
それはさておきこの作品、評判になってるだけあって面白い。
コンピューターゲームの世界には詳しくないのだけれども、それでも元ネタや有名キャラクターのカメオ出演がある程度わかるくらいだから、昔からのゲームファンはついニヤニヤしながら見てしまうんじゃないだろうか。
ただ絶賛ばかりじゃなんなので、幾つか苦言も呈すと――
まずは結果的にラルフを追い詰めることになる、同じゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の住人たち。”主人公”であるフェリックスもそうだけど、特にジーン! 彼らの言動が全ての元凶なのに、反省の色も見せずに単にラルフを非難するだけ。最後にゃ皆仲良くメデタシメデタシだけど、そりゃないんじゃないの?
それと本篇のヒロインであるヴァネロペ。
確かに同情されるべき可哀想な少女ではあるものの、ラルフのメダルを盗んだ、とは言わないが勝手に使い、しかも更に脅迫まがいの行動で彼の協力を取り付ける。
結局は彼女の自分勝手で我儘な行動が全て肯定されているかのように描かれているのは、天下の「ディズニー」ブランドで公開するファミリー・ピクチャーとしては道徳的にもどうかと思うのだけど。
なお、本篇上映前に付く短編映画の『紙ひこうき』。
かなりあざとい激甘なラブストーリーだけれども、これまた一見の価値あり。

海の中はフライング技術によって本当に泳いでいるように見えますが、海の上はやはり勝手が違うのか、王子さまが乗る船が妙に小さかったり、海上(船上)のシーンが陸上に移しかえられたり。一番残念だったのは、クライマックスの一大アクションシークエンスが丸ごとカットされてしまっていること。あれじゃあエリック王子は全然活躍してないし、アースラもあっけなさすぎ……アニメ版の再現を期待している人には物足りないでしょう。
でも、単純にいえば「面白い」「楽しい」舞台になっていると思います。
それはなんといっても「アラン・メンケンの音楽が素晴らしい!」ということに尽きるのではないかと思います。
今回は新曲がかなりあって、そちらにはまだ馴染めはしなかったのですが、それ以外はもう何度も何度も繰り返して聴いたメロディばかり。アニメ版とは違うシーンに使われたり、違うキャラクターが歌ったりという場面もありましたが、それでもメロディーの美しさは不変。四半世紀も前の作品ですが古臭さも皆無です。一応自分なりの評価としては
『美女と野獣』>『リトルマーメイド』>『ライオンキング』
なのですが、この音楽を堪能する為だけでも、これから二度三度と劇場に足を運んでしまいたいくらいです。

【おまけ】
アリエルの名前を当てようとするシーン、ここでエリック王子は「ジャスミン?エスメラルダ?それともベルかな?」と名前を列挙するのですが、思わず笑ってしまいました。でも他に反応している人がいなかったのだけれど、みんな気付かなかったのかしらん?
勿論それぞれ『アラジン』『ノートルダムの鐘』そして『美女と野獣』のヒロインの名前なんですが、共通点がもう一つ。どれもアラン・メンケンが音楽を担当してる作品ばかりなんですな。元の舞台版の台本にある台詞なのか、それとも日本版独自のお遊びなんでしょうか。
その頃イエローバスターこと宇佐見ヨーコは空から落下してきた小型ロボット・サイコロンを発見するが、そのサイコロンはスペースショッカーに狙われていた。
任務に背いた為に宇宙刑事の資格を剥奪された撃は、代わりに任務に就いたシャリバンと激しく争うが、遂に真の黒幕は宇宙犯罪組織マドーであることを突き止める。マドーの魔力がショッカーを復活させていたのだ。
しかし銀河連邦警察は地球ごとマドーとスペースショッカーを殲滅しようと苦渋の決断を下す。タイムリミットはあと僅か、ヒーローたちはこの危機をどう乗り越えるのか?そしてサイコロンに秘められた謎とは――?!

