本編開始に先立って上映されました。

パトラッシュと元気に再会したネロ。ところがずっと見たがっていたルーベンスの絵が盗まれてしまった!
そこで盗まれた絵を求めて冒険の旅に出るネロとパトラッシュ!・・・という『フランダースの犬2』?!
最後のマッチをすった少女。ところが死ぬ気で働けば何とかなる!と、一躍不動産屋として成功してしまう「マッチ売りの少女」ならぬ『街売りの少女』?!
――そんな作品、ホントに観たいの?綺麗に終わらなきゃ、というのがウラタロスの主張。
そこへドヤドヤと他の連中もやってきて、「実はみんな月の世界の住人でした」てなオチで、「かぐや姫」よろしく月へと帰って、おしまい。
・・・と綺麗に終るはずもないのがこのシリーズですね。
まぁ、『仮面ライダー電王』本編は今回で終わりかもしれませんが、こっちは案外まだまだ続くんじゃないかな?と思わせる内容でした。
来年の新作ライダー映画のオマケとして、ひょっとしてモモタロスたちの勇姿が見られるかも。
それにしてもウラタロス君、
「”さらば”とか”完結編”と言っといて、帰ってきた作品あるじゃない?」
なんて、ちょっとグサっとくる台詞をかましてくれやがります・・・・・・。

この本は元々は10年ほど前に出版され、それを改訂して昨年文庫化されたものなんですが、野球というもの、ピッチングというものを色々と考えさせられる一冊でした。
桑田投手のことはPL学園時代から見てますし、巨人入りしてからも見続けてきたのですが、桑田ファンを自認している割に、どういうわけか好投、快投している時の印象はあまりありません。
何かいつも要所でホームランを打たれたり、といったマイナスイメージが付きまとっているのですが、不思議なものですね。
しかしもっと早くに読んでおくべきでした。
そして桑田流の投球術を頭に入れて、一球一球の配球、組み立て方というものを実際のゲームを観ながら楽しみたかったものです。

語り手である「私」が図書館を訪れた際に、いつの間にか別世界に彷徨いこんでしまい、名探偵・天下一になってしまった、というのが発端。
そこで不思議な事件の解決を依頼されるのだが――というお話なのだが、この天下一、どうやら「私」が生み出した作品のキャラクターのようなので、一種のメタフィクションのようだ。
そして事件の鍵を握るのは、このちょっと変わった”別世界”そのものなのだが、これはちょっとわかりづらいかなぁ。
前作とは微妙にリンクしてるようなしてないような・・・という世界なので、前作読んでなくてもとりあえずは大丈夫。
でも自分の好みとは合わない作品だったので、今後この作者の別の作品を読み進めるかどうかは微妙、かな。
かつての初代『仮面ライダー』は劇場公開版が3本――『ゴーゴー仮面ライダー』、『仮面ライダー対ショッカー』、『仮面ライダー対じごく大使』―-作られましたが、内1本はTVの一挿話をそのままブローアップして映画館に掛けただけですので、完全新作3本は歴代最多!
しかも、メインとなるTVシリーズが放送終了してから2本も公開されるなんて前代未聞です。
電王、恐るべし・・・!
物語はTVシリーズ最終回の後日談ということのようですが、特にお話が繋がってるということでもないようです。
また前作『仮面ライダー電王&キバ/クライマックス刑事』も最終回の後日談になってましたが、この映画の続きでもないですね。というか、どっちかというと「なかったこと」にされてる雰囲気があります。
ま、懐が広いというか、許容範囲の大きそうな「電王」ワールドのことですから、どうとでもなるんでしょう。

