』が放送された際にこの『嵐』との関連性が色々と取り沙汰されましたが、どうやら『嵐』のリメイク企画というのが先にあったようですね。平成ライダーも今度の『仮面ライダーキバ』で9作目。目先を変える意味でも検討に値するアイディアかとも思うのですが、如何でしょうか(他にも『キカイダー』や、石ノ森原作作品ではないですが『宇宙刑事』復活を望む声も少なくないですね)。

製作・監督・脚本・音楽・編集をメルヴィン・ヴァン・ピープルズが務めた<アート・オブ・エロス/監督たちの晩餐>の一本。
正直に言うと、これまでに観てきた9作品の中では一番面白くない。
”黒人監督が作った黒人映画”という部分を除けばとりたてて語るべきものが見当たらないのだ。単に趣味に合わないだけかも知れないが。

彼は戦争によって怪我を負い、その療養中に旧友のジョン・カヴェンディッシュと再会、彼の邸宅スタイルズ荘に招かれたことから事件に巻き込まれてしまいます。ジョンの義母でスタイルズ荘の女主人であるエミリー・イングルソープという老婦人が、毒殺されてしまうのです。
スタイルズ荘にはジョンとその妻のメアリ、弟のローレンス、エミリーの旧友の娘シンシア・マードック、エミリーの友人で身の回りの世話をしているエヴリン・ハワード、メイドや庭師、それにエミリーが再婚した年下の夫であるアルフレッドらが住んでおり、更に周囲には、スタイルズ荘の住人たちとは因縁浅からぬ人物たちが何人もいるようです。そしてエミリーは、決して”誰からも好かれる”というタイプの女性ではなかったこともわかります。
果たしてエミリーを殺害したのは一体誰なのか。
ヘイスティングスは元ベルギー警察の敏腕刑事で、今はイギリスへと亡命して近隣に住む友人エルキュール・ポワロに事件解決を依頼するのですが・・・というお話です。
誰も彼もが疑わしそうで・・・というのは探偵小説の常道でしょうが、最初は登場人物が多いので混乱させられましたが、読み進めていくうちにそれにも慣れていきます。それにしても自信たっぷりのポワロというキャラクターは、傍で見ていたら鼻持ちならない高慢な奴だと映るでしょうね。彼の態度、物腰が許せるかどうかでこの作品の、ひいてはシリーズ全体の評価も変わってくると思います。
この作品に関しては、犯人については「やっぱりね」と思ったものですが、そこに至るまでのミスリードを誘う部分は些かやり過ぎではなかろうか、という思いもしないではないです。

ただ一方で、その独自のデザイン、キャラクター性から根強い人気があることも事実。
流石にあれから30年以上が経っているから見慣れてますし、昨今の平成ライダーたちのぶっ飛んだデザインに比べれば大人しいものですが、それでも当時のインパクトは物凄いものがありました。私ゃ最初にデザイン画を「テレビマガジン」誌上かなんかで見たときにはアニメでやるのかと思ったくらいです。
それに立花藤兵衛役で小林昭二は継続出演していますけれど、歴代ライダーたちが一度もゲスト出演していない点も作品の独自性を高めています。

ただかつては<東映まんがまつり>の看板を張った「仮面ライダー」も、今回は実質的メインを『グレートマジンガー対ゲッターロボ』に奪われ完全な添え物扱い。しかも上映中に肝心の『アマゾン』が放送終了してしまっていますので、どの程度集客に効果があったのかは疑問ですね。
これがもしTVシリーズのスタートに先駆けての『仮面ライダーストロンガー』のプレビューだったりしたら、かなりインパクトがあったと思うのですが。

ブラッド・レンフロはどちらかというと「過去の人」というイメージが強いですが、ヒース・レジャーは正に旬の役者。
ジョーカーを演じた今夏公開予定の『バットマン』新作は既に撮影は終了しているとのことですが、どうなりますことやら。
どちらも薬物中毒の疑いが濃いということなんですが、恐ろしいですよね。
また、そこまでしないと生きていけない世界なんでしょうか、ハリウッドというのは・・・。
ブラッドは25、ヒースは28、残念に思います。