去年ヒットした「スーパーヒーロー大戦」の第2弾で、今度は宇宙刑事も参戦!
まあ前作はかなりグダグダな内容だったので今回は全然期待していなかったのだけれども、おお、前作よりは随分と面白いじゃないの。

まずメインとなるのが二代目ギャバンの撃とウィザード=晴人、イエローバスターのヨーコ、それにゴーカイシルバーこと伊刈鎧。この鎧が仲介役となることで、個々のヒーローの出会いをスムーズに結び付けることに成功。ホントに便利なキャラだね、鎧って。
それにライダーと戦隊も選抜メンバー。全戦隊は揃わないし、その各戦隊からも代表しか出てこないケースもあって(『秘密戦隊ゴレンジャー』ならアカレンジャーだけ)、絵的にはちょっと寂しいが作劇上はプラス。しかしキョーダインやイナズマンは出す必要があったのかね。また残念ながら(?)せっかくの新戦士キョウリュウゴールドは、TV放映の方が先になっちゃってる。
『仮面ライダーウィザード』からはライダー二人以外にコヨミや凛子、瞬平に輪島さんが、『特命戦隊ゴーバスターズ』は3人プラス黒木司令官と森下・仲村のオペレーターコンビ、『獣電戦隊キョウリュウジャー』からは5人全員、それに『ギャバン』とパートナーのシェリー、シャリバン、初代ギャバンこと一乗寺烈(今回は蒸着ナシ)、それにゴーカイシルバーの鎧が本人の出演。レギュラーセットに他番組のキャラクターがいる景色ってなんだか新鮮で、今回は面影堂に撃と鎧、それにヨーコちゃんがいるのを見ると「ああ、クロスオーバーしてるなあ」と感激する。あ、そうそう、変身シーンはないもののシンケンイエローこと花織ことはが登場し、シェリーとご対面、なんていうシーンも。
また声の出演ではフォーゼとゴーカイレッド、キョウリュウゴールドにイナズマン、スカイダインとグランダイン、宇宙刑事シャイダー、それにビート・J・スタッグにウサダ・レタスらがオリジナルキャスト。あ、シャドームーンと魔王サイコもそうか。声だけでも”本物”だとそのヒーロー自体も”ホンモノ”に見えてくるから、こういうのって大事なことなんだけど蔑ろにされる傾向も強いのが残念。予算とかスケジュールとかその他諸々の”オトナの事情”とやらもわかるんだけどね。
見所は幾つかあるけれど、撃役の石垣佑磨と鎧役の池田純矢の、スタントを使わないアクションシーンは必見。晴人役の白石隼也とキョウリュウレッドこと桐生ダイゴ役の竜星涼の絡みなんかも、二人とも頑張っていてなかなか見応えのあるアクションシーンになっている。
ただクライマックスバトルはいつものパターンになっちゃってるのと、ギャバンが唐突にメタルヒーローキーなるものをゴーカイジャーに渡し、彼らがゴーカイチェンジして姿を見せるジライヤ、ジバン、ドラフトレッダー、ジャンパーソン、ブルービート、ビーファイターカブトは意味不明。こういうのってキャラクターを無駄に消費してるので非常に勿体ない。上手く使えばまだまだ稼げるハズなのに。
それにラストでいきなり「ヒーローは他にもいる」というナレーションと共に姿を見せるキカイダーは一体何なんだ?