これは演じている佐藤健が売れっ子になっちゃったのでスケジュールが抑えられなかったというのが原因で、同じような理由で桜井侑斗役の中村優一の出番も少なめ、二人とも「特別出演」扱いにされております。代わって主役を務めるのは桜田通、良太郎の孫の幸太郎役でNEW電王へと変身します。
で、本来の主役を欠いてどんな作品になってるのかというと、そこは良くしたもので、このシリーズの一方の主役はモモタロスやウラタロス、キンタロス、リュウタロスら良太郎に憑依するイマジンたち。
JAEのスーツアクター、それに声を当てているボイス・キャスト諸氏の熱演もあって、主役不在は全くといって良いほど感じさせません。それどころか、みんな強烈なキャラクター揃いなだけに、かーなーりー面白い作品になってました。石丸謙二郎、秋山莉奈、松本若菜、松元環季らレギュラー陣も健在です。
TVシリーズは観ていなかったとはいえ、映画も3本目となればキャラクターも何となく掴めてきてますし、話があっちこっち行くこともないので、3本の中では一番好きかも知れませんね。ゲストキャラ(松村雄基と神田沙也加というキャスティングも微妙・・・)の目的と、それに至る過去話がよくわからないのが気になるんですけど。
最後に「さらば仮面ライダー電王」とテロップが出て幕を閉じますが、あまり”最後”を意識した演出にはなっていませんでした。
これならまた帰ってくるかもね、電王。
そして白鳥百合子にも帰ってきて欲しかった~。コハナちゃんも益々可愛くなってきてるんだけど???
事件解決の手掛かりを求めて競馬場にやって来た二人の前に現れたのは、哲学好きで短歌が趣味の風変わりな男だった。
ところがこの男が、二人に驚くべき推理を披露する?!

『邪馬台国はどこですか?』、『新・世界の七不思議』のシリーズや、『九つの殺人メルヘン』、『浦島太郎の真相/恐ろしい八つの昔話』のシリーズに連なる系譜の作品、というところだろう。
両シリーズは、バーという限定された空間だけでお話が進むけれど、こちらは色々な場所が出てくるものの、メインとなるのは競馬場(といっても中山競馬場だったり、東京競馬場だったり、京都競馬場だったり・・・とちょこちょこ変わる)という、やはり限定空間でのディスカッション。
そして登場人物たちが議論していると、そこに時には常識ハズレとも見えるような独自の見解を持った論客が闖入し、さんざかき回した挙句に一気に収束へと持って行くというパターンも共通だ。
本筋からは離れた競馬に関する薀蓄が、これでもか、と詰め込まれてるのもお約束で、ファンならば大いに楽しめるだろう。
ただ、物語と哲学と短歌、の組み合わせは、どーにもこーにもこじ付け臭い。
読みやすいのは良いのだけれども、オチにはどうにも納得出来ず、「ムリヤリ感」がそこかしこに漂ってしまってる。
この人のこの手のパターン物は好きなんだけど、帯にある「哲学と短歌の無茶な核融合」という文句は、正にその通り!
・・・と思えちゃうのが玉に瑕。

奥付見ると凄いことになってますからねー。
1巻は1977.11.30が初版、2巻は1978.1.31、3巻1978.4.30、4巻が1978.7.30、5巻は1978.12.30と驚異的なペースで刊行されております。今だと栗本薫の<グイン・サーガ>に近いハイペースですね。
その後ちょっと空いて6巻が1979.6.30に出たんですが、さてここからが長い空白期間に入ります。しかも6巻のラストは、ジョウが熱線銃で撃たれて倒れたところで終ってます。リアルタイムで追っかけてきたファンは、さぞかしヤキモキさせられたことでしょう。
やっと7巻が出て、ファンの前にジョウが元気な姿を見せたのは1983.3.18、そして立て続けに映画のノベライズが1983.4.30に出ております。
しかし次に出たのは外伝でして、1986.12.30。本編の8巻は上下巻で1989.11.30と1990.3.30になるまでお預けを喰らいました。
そして自分もこの頃にシリーズから離れてしまっています。
その後は2000年になって改訂版が刊行され始め、いつの間にやら9巻や10巻が出てることを知り、それじゃあ久しぶりにシリーズを読み返してみようかなぁ、なんて思っていた矢先、あろうことか出版元の朝日ソノラマがなくなってしまいました!

これで手に入れ損なっていた巻も何とかなりそうです、ヤレヤレ。
またこれでハヤカワ文庫で<ダーティペア>と<クラッシャージョウ>、2大シリーズが揃ったわけですが、また両シリーズのコラボ企画、やらないもんでしょうかねぇ。
連帯惑星ピザンにクーデターが起こり、辛うじて脱出した王女アルフィンは、救助信号をキャッチした”宇宙の何でも屋”クラッシャーに救助されます。それは中でもトップクラスの腕利き、ジョウの率いるチームでした。
銀河連合に事を提訴しようとするアルフィンはジョウたちに助けを求めますが、チームのメンバーであるタロスやガンビーノはそれに反対します。何故ならば連合の方針は内政不干渉、戦争でも起こらない限り提訴は門前払いされるというのです。
そこでアルフィンは方針転換、ピザンの危機を救うため、ジョウたちのチームを雇いたいと言い出すのですが――。

