だが信長との対面の後、堺見物をしてから帰国の途に就こうとしていた二人の耳に、本能寺で信長が死んだとの報せが・・・。
「本格戦国シミュレーション」と銘打たれたシリーズの第1巻。
若き日の真田幸村と伊達政宗がコンビを組んで活躍するということで楽しみに読み始めたんですが、ちょっと期待していたのとは違ったなあ。
せっかく蒲生氏郷まで出てくるのに・・・。

荒巻義雄の『紺碧の艦隊』などの”架空戦記モノ”もこのパターンですけれど、こういうのはどこでリアリティを保つのかが難しい問題です。豊臣家があっけなく徳川家を滅ぼしたり、武田信玄が幕府を開いたり、日本がアメリカやドイツに勝利したり、何でもありですけど歯止めが効かない面もありまして、正直いうとあんまり好きじゃありません。
一方で歴史の大枠というか流れは変えないものの、そのなかにちょっとした「もしも」を潜ませるというのもあります。
架空の主人公が歴史上の著名人と出会うというパターンは、それこそ枚挙に暇がないでしょう。これが実在の人物同士だと、「絶対にそんなことはない」ケースと、「記録にはないけど、そういうことがあったとしても不思議じゃない」、「まずないだろうけど、完全に否定出来る材料はないし、あったとしたら面白い」というようなケースに分けられると思いますが、この本はそんな、歴史上の隙間を埋めるお話なのかな、と勝手に期待していたのです。
ところがこのお話は前者のタイプの「もしも」でした。
政宗と幸村は氏郷と共に大坂城にある信長の弟・信勝(信行)の息子津田信澄の元へ。そこで反明智光秀の軍を上げるのですが、神戸信孝と丹羽長秀に光秀との内通を疑われて攻撃されます。史実だとここで信澄は死ぬのですが、この作品の中では幸村と政宗によってその計略は見抜かれ、逆に長秀が戦死、一命を取り留めた信孝は出家して高野山へ、という展開。
その後の光秀との合戦も、幸村と政宗の奇策によって勝利し、最終的に光秀を討ち取るのは政宗です。
次の2巻でようやく柴田勝家や羽柴秀吉が登場するようですが、さーてどう決着を付けるものかいな。
そしてまだまだ先のことでしょうが、最後の最後は政宗と幸村が天下を賭けて雌雄を決することになるのかな。
苦手なタイプのお話ですが、しばらく付き合ってみようかな、という気にはなってます。
途中で1回見逃しちゃいましたが、とりあえず最終回まで見届けました。
一区切りではあっても、結局はなーんにも終わってない最終回に不完全燃焼でしたけど、その後番組の主役が今度は千葉雄大だというので思わずビックリ。
調べてみると原作があるとのことでしたので、増刷かかるのを待って入手しました(「ドラマ化決定!」の帯が欲しかったもので)。
主人公の白戸修は大学生ですが、平凡というにはかなりのお人好しだし、優柔不断というか頼まれると嫌と言えない性格で、あんまり主体性はなさそう。
そんな彼が、色々な事件に巻き込まれてしまうという短編集なのですが、図らずも彼が探偵役になって事件を解決することになってしまいますが、本人にもその自覚はないんじゃないかと思いますけれど。

TVドラマ版では白戸くんは大学生ではなく就職浪人になってますが、千葉クンはイメージ合ってるんじゃないですかね。ピュアというかイノセントというか、騙されやすそうなところが。
第1話を見る限りでは原作の第1話をそのまま使っていますけど(但し前後編扱いなので半分まで)、雰囲気は随分と変わっちゃってますね。
白戸くんが真面目にやるからこそ面白さ、おかしさが生まれるんだと思いますが、端からコメディとして作ってしまうのはなんか違う気がします。
ナレーションが立木文彦で、ヒーロー番組のパロディ要素も押し出していますし。
またドラマ版にはレギュラーキャラクターがあと2人登場。
レギュラーその1の本郷奏多の役どころは、原作第1話に出てくる白戸くんの友人を膨らませたものでしょうが、レギュラーその2・中村静香が演じるコスプレ店員さんは・・・これは原作に出てくるの?
原作小説には続編があるので、もしかするとそちらには出てくるのかも知れませんが、少なくてもこの作品には出てきません。完全なオリジナルキャラなんでしょうか。
しかも白戸くんが妄想癖の持ち主だなんて、ちょっと可哀想すぎるような・・・。
それにしても松坂桃李の次に千葉雄大を主演に起用するなんて、スタッフは狙っているとしか思えませんね。
で、この番組の後番組の主演が小澤亮太だったら尊敬します(笑)。

