
前2作の監督だったアンドリュー・アダムソンは製作に退き、マイケル・アプテッドがシリーズ二人目の監督に就任。ルーシー役のジョージー・ヘンリー、エドマンド役のスキャンダー・ケインズ、カスピアン役のベン・バーンズ、それに白い魔女のティルダ・スウィントン、アスランの声を担当したリーアム・ニーソンらが前作からの続投となった。
ということで製作体制が変わったことでどうなることかと思ったが、意外にも前作からの引きも用意され(ピーターの剣やエドマンドの懐中電灯など)、シリーズとしての継続性を意識した内容になっていて一安心。
実は今回、音楽担当者が前2作のハリー・グレッグソン=ウィリアムズからデヴィッド・アーノルドに交代していたことを、劇場でパンフレットを見るまで知らなかったので愕然となったりしたのだが、そこはそれ、<007>シリーズでジョン・バリー(合掌)節を全開に聴かせてくれたアーノルドのこと、前作のスコアを流用しつつも遜色のない音楽を提供してくれている。
それにしても原作とは随分違うお話になっちゃったので、あんな場面あったっけ?こんなアイテム出てきたっけ?この人は誰?・・・と悩むこともしばしば。
まあそれでも毎度のことながら、原作に思い入れがないので映画としては充分楽しめた。
2時間半クラスの超大作として作られた前2作と違い、こちらは初めて2時間を切るコンパクトさ。ポーリン・ベインズのイラスト(岩波少年少女文庫の挿絵として使われているもの)を元に構成されたエンドクレジットも素敵だ。
第1章の白い魔女や第2章のミラース卿のようなわかりやすい悪役キャラクターがいない分、この第3章は旅の目的がわかり難いし、落とし所というか、何を成し遂げればハッピーエンドになるのかというのも見えにくく、最後にカタルシスを味わえるかというと難しいものがあるが、キャラクターの成長物としてはまとまった出来。
だが毎回毎回同じパターンを繰り返されると、些か厳しいものがある。
第1章ではペベンシー兄妹がいがみ合い、第2章ではカスピアンとぶつかり(更に兄妹間でやや険悪な雰囲気にも)、そして今度の第3章ではユースチスが兄妹やカスピアンとゴタゴタを起こすだけでなく、再びエドマンドとカスピアンが対立。
確かに原作でもキャラクターの成長はメインに扱われているが、ここまで衝突はしないし殺伐とした空気が流れることもない。リアルといえばリアルなのかも知れないが、前作で描かれる成長がその都度否定されているようにも受け取れるので如何なものかと。
作品世界の中では第1章から第3章までは3年しか経っていないが、実際の映画製作期間は5年。ということでエドマンドとルーシー、ペベンシー兄妹の年少組二人も大きく成長。年齢設定にはそぐわない部分も出てきてしまったが、この成長の仕方は悪くない。
原作では名前のみで実際には出てこないピーターとスーザンも特別出演。四人が一堂に会する場面はないもののこれは嬉しいサービスで、特にスーザンは隠れたキーキャラクター的存在になっている。個人的にはルーシーが、何故”この”スーザンに憧れているのかが全く理解出来なかったりもするのだが・・・。
原作に出てこないといえば白い魔女も同様で、これは上手い使い方だったかも。

そしてラストシーン、姿は見せないが、ユースチスの家に遊びに来た少女として”ジル・ポール”という名前が出てくるが、もし第4章として「銀のいす」が映画化されるとすれば、今度の主人公はユースチスとこのジルという少女。作品を見る限り、スタッフは第4章を作る気が満々のようだが、興行成績は右肩下がりのようで先行きは不透明。
以前BBCがTVドラマを製作した時も第4章で終わってしまったので、全7章の映像化はやはり厳しいのかも知れない。
ところで今回、初めて3Dの吹替版で鑑賞したが、ことさら3Dを意識した映像にはなっていなかった。
舞台の殆どが海の上、船の中ということで画面的にもそれほど奥行きは感じられず、手間暇かけた割に効果のほどは疑問だ。単なる話題作りの為だけだったとしたらちょっと淋しい。

これは4/1公開の『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』と5/21公開の『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』、それに8/6公開の『仮面ライダーオーズ』と『海賊戦隊ゴーカイジャー』劇場版2本立て、以上3作品共通の特別鑑賞券なのです。

特典は<仮面ライダー>シリーズと<スーパー戦隊>シリーズの予告編集DVD。
まあここ10年ぐらいの、『仮面ライダーアギト』&『百獣戦隊ガオレンジャー』2本立て以降の予告編が色々入っているのかな、ぐらいに考えていたんですが、開けてビックリ。昭和時代の、<東映まんがまつり>版から入ってました。