相変わらず3D映画にする必要のない画面だったけれども、トニー・スターク、いいキャラだよなあ。
映画はトニーの独白からスタート。まだアイアンマンになる前の1999年の回想の場面が最初に来るが、ここでとある人物がさりげなく登場しているのが芸コマ。みんな気付いたかな?
そして現代に戻るのだが、自信過剰でナルシスト、オレ様キャラの筈のトニーも、あの「アベンジャーズ」事件の後ではかなり参ってるという描写に驚かされる。
また今回トニーの敵に回るのが、以前トニーにコケにされたと思ってる男(実はペッパーの元カレ?)に、かつてトニーと一夜を共にしたという元カノ?という具合に、精神的にジワジワくる存在というのもエイリアンや神様相手とは違った意味でキツイ。実際、トニーはかなりボコボコにされるし、ペッパーも痛めつけられ、ローディは利用され、ハッピー・ホーガンも瀕死の重傷を負わされてしまう。
それでも決して重苦しい映画ではなく、適度な、というよりもかなりのコミカルなシーンを含みつつ、クライマックスでは大迫力のバトルを繰り広げてくれる。作品のキーとなる、とある男の子とのやりとりも楽しい。
それにしてもスーツを使い捨てるという発想はなかったなあ。
日本公開にあたって「さらばアイアンマン」というコピーが付けられているが、一応はこれで「アイアンマン」の物語に決着ではなく、一区切りが付いたなあという印象。ただしエンドクレジットにはしっかりと「トニー・スタークは帰ってくる」と明言されているので(これって「007」シリーズのお約束だけど)、単独の『アイアンマン4』はないかも知れないけれども、他の作品には出てくれるのだろう。
実際、映画の始まる前にはマーベル映画の今後の予定を一気に紹介する特報(『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ』の続編に『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』、そして『アベンジャーズ2』)が流れるし、エンディングの後には『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』の予告編が付く。このうちアイアンマンは『アベンジャーズ2』は勿論だが、『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』にも出るという噂があるので、今後の<マーベル・シネマティック・ユニバース>の動きからは目が離せない。
【追記】
皆さん、けっこうネタバレしてますね~。
エンドロール後のオマケシーンに出てくる誰かさんとか……(^^ゞ
まあ、『アベンジャーズ』繋がりってことだけ書いておきますか。
……ではないものの、それまでディズニー作品というと『101匹わんちゃん』を小さい頃に映画館で見たり、『ピーターパン』やミッキーマウスの出てくる短編作品をTVなどで見ていたくらいで、何となく古臭いイメージを持っていたし、ディズニー・タッチの絵柄も好きじゃなかったのだけれども、この作品を見てから認識を新たにした。

生前のウォルト・ディズニー自ら『人魚姫』アニメ化の構想を持っていたそうなので、会社としても念願の企画だったのだろう。
その成功の要因には、ストーリーの改変もあるのだろうなあ。
冒頭で「大胆にアレンジ」と書いたけれど、『人魚姫』といえば悲恋が定番。ところがこの作品では、”人魚姫”アリエルはエリック王子と結ばれてメデタシメデタシで終わるのである。
最初に見た時はどう受け止めて良いものやらけっこう悩んだのだけれども、ま、これはこれでアリかなあ。

一般的に『リトル・マーメイド』を代表する歌曲というと、アカデミー歌曲賞を受賞した「アンダー・ザ・シー」が有名だけれども、個人的には「パート・オブ・ユア・ワールド」が大のお気に入り。実際このメロディーがなかったら、『人魚姫』改悪ハンタイ!と叫んでこの作品の支持には回らなかったかも。
ただ、今回DVDを取り出して吹替版にして見直してみたのだけれども、あれ?何曲か日本語の歌詞が違ってるじゃん!?
聞けば97年の劇場再公開の際に一部の楽曲が再録音のものに差し替えられた由。DVDでリリースされたのはこの再公開版だそう。うーん、馴染みがないので違和感あるなあ。
ま、サントラCD持ってるし、吹替版のVHSソフトも持ってるから、そっちで愉しめば良いんだけどもね。
さて、いよいよ今度は劇団四季版を見に行くのだけれども、どんなステージになっていることやら……?
囚われの超電磁ガールズチームも反撃開始!
しかしバラオが――?!
と、怒涛の展開が続く第5巻。