混んでるかなあと思いつつも、国立西洋美術館へ行って来ました。
館内は大混雑というほどでもありませんでしたが、素描など小さめの作品が多かったこともあり、鑑賞客の歩みが遅く、それであちらこちらに渋滞が出来ているといった感じでした。
今回のメインは≪着衣のマハ≫が40年ぶりに”来日”したことでしたが、どうせなら≪裸のマハ≫と並べて鑑賞したいところですね。まあ贅沢は言えませんが。
個人的には≪スペイン王子フランシスコ・デ・パウラの肖像≫や≪日傘≫の方が気になりましたね。

そして素描画が沢山展示されていたので、最初のうちはちょいちょい覗く感じで見ていたのですが、そのうち面白くなって凝視するように。
風刺を目的として制作されたものや、寓話を描いたものが殆どということもあるのですが、そのデフォルメされた表情などはまるで漫画。
作者名を伏せ知らない人に見せれば、おそらく何の違和感もなく現代の作品だと受け取られるのではないかと思います。
ゴヤのこと、今更ながら興味がわいてきました。


北尾トロの『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』を舞台化したものですが、小説ではない裁判傍聴記が、コミック、TV、映画(いずれも未見なのですが)に続いて舞台になるとは、面白いというか凄いというか。

無理矢理のオムニバス形式ですが、結構上手い構成なんじゃないかと思います。
出演は<彼>と<彼女>に塩谷瞬と長谷部優、繰り広げられる法廷劇に登場する裁判官、被告人、証人、弁護人、検察官、裁判員、裁判所スタッフらを藤田玲、黒坂真美、浅倉一男、飯尾和樹(ずん)、石田佳名子、今井久美子、妹川華、岩井七世、大浦冬華、剛州、沢口千恵、やす(ずん)、中村英香、平子悟、岡安章介(ななめ45°)、土谷隼人(ななめ45°)、友情出演の氏神壱番、それに特別出演の楠田敏之が演じます。
演出と脚本は舘川範雄。

舞台上では次から次へと様々な裁判の様子が再現されて行くので厭きませんが、ブツ切り状態になってしまうので物足りなさはありますけれど、最後までだれずに見ることが出来ました。
最後の裁判もなかなか深く、公判の結果が出ないだけに色々と考えさせられるものでした。
ただ、会場からは幾つもの場面でかなりの笑い声が起きていましたが、残念ながら自分には笑える部分は皆無でしたね。
スペースゼロは小さめのホールですが、今回はステージの左右にも座席を配置。そこで見ることが出来たので、出演者がかなり近くて、裁判シーンなどでは違う意味でも臨場感が。
1メートルくらいの距離で見た長谷部優、綺麗なことよりも、細いというか華奢な体型に驚いたりして・・・。
先日、久々に『ゴーカイジャー』でハリケンレッドに変身していた塩谷クン、台詞ちょっと噛み過ぎで、しかも間違えてなかったかな?
公演後には藤田玲、長谷部優、黒坂真美、石田佳名子、妹川華、岩井七世らのアフタートークもあってお得感がありましたが、もっと裏話的なことを聞きたかったですね。
それと本日の公演にはカメラが入ってましたが、DVDをどうやら発売するみたいです。ポジションからすると、ステージ横に座っていた観客は、映ってる可能性が高そうなのでちょいと困惑・・・。
公開2日で両日とも映画館へ通ってしまったくらい大興奮作品のサントラ盤が出ました。
昔みたいに入れ替え制じゃない映画館だったら、多分1日で2回か3回は見たんじゃないかと思います。まあ上映時間が1時間ぐらいで短い作品なんですけど、内容はかなり濃いものになっているのです。
映画のサントラは全部で44曲収録。