<ライダー>シリーズは『ゴーゴー仮面ライダー』からで、<東映スーパーヒーローフェア>の『仮面ライダーZO』と『仮面ライダーJ』以外はみんな入ってますねー、『仮面ライダー/THE FIRST』なんかも含めて。
<スーパー戦隊>も『秘密戦隊ゴレンジャー』から始まって、こちらは<スーパーヒーローフェア>の『忍者戦隊カクレンジャー』や『超力戦隊オーレンジャー』なんかも入ってましたし、『炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』のような<VSシリーズ>も網羅。
TVエピソードそのまんまの作品は割愛されちゃってますし、ヴァージョン違いは押えられていませんが(各作品一種類のみ)、おまけDVDにそこまで贅沢は言えません。総収録時間は50分ありますから、かなり見応えがあります。

そういえば『レッツゴー仮面ライダー』の新しいチラシが置いてあったので貰って来ましたが、出演者が何だかなあ。
現役の「オーズ」組だけじゃなく「W」組も出演なのは嬉しいですが、タイトルにも名前のある「電王」組は遂にNEW電王だけ。その一方でささきいさおなどという名前があったりで、さて一体何の役を演じるのでしょう?(ちなみに歌は歌わないそうです)
キラレ役日本一の福本清三は何とブラック将軍の役だそうですが。

声の出演には柴田秀勝、加藤精三、飯塚昭三、納谷悟朗といった大々ベテランが顔を揃えてますが、それぞれジェネラルシャドウにジャーク将軍?それと大神官ダロムですか。そしてショッカー首領でしょうね。
不謹慎な話ですが、これだけの大御所が揃うことはもうないのかも・・・。
で、ヒーローが沢山の賑やかな図柄ですが、その中にいましたねぇ、怪しい奴らが・・・。

正式に公表されたようでスポーツ紙などにも記事になってましたけど、キカイダーと01、そしてイナズマンはわかりますが、なんでズバット?
このメンツならば、ロボット刑事とかキョーダインとかアクマイザー3とかじゃないのかなあ。
もしかすると他にも隠し玉があったりするのかも知れませんがね。
例えば誠直也のプロフィールを見ると、出演予定作品にこの『レッツゴー仮面ライダー』があり、てっきり『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』の誤表記だと思っていたのですが、一向に修正される気配がないのでひょっとするとアカレンジャーがこっちの作品にも出るのかなあ、と。
そのせいか記憶が曖昧で、その分「この先どうなるんだろう?」とハラハラドキドキしながら楽しめましたが、うーん、こういうのって逆にヤバイか。
過去記事はこちら。

そして舞台は再びナルニアへ――なんですが、「こちら」側と「あちら(ナルニア)」側とでは時間の流れが違うということで、何やらすっかり別世界。実は1300年も経ってるということで、ナルニア側のキャラクターでお馴染みさんは一人もいません。これもシリーズ物としては結構珍しいと思いますが、これまたそのおかげで前作未見の人にも敷居が低くなっております。
もっとも”偉大なるライオン”アスランは当然出てきますし、前作の悪役”白い魔女”も再登場。原作では出てこないのにね、この人。まあシリーズ物らしい関連性を持たせる役回りというところでしょうか。
関連性と言えば、ナルニアの歴史が刻まれた壁画が出てくる場面がありますが、そこにタムナスさんの姿が映し出されると前作の”タムナスさんのテーマ(?)”がしっかりと流れるという嬉しいサービスもあったりします。このあたりは前作見ている人はニヤリ、ってなところでしょう。
というか前作も担当したハリー・グレックソン=ウィリアムズは極力前作のスコアを取り入れているので、音楽を聴いているだけでも「ナルニア」へ来たんだなあという気分にさせてくれています。
今回は念願だった吹替版をようやっと見たのですが、カスピアン王子に尾上菊之助を連れてきたのは一体誰なんでしょう?
普通なら考え付かないキャスティングですなあ。
前作(そして今回もチョイ役ながら出演)の大地真央といい、微妙にずれた配役するのがこのシリーズの特色ですかね。
相変わらず絶妙の津嘉山正種(アスラン)とか、珍しく(?)渋めの役どころの岩崎ひろし(トランプキン)にチョー(松露とり)とか、誰もが納得(してくれますよね?)だったり、意外性がありながらもハマってる配役もある反面、ちょっと首を傾げざるを得ない著名人吹き替えなのですが、なまじっか下手じゃない、いやむしろ合格点あげてもいいかな、どうしようかなー、というレベルなのが尚更始末が悪かったりするのですが(苦笑)。
3作目はどうなるんだろう?
3作目と言えば、今回邦題が初めて原作邦題とはかけ離れたものになりましたね。
第1章は「ライオンと魔女」でそのまま、第2章は「カスピアン王子のつのぶえ」→「カスピアン王子の角笛」でしたが、今度の第3章は「朝びらき丸 東の海へ」が何故か「アスラン王と魔法の島」という、似ても似つかないものに。
なんでも第4章となるはずの「銀のいす」の要素も取り入れ、ストーリーを改変したそうですし(原作者ルイスの遺産管理団体と揉めたらしい)、バックがウォルト・ディズニーから20世紀FOXに変わった影響もあるのかも知れませんが、興行成績は右肩下がりのようなので全7作の映画化はやっぱり無理なんでしょうかね・・・。
ところで明日は「金曜ロードショー」でこの「第2章」が放送されますが、明後日は「土曜プレミアム」で「第1章」が放送されます。
・・・・・・もう少し見る側のこと、考えてくれないもんかね。
ま、どっちもカット版のはずだけど。
ところで地震で大きな被害が出たニュージーランドのクライストチャーチ、『ナルニア』のロケも行われた場所ってここの郊外だったっけか。
日本人も含めて多くの死者・行方不明者が出ていて心配なことです。
最初はスルーするつもりだったのだけれども、吹替が新録だと知ったので急遽チェック。
こちらのキャストはトニー・スタークに池田秀一、ローディに山寺宏一、オバディアに壤晴彦、ペッパーに田中敦子、インセンに古川登志夫、ラザに佐々木勝彦、クリスティンに魏涼子、と劇場公開&DVD版に勝るとも劣らない豪華版・・・というより、ギャラだけならこっちの方が高いかも?