その反面、オリジナル展開が過ぎると、純粋にライディーンやコンバトラーやボルテス、ダイモス、ダルタニアスの活躍が見たい!という今までのファンが望むことからは遠く離れてしまう可能性もある、というのが欠点だけれども。
しかし今後はどういう展開が待っているのかな。
まさか『超者ライディーン』や『REIDEEN』とクロスオーバー、なんてことはないだろうけど。

『ジャンパーソン』の特徴は、何といっても主人公が変身しない”ロボット刑事”だということだろう。またジャンパーソンが敵対する組織は3つあって、それぞれが同時に存在しているという点も異色。
といってもこの頃の東映ヒーロー作品は1話から見ているものの、大体2~3カ月くらいで視聴を止めてしまうパターンが殆どだったが、この作品もご多分に漏れず。この劇場版が公開されたのはTV放映が1クール終了する前後だが、おそらくこの辺りでリタイヤしている筈。まあ正直言って面白くなかったんだろうね。

JACメンバーが大挙して顔見せ出演してるとか、若草恵の音楽がジェリー・ゴールドスミスが担当した劇場版『スター・トレック』のテーマ曲っぽくて格好良いとか、そのぐらい…?
あ、紫を基調としたジャンパーソンのボディカラーは、ヒーロー物の主役としてはかなり珍しいかも。
また”ロボット刑事”という設定と裏腹に、そのデザインはメタルヒーローの元祖「宇宙刑事」のラインを踏襲していて、並べてみれば「新しい宇宙刑事」だと主張しても違和感はない…と思う。

現に『三国』は今年の末に刊行を予定している第7版の作業中で、その正に「辞書作りの今」を、実例を挙げてわかりやすく説明してくれています。
『舟を編む』を読んだり見たりした人ならすっかりお馴染みの言葉が幾つも出てきます。
辞書作りの全ての工程(装丁や印刷、製本等々)を網羅しているわけでは当然ないのですが、「用例採集」やら「取捨選択」「語釈」「手入れ」……といった作業段階ごとに、あんなことをしています、こんなことがポイントです、という具合に興味を引く記述が目立ち、一気に読み終えてしまいました。
著者自身も言い訳をしていますが、他の辞書に比べるとどうしても『三国』の宣伝めいた内容になっているのも御愛嬌。それだけ自分が携わっている辞書に愛着やこだわりがあり、自信を持って送り出そうとしているのだと考えれば悪いこととも思えません。
ちなみに自分、『三国』は使ったことがありませんが……。

そのまま映像化するには躊躇われるようなグロテスクな描写、あるいはエロティックな描写が増えているのは、これは小説という特性を活かしたものでしょうが、ストーリー上の差異は、これが初期の脚本をベースにした、そもそもの原案に近いものなのか、それとも小説として味付けを施す際に膨らませたものなのか、さてどちらなのでしょう?
いずれにせよ、映画を見ただけではわかり辛い、もしくは割愛された設定、描写も多いので映画を補完するものとして十分に面白いですし、これ単独でも……と言いたいところですが、やはりこの映画は長澤奈央と木下あゆ美の二人が動いてナンボですから、些か面白さに欠ける、と言っておかなくてはなりませんね。

この本では『オペラ座の怪人』のストーリーやキャラクターの紹介が主眼ではなく、日本公演の歩みやスタッフ、キャスト、裏方さんへの取材がメインで、出演者では高井治、苫田亜沙子、鈴木涼太、佐野正幸のインタビューが収められています。
他にはトリビア記事や楽曲解説、それに『オペラ座の怪人』以外のアンドリュー・ロイド=ウェバーの作品や、更には劇団四季で上演した他のミュージカル作品の紹介なども盛り込まれています。
こういう本を見てしまうと、また舞台を見たくなってきちゃうなあ。
東京公演はあと2ヶ月ほどで終わり、今のところその後の予定は発表されていないので、さあてどうしようかな?