残る41曲が純粋なBGMですが、「BGM新録」となっているのが9曲ありまして、渡辺宙明作曲のものが3曲、山下康介作曲のものが6曲。
あとは山下康介作曲となっていますので、これは『ゴーカイジャー』のTVシリーズからの流用曲なのかなあと思うと、更に2曲だけ「渡辺宙明・山下康介作曲、山下康介編曲」となっているものがあって、アレレ? どう考えてもこの2曲、新録のハズなんですが、なんでこういう表記になってるんだろう?
ともあれ、宙明節が聴ける曲は全部で5曲あるワケですね。
最初が「メインタイトル」で、ギャバン初登場シーンの曲。原曲はメニューだと「マクー城外観」とされているB-4です。
次の「宇宙海賊VS宇宙刑事」は「対決」(B-22)のメロディーから始まりますが、これは一応新曲扱いにしても良いかも知れません。主題歌のメロも後半では顔を覗かせます。
「蒸着!豪快チェンジ!!」は挿入歌「チェイスギャバン」のイントロから始まり、その後でゴーカイチェンジのテーマへと引き継がれるコラボ曲ですね。劇場では思わず鳥肌が立つとともに、「チェイス!チェイスチェイス!ギャバ~ン!」と口ずさみそうになりました。
「正義一閃!レーザーブレード」は勿論レーザーブレードのテーマとして多用された「襲撃II」(B-11)ですが、アレンジはアルバム『渡辺宙明グレイテスト・ヒッツI』(II以降の発売を熱望!)のものに近いので、オリジナルに親しんでいる人ほど違和感があるかも知れません。
そして最後の「宇宙最大の一撃」は「斗う電子星獣ドル」(A-15)をベースにした曲。
・・・・・・こう書いているだけで、映画の興奮が甦ってきます。
やっぱり宙明節は良いなあ。
オール仮面ライダーとオール戦隊ヒーローが共演するという『スーパーヒーロー作戦』では、菊池俊輔メロディーと共に、是非とも渡辺宙明メロディーをバンバンぶち込んで欲しいもんです。
・・・やってくれないだろうけど。

ところがここは2004年から改築工事が始まったものの、未だに閉鎖中なのだそうだ。
この作品は本来、改築工事の記録映画となるはずだったのですが、工事は一向に進みません。
国際的なコンペで決定したはずの設計プランが、地元市民の反対に遭って頓挫。軌道修正を試みるも、市民団体だけでなく役人からも次々と横槍が入っていきます。
それでも、どうにかこうにか着工に漕ぎつけたと思ったら、今度は入札が失敗という有様。
美術館の職員たちは、どこに何を飾ろうか、あれを選んでこれをボツにして・・・などとやっているのですが、肝心の建物は出来ないし、段々モチベーションも下がっていきます。
度重なる変更、修正に建築家はやる気をなくし、学芸員も現場を離れ、遂には館長まで辞職するという事態にまで陥ってしまいます。
この映画は2008年に作られましたが、当初はこの年に再オープンのはずでした。本当なら完成披露パーティか何かの映像で締めくくろうとしたのだと思いますが、工事が中断したままであたかも廃墟のような美術館の姿で終わってしまいます。
それでもどうやら動き始めたらしい、というようなテロップが最後には流れますが、実際のところはまだまだ完成には至っていません。
途中で日本でのシーンがかなり長めに挿入されているので驚きましたが、この美術館には日本の作品が無く、どうしてもということで交渉を重ね、一対の金剛力士像を購入したんですね。
でも、せっかくの日本からの美術品も、今は所蔵庫で眠っているだけなのは実に勿体ないことで。
とにかくこの映画、かなり笑えます。
勿論作り手は大真面目に作っているでしょうし、映画に登場する館長、学芸員、修復家、装飾家、警備員などの美術館の職員、政治家、建築家、市民団体の皆さん、それぞれ自分の立場で正当な、真っ当な主張をしているつもりでしょうから笑われるのは本意ではないはずですが、逆にだからこそ笑いがこみあげてきます。
現在の予定では今年中か、来年の初めぐらいには再オープンの見通しらしいのですが、はたして今度こそ完成するのでしょうか。
「日本一わかりやすい」かどうかは知りませんけど、ツイッターの形式に慣れてる人ならば読みやすいですし、大まかな流れをとらえるには良いんじゃないでしょうか。
全部が全部ツイッターというワケではなく、半分くらいは(?)真面目な解説ですし、人物相関図や対立の構図、合戦の流れを図示した地図とか、結構「使える」んじゃないでしょうかね。