飄々とした、世をなめてる感じ(?)は池田声よりも藤原声の方が雰囲気かなあ。なんか無理して軽く演じてる感じがするし。
吹替版を作りなおして欲しいのは『インクレディブル・ハルク』の方で、エドワード・ノートンの吹き替えは水嶋ヒロには荷が勝ちすぎだ。
で、この『アイアンマン』、そして可能ならば『アイアンマン2』と3本連続して、今度の『マイティ・ソー』や『キャプテン・アメリカ』の公開前に集中して放送してくれればなあ、なんて思っていたのだけれども。
来年予定の『アヴェンジャーズ』公開前にはやってくれるかな。
もっとも今回の放送、時間枠を拡大したものの、トータルで20分くらいのカットかな。
おかげでエンドクレジット後のオマケシーン、サミュエル・L・ジャクソン扮するニック・フューリーが登場する場面が丸々削られちゃってるので、『アヴェンジャーズ』への伏線がまるで活かされていないという勿体ないことに。
今回のTV放映を見て楽しんだ人、あるいはちょっと納得いかない部分があったり、もっと楽しみたい人は、是非DVDを借りてきてノーカット版を見てね。
・・・まだ交渉中なのね、ビックリ。
とはいえ、スカイダンス・プロはアカデミー賞候補になってる『トゥルー・グリット』の製作会社。
この作品で製作総指揮を担当したデビッド・エリソンがプロデュースを手掛けるというから、冷やかしではなさそう。
脚本は『ユージュアル・サスペクツ』や『ワルキューレ』のクリストファー・マッカリー、という具体的な名前も出てるから、これはちょっと期待しても良いのかな。
『ヤマト』のハリウッド映画化企画としてはディズニー版が有名だけれども、2006年には『ザ・リング』や『バタフライ・エフェクト』の製作会社ベンダースピンクが実現直前にまで漕ぎ付けていたそうで、これは初耳。
その時のプロデューサーに予定されていたジョシュ・C・クラインが今回も参加するとかいう話で、そういえば西崎Pが亡くなる前にハリウッド版の話をチラっとしていたのは、そういった下地があってのことだったのね。