厳密に言うと、クライマックスからラストに掛けて大幅に改変されたヴァージョンなので、再読とも言い切れませんが、懐かしく、かつ楽しく読み終わりました。
登場人物もストーリーもそれほど複雑じゃありませんし、やっぱり勝手知ったる世界という安心感があるので読みやすいですね。
実は肝心のお話の方は結構忘れていたんですけど・・・。
物語のラストで、亡くなったガンビーノに代わって新たにチームの一員となるアルフィン。ジョウたちの冒険は正にここから始まるのです。
「土曜ワイド劇場」の”江戸川乱歩シリーズ”第6弾、名探偵・明智小五郎を演じているのは勿論、天知茂!
1977年から亡くなる1985年までの8年間に、25作品で明智探偵を務めています。
最初は「土曜ワイド」、1時間半枠だったそうですが、このシリーズの人気もあって2時間枠に拡大。その新装開店の第一作が、この『黄金仮面』だったとのこと。なんかリアルタイムで観ていた記憶もあるのですが、そういう細かい経緯は全く覚えていませんねぇ・・・。

その正体は副題にある通り”怪盗ルパン”なわけですが、ただルパンその人ではなく、”ルパン二世”(ルパンの再来)と呼ばれている別人のよう。原作は未読ですが、そちらでは本家本元のルパンらしいので、そのあたりは設定を変更してるようですね。
ただその実力はなかなかのもので、中盤まではかなり明智探偵の分が悪いです。そして最後も追い詰めはしたものの、後一歩及ばず・・・後にオリジナルの続編も作られています。
文代に五十嵐めぐみ、小林少年に柏原貴、浪越警部に荒井注というレギュラー陣に加え、今回のゲストヒロインは由美かおる。
和服あり、テニスルックあり、コスプレあり(?)、シャワーシーンあり(!)と、かなり魅力的です。
他に野平ゆき、結城美栄子、松下達夫、藤村有弘らが出ていますが、森次晃嗣や山本リンダなんかも顔を見せていてビックリ。再放送でも観ていたはずなんですが、ちっとも覚えていませんでした。
そしてメインゲストはジェリー伊藤と伊吹吾郎。
相変わらず”怪しい外人”を演じているジェリー伊藤も胡散臭いですが、フランス人とのハーフという役どころの伊吹吾郎はなんとも無謀ですねー。この如何わしさが「土曜ワイド」らしいと言えば言えますけど。
しかしこの当時は兎も角として、今じゃ伊吹吾郎に由美かおるの組み合わせ、まるで『水戸黄門』ですなぁ・・・。
「こんな世の中に生き永らえるよりは、いっそ死んでしまった方がまし」と考える彼だったが、ある日偶然に押入れから屋根裏へ出ることが出来ることに気付く。
屋根裏を徘徊し、他人の生活を覗き見ることに楽しみを見出すようになった郷田はふと、無防備に寝ている住人の口に毒薬を垂らせば、誰にも知られることなく死に至らしめる、密室での完全犯罪が可能なのではないかとの思いに取り付かれるようになるのだが・・・。

データを見ると製作は1992年となっていますが、実際に映画館で上映されたのは1994年になってからのことで、しかも映倫の指示でカットされてしまった<R指定版>での公開になってしまいました。
しかしながらその後、削除されたシーンを復元した<インターナショナル・バージョン>も公開され、どちらもビデオでリリース、自分もそれぞれビデオで一度ずつ観ています。
今回は<完全版>と銘打たれたDVDを購入しての再鑑賞なのですが、これは<インターナショナル・バージョン>と同じものでした。どうせならばDVDの特性を活かし、両ヴァージョンを見比べることが出来れば良かったのですが。
主演は三上博史。
他に宮崎ますみ、加賀恵子、六平直政、清水ひとみ、鈴木奈緒、寺田農、堀内正美らが出演しています。
この物語にはお馴染みのシリーズ・キャラクターである明智小五郎が出てきますので、三上博史は明智役かと思いきやタイトルロールの”屋根裏の散歩者”の方で、明智小五郎を演じているのは何と嶋田久作です。
原作小説を読んでいないので何とも言えませんが、これはかなり意外性のあるキャスティングではないでしょうか。
<R指定版>より長くなったとはいえ、上映時間は77分。物語も淡々と進んでいきます。
「鬼才・実相寺昭雄が、江戸川乱歩の耽美世界を完全映像化」と表現される作品ですが、興味深くは思えるものの、”江戸川乱歩”も”実相寺昭雄”も、自分にはあまり合わない世界のよう。
といって決して嫌いな訳ではないので、非常に口惜しい思いに囚われています。
映画『ラオウ伝/殉愛の章』、OVA『ユリア伝』、映画『ラオウ伝/激闘の章』、OVA『トキ伝』に続くのは待望の『ケンシロウ伝』。
これまでの4本は原作を一端ばらし、新しいキャラクターやエピソードを追加しながら再構成した作品でしたが、この作品は完全なオリジナル・ストーリーになっていて、シンに胸に七つの傷を負わされユリアを奪われた後、リンやバットに出逢うまでの語られざるケンシロウのエピソードを描いています。

後付け設定が増えてくると古いファンほど興醒めするものですが、元々『北斗の拳』は原作連載中から「驚きの新設定」やら「これまでとの矛盾点」が頻発していましたから(苦笑)、今さらとやかく言うものではないでしょう。また、既に完結している物語なだけに、上手く考えてはめ込まれているなぁとは感じました。
これで5作品とも完投したケンシロウ役の阿部寛も上手くなってきましたし、今回はやっとラオウがいなくなりました(爆)。ユリアはまだちょっと気になるものの台詞自体は少ないし、後はベテラン揃い。安心して観ていられる作品になっています。
物語自体も映画用オリジナルですので、先がどうなるかわからない楽しみがあり、3本ある劇場用作品としては一番観やすい作りになっていると言っても良いでしょう。
しかし興行的にはどうなのでしょう。
前作、前々作に比べて一気に公開規模が縮小され、公開の告知もかなり直前になってから。宣伝展開もあまり目立っていません。おそらくこれまでの作品成績から判断されたのでしょうが、ちょっと寂しいですね。後でDVDが売れれば何とかなるというのでしょうか。
『北斗の拳』そのものはパチンコとしては売れているようですし、外伝的なTVアニメ『北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王』も(細々とですが)始まっていますが、はたしてファンドの収支決算は如何に?
またマミヤやユダ、アミバ、ジュウザら未登場に終ってしまったキャラクターも多いですし、原作の第二部以降は結局描かれず仕舞い。
お話としてはまとまってはいるのですが、勿体無いといえば勿体無いですね。

『北斗の拳』を映画3本、OVA2本の計5部作でリメイクするというプロジェクトの第4弾で、今回メインフューチャーされるのは北斗の次兄トキ。
トキと長兄ラオウとの最後の対決を軸に、幼い頃に交わされた二人の約束、そしてトキを襲った過酷な運命を、トキを慕うサラという新たな登場人物を交えて描いたOVA作品です。
ケンシロウ/阿部寛、ラオウ/宇梶剛士、ユリア/石田ゆり子のメインキャスト、そしてトキの堀内賢雄、バットの浪川大輔、リンの坂本真綾、リュウケンの大塚周夫らレギュラーキャストもそのままに、新登場のサラを演じているのは平野綾。彼女、かなり大きな扱いなのですが、昨今の若手声優、アイドル声優と呼ばれている人たちには殆ど関心ないもので、その人気の程はピンとこないのですが、彼女が出てるというだけでDVDを買おうという人たちが結構いるということなんでしょうね。
トキは物語の中では時に傍観者(第三者)、時に当事者という立場になりますが、こうやってトキ絡みのエピソードを並べてみると、物語全体を追って行くにはトキのポジションというのはわかりやすいことに気付きました。トキ視点で見てみるというのも「北斗の拳」をより楽しむコツかも知れません。
今回はオリジナルの女性キャラも出てきますが、ありきたりな恋愛ドラマにはならず、トキはトキのまま。勿論彼の心の内にはユリアの存在があったはずなので、サラの想いに応えるということもないでしょうが、サラ自身も決してそうはならないことを理解して付いて行っているのだと思います。これは”大人の恋愛ドラマ”と呼んでも良いでしょうか。
そしてこの作品では、従来の作品にはなかった新設定が追加されました。
トキは”死の灰”を浴びることによって病を得、その結果伝承者争いから降りた、というのが原作コミックでの設定でしたが、この作品ではその前から既に病に侵され、余命幾許もなく、それ故に自らを犠牲にして”死の灰”を浴びたということになっているのです。
トキの悲劇性を強調するための改変だと思いますが、そこまでしなくても・・・と思うのですが如何でしょう?