しかし暗殺計画とかをツイッターでやりとりしたり、拡散したり、死の直前にツィートしたりするのは流石に無理があるような・・・(苦笑)。
「メイキング補完版」を収めたボーナスディスク1と、製作発表やら舞台挨拶やら主題歌のPVやらを収録したボーナスディスク2との3枚組なのですが、初回生産限定版は更に「40周年記念ディスク」が付くので、なんと4枚組! こういう限定版に弱いんだよなあ・・・。

そうすると、結構あざといなあとは思うものの、”家族”、”絆”といったものが案外と素直に表現されてるなあと感じるようになりましたね。
『オーズ』きちんと見てないのでキャラクターの立ち位置がイマイチよくわかんないんですけど、わからないなりに「こういうことなのかな」と考えさせられるものでした。
ウザイだけだった荻野可鈴演じるベル(可愛いんだけどね)もチャーミングに見えてきたし、渡部秀の演技も割と好きなので、二度目の方が楽しめたかも。
反対に、今度は将軍様の方が気になるようになりました。ストーリー中心に追っていくと、どうしても邪魔な存在のような・・・? 出番も少ないし、これならいない方がスッキリするだろうなあ。
『仮面ライダーディケイド/オールライダー対大ショッカー』でのW、『シンケンジャーVSゴーオンジャー』でのゴセイジャー、『仮面ライダーダブルFOREVER』でのオーズ、『ゴセイジャーVSシンケンジャー』でのゴーカイジャー、『レッツゴー仮面ライダー』でのキカイダー、キカイダー01、イナズマン、ズバット、『ゴーカイジャーVSギャバン』でのゴーバスターズみたいな、本筋とはちょっと離れた顔見せ出演程度の扱いなのが勿体ないです。せっかくだから、もっと映司たちと絡ませても良かったかも知れませんが、それでは尺が足りなくなってしまうかな。そのうち<ディレクターズカット版>か何か出るでしょうから、そちらに期待しましょう。
顔見せと言えばこの作品にはフォーゼが出てきます。
しかし今見るとイメージ違いすぎ。弦太朗の喋り方、台詞回しが違うのは本編クランクイン前なので仕方ないですが、髪形も違うんですねー。一瞬誰だかわかりませんでした(←そんなことはないか)。
前作からは8年ぶりとなるシリーズ第2弾。

その後彼はチベットの僧院に引き籠り、己を鍛えるべく鍛錬の日々を送っていたのですが、そこにMI7から新たな任務の要請が!
英中首脳会議の最中に中国首脳を暗殺しようとする計画がある、との情報を得て、イングリッシュは情報提供者に接触を図ります。元CIAのこの男は、計画の背後に”ボルテックス”という3人組がいること、自分がその内の1人であること、そして計画の遂行には3人が持つ鍵を揃えることが必要なことを伝えますが、イングリッシュの目の前で男は殺され、一度は手に入れた鍵も奪われてしまいます。
2人目の男はKGBだと判明し、今度は鍵を手に入れますが、最後の一人はMI7内部にいると謎の言葉を残し、彼もまた暗殺者の手に。内部の裏切り者を探し出そうとするイングリッシュでしたが、あろうことかイングリッシュ自身に”ボルテックス”の嫌疑がかけられてしまいます。
濡れ衣を晴らそうと必死のイングリッシュ、その間にも本物の”ボルテックス”は着々と計画を進めているのでした・・・。
お話が要人の暗殺計画と、それを阻止しようとするイングリッシュの活躍に絞り込まれていますので、コメディとしてだけでなく、純粋なサスペンス物としてもなかなか楽しめる作品になっています。
相変わらずドジを踏みまくるイングリッシュですが、単に無能な奴ではなく、やる時にはしっかりとやる、という具合に描かれているので意外にも格好良く見えたりして。
ローワン・アトキンソン自身も果敢にアクション・シーンに挑戦しているようで、スタントも勿論使っているでしょうが、ギリギリで踏ん張っている感がしっかり出ていて、その点でもマル。
”ボルテックス”最後の一人の正体がバレバレだったり、お約束のギャグが繰り返される辺りに閉口する人もいるかも知れませんが、逆にオーソドックスなだけに安心して見ていられるのではないでしょうか。
『X-FILE』のジリアン・アンダーソンがMI7の女性局長、『ダイ・アナザー・デイ』のボンド・アクトレス、ロザムンド・パイクがヒロイン役ですが、流石に二人ともかつての魅力に陰りが見えてきたかな・・・。