それに比べると『ロード・オブ・ザ・リング』は、1作目の時に全編の映画化だと勘違いした人が・・・・・・チラホラはいたみたいですね。素直な人や”本当に”予備知識ゼロの人などは混乱したことでしょう。
ただ皮肉なことに(?)、『ロード・オブ・ザ・リング』1作目はお話の途中で見事にぶった切られて終わりますが、この『ナルニア国物語/第1章』はきちんとこれだけで完結するんですよね。
だから「第1章」とわざわざ謳わなくても、見ている人からはさほど不満は出ない筈。むしろ第2章以降を作らないことには格好が悪い、ってことになっちゃってます(苦笑)。
で、3年ぶりぐらいに見直したんですが、結構色々なシーン、覚えているもんですね。
まあ比較的短期間に3回だか4回だか見ているからでもあるんですけど、原作に思い入れがない分、充分に楽しめます。
というか、ぶっちゃけ仮にC.S.ルイスが存命でこの映画を見たとしたら、自分が書いた世界とあまりにかけ離れた殺伐とした内容に愕然となるんじゃないか、なんてことを考えたりもしてしまいます。
それとも、これはこれで愉しんでくれるのかな。
”偉大なるライオン”の表情の豊かさも良いし、いがみ合ってるペベンシー兄妹たちが最後にまとまる展開も、ベタではありますがジーンときます。
ただピーターはなかなかのイケメン君ですが、エドマンドはともかくスーザンとルーシー(特にスーザン)はもうちょっと”美少女”風の女の子に出来なかったものかと・・・。
過去記事はこちらとこちら。
まだ5人のノリに付いて行けない部分があるし、最初は期待していたのに実際に動いてる姿を見るとイマイチ可愛く見えない女の子二人に「アレレ」だったりするものの、なかなか興味を持たせてくれます。
中学生にレンジャーキーを奪われちゃうマーベラスのマヌケ具合から、逆に”熱い”ドラマを導きだしたりする意外性(?)も悪くはないかも。
またゴーカイジャーの戦い方が、結構えげつないのも海賊っぽい。
コンビネーションプレイもなかなかだし、これなら歴代戦士にチェンジしなくても、いやしない方が格好良かったりするんじゃないの?
とはいえマジレッド&ゴセイレッドの魔法系戦士と、ガオレッド&ゲキレッドの格闘系戦士のコラボ攻撃の後、シンケンレッドで止めを刺すというコンボも悪くなかったり。
しかも何気に少年クンの仇討ち(?)にもなってるし、やるなキャプテン。
そしてマーベラスの回想シーンに「赤い戦士」登場!
正面からハッキリ映るカットはないけれど、声は古谷徹だし、これはもうアカレッドでしょうね。
Vシネ『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』以来5年ぶりの再登場!
歴代の赤戦士に変身出来るというアカレッドが、ゴーカイジャーのゴーカイチェンジのネタふりだったとは・・・?!

そして最後にチラっと顔を見せる黒マントの青年は、オリジナル・マジレッドこと小津魁役の橋本淳だそうで、第1話声の出演の誠直也(アカレンジャー)に続いてのオリジナル・キャスト登場。『ディケイド』の時とは違うなあ。

「歴史に名を残す145人の知られざる結末!」というのが帯の惹句ですが、表舞台から消えた後の「その後」だけじゃなく、潜伏期間(?)だったりで、全体的には「あっと驚く」というより地味なお話の羅列になっています。
しかもあまりに定番な「噂」も多く、今更そんなことを仰られても・・・という感じ。もっと新説・奇説でも紹介してくれていれば楽しめたんですがね。
例えば「源義経=チンギス・ハン」説は肯定も否定もせず、「自分の死を3年間伏せよ」という武田信玄の遺言はすぐにバレたとか、織田信長の遺体は見つかっていないだとか、蒲生氏郷は石田三成に毒殺されたとか、豊臣秀頼は薩摩に落ち延びたとか、徳川光圀は諸国を漫遊していないとか、あまりにもネタが古すぎる気がするのですがねぇ・・・。
まあ「直江兼継」や「江」、「天璋院(篤姫)」などという項目があるのが、最近の本らしいところでしょうか。

紙数の関係もあるので細かいデータはありませんが、ロシアやインドで製作されたものや、日本で翻案されたもの、更には舞台劇やラジオドラマにも触れているあたりは凄いですね。
全世界で「聖書」に次いで読まれているというクリスティーらしく、映像作品も枚挙に遑がありません。
知らない作品も結構ありましたし、クリスティー作とは謳っていないものの、明らかに影響下にある作品も紹介していますので、これから色々と物色してみようかな、と思っています。

またマニア向けの作品ではないので、遺構が現存しているものなのか、復元・復興したものなのか、といったことに頓着していないのも良いのではないかと思っています。
今回紹介されている中で、実際に行ったことがあるのは松本城のみ。
でも昨年行った時には見落としていた”顔”が随分とあるのだなあと気が付いたので、いずれまた訪れてみたいものです。
また、例え今日の遺構は別物だとしても、やはり”真田の城”上田城には、是非一度は足を運んでみなければ、と改めて決意を固めました。
北陸地方は個人的には未踏の地なので、そこもまた別の